秘密 THE TOP SECRETの映画専門家レビュー一覧

秘密 THE TOP SECRET

清水玲子の同名ミステリーコミックを「るろうに剣心」シリーズの大友啓史監督が映画化。死者の脳内に残った生前の記憶を映像化し、迷宮入り事件を捜査する警察庁の特別機関・第九。家族を惨殺し死刑になった男の脳内捜査を始めた彼らは、驚愕の真犯人にたどりつく。出演は、「グラスホッパー」の生田斗真、「ストレイヤーズ・クロニクル」の岡田将生、「種まく旅人 くにうみの郷」の栗山千明、「S 最後の警官 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE」の大森南朋。
  • 評論家

    上野昻志

    死者の脳内に蓄積された記憶を探るというコンセプトは面白い。むろん、記憶が宿るのは脳内だけか、というギモンはあるが。で、見ている間は、華麗に繰り広げられるヴィジュアルに目を奪われたのだが……。時間が経つうちに、それこそ、こちらの記憶が曖昧になり、端正な着こなしの生田斗真の横顔とか、汗の匂いが鼻につきそうな大森南朋の刑事とか、ベッドで手招きする織田梨沙などの姿は鮮やかに思い浮かぶものの、肝腎の物語は縺れた糸のようにこんぐらかってほぐせないまま。

  • 映画評論家

    上島春彦

    予算をかけた美術と特撮はさすが。配役も豪華。しかし物語が複雑すぎ、主人公が二人、ということの問題点が目立つ。生田の過去、岡田の現在、どちらかで良かったのではないか、だって全然違う話ではないか。エッチな新人織田梨沙のカラダのおかげで得した気分になれたものの。ただ、特に警察のかたを持つ気もないが、日本のおまわりさんはここまで無能ではないよ。確かに大森南朋みたいな困ったヤツはいるかもしれないが。死ななきゃ事件の真実が分からないようじゃ、そりゃ困るよ。

  • 映画評論家

    モルモット吉田

    「4匹の蝿」の網膜残像から犯人を追う設定を思い出させる脳内記憶の映像化という設定は面白いが高度な技術がある割に捜査員の脳を接続せねば再生できず、証拠採用もできないとは無用の長物。主観で左右される記憶は不正確と説明されるが恐怖心が現実を歪曲して捜査を迷走させたり、異世界の深淵を覗かせてくれるわけでもない150分に退屈。近未来をありきたりなSF的風景にしなかったのは正解だが狭い画角のみで描こうとするので世界が窮屈。岡田の演技はいつものように違和感。

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