DENKI GROOVE THE MOVIE? 石野卓球とピエール瀧の映画専門家レビュー一覧
DENKI GROOVE THE MOVIE? 石野卓球とピエール瀧
1989年結成以来エレクトロニックなサウンドや独特なユーモアを交えた歌詞、型破りなパフォーマンスを見せ革新的な存在であり続けるテクノユニット『電気グルーヴ』の足跡を、音楽シーンやサブカルチャーに造詣の深い「モテキ」の大根仁監督が追ったドキュメンタリー。2014年に行われた『フジロック・フェスティバル』グリーン・ステージでのライブの模様をベースに、デビューからの映像資料や、元メンバーの砂原良徳、『Cafe de 鬼(顔と科学)』などのミュージック・ビデオを制作した天久聖一、雑誌『ROCKIN’ ON JAPAN』編集長の山崎洋一郎らアーティスト、スタッフ、関係者13名による証言を交え、その波乱万丈な歴史を総括する。
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評論家
上野昻志
ミュージシャンの活動を追った映画は色々あるが、あまり面白いものに出会ったことがない。なんか、そのミュージシャンに親しんできた人たちが、頷き合っているような閉ざされた印象が強いのだ。本作が、それらと決定的に違うかは微妙なところだが、一応楽しく見られた。それは、俳優としてのピエール瀧とは、まったく異なる彼のパフォーマンスが見られたこともあるが、それ以上に、これが彼らの活動を通して、一九九〇年代以降の日本のテクノ・ミュージックの歴史になっていたからだ。
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映画文筆系フリーライター、退役映写技師
千浦僚
電気の伝記。観る前からアガる。楽しく観る。私は九〇年代にファン。ずっと追いかけてたひとや影響されてテクノものを作ってる友人もいていろいろ教えてもらいつつ。『電気ビリビリ』のBPMと歌詞の変遷に並走した世代。だから本作データ面に関して驚きはない。卓球と瀧のインタビューがないのは、どうせやってもムダとか、感動ぽくなってもイヤ、とも思うが、やはり欠落だ。だが現在の卓球による『NO』をトリに配置することで、彼らと或る時代の青春を感じさせたことは良かった。
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文筆業
八幡橙
電気グルーヴの26年を、彼らの曲に乗せ、元メンバーや関係者へのインタビューとライブ映像をふんだんに織り交ぜつつ振り返る。現在の2人の証言はなく、カメラが捉える近影は今も変わらずくだらないことを言い合い戯れるオフショットで構成され、そのことが石野卓球とピエール瀧の、狂気と同義の(?)異能ぶりと、ある種の円熟を際立たせる。序盤で描かれる92~93年ごろ、彼らが連載していたサブカル誌編集部の末席に在籍していたこともあり、四半世紀の来し方がついつい重なった。
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