エージェント・ウルトラの映画専門家レビュー一覧
エージェント・ウルトラ
「ソーシャル・ネットワーク」のジェシー・アイゼンバーグが主演を務めるアクションコメディー。田舎町で冴えない日々を送るマイクは、謎の暗号をきっかけに秘められた能力が覚醒。実は彼はCIAの洗脳プログラムを受けたエージェントだった……。「クロニクル」のマックス・ランディスのオリジナル脚本を『プロジェクトX』のニマ・ヌリザデが監督。共演は「トワイライト」シリーズのクリステン・スチュワート、「ロスト・ハイウェイ」のビル・プルマン、「顔のないスパイ」のトファー・グレイス、「ジャンゴ 繋がれざる者」のウォルトン・ゴギンズ、「エンド・オブ・ザ・ワールド」のコニ―・ブリットン。
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映画・漫画評論家
小野耕世
CIAにはキャプテン・アメリカのような超人間兵器を作ろうとして失敗した過去があるという事実はまるでマンガだ。そしてよくある設定のこの映画の主人公は自分の幻想をマンガに描く能力があり、女といっしょに逃げるのだが、これは男女が果たしてあこがれのハワイに行けるかという話でもある。さらに実写では追いつかない部分は、ゲイリー・レイグという人が手がけたカトゥーン・アニメーションの部分が補なってくれるから、これは実写を軸にしたマンガだと思えばいいでしょう。
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映画ライター
中西愛子
ダメ感漂う青年が、実はCIAに極秘に殺しのマインドコントロールをされた最強エージェントだった。そんな男と彼に寄り添う彼女の物語を、コミカルに、サスペンスフルに、ロマンティックに描く。ジェシー・アイゼンバーグとクリステン・スチュワートのコンビが、堪らなくいい。セクシーで繊細で少し悪くて芸達者なところがふたりはよく似ていて、この映画の荒い綻びを補うに十分に魅力的な科学反応を起こしている。脚本もなかなか面白いけれど、やっぱりこのふたりの魅力が最強。
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映画批評
萩野亮
俺はまだ本気出してないだけ系映画の応用版。ジェシー・アイゼンバーグはネルシャツのボンクラがよく似合う。冴えないコンビニ店員が突如スパイ映画のような世界にまきこまれるところにこの作品のわくわくポイントがあるのだけれど(その意味では一種のメタ映画である)、B級の現実がC級の映画的世界に接続されるさまをD級の作品として提供するような感じで救えない。ジェイソン・ボーンになれなかったボンクラの話としてもあまりに粗雑。部屋でだらだら見たいカウチポテト映画。
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