A Film About Cofee(ア・フィルム・アバウト・コーヒー)の映画専門家レビュー一覧

A Film About Cofee(ア・フィルム・アバウト・コーヒー)

    スペシャルティコーヒーと呼ばれる風味豊かで消費者の満足を得られるようなコーヒーを追究するプロフェッショナルたち、その市場がもたらした変化や背景に迫ったドキュメンタリー作品。短編作品やCM制作を手がけてきたブランドン・ローパー監督が3年の歳月をかけて、ホンジュラスやルワンダといったコーヒーの産地、生産者と直接取引する『スタンプタウン・コーヒー・ロースターズ』の生豆バイヤーや美しい所作でコーヒーを淹れる『大坊珈琲店』オーナーなど、世界各所のコーヒー文化を牽引する者たちに取材。彼らの高品質なコーヒーを消費者に届けようとする情熱を通し、コーヒーをめぐる新たな潮流に焦点を当てる。
    • 翻訳家

      篠儀直子

      コーヒーについて何かを語るとすれば、その歴史とかグローバリズムとの関係とか南北間格差とかさまざまな切り口が考えられるのだけれど、この映画は基本「ファン目線」であって、キレイキレイなスローモーション映像が多用されたり、ドキュメンタリーというよりは、コーヒーとコーヒーを作る人々をとにかく美しく描くことを目的としているようだ。そのなかにあって、大坊珈琲店(現在は閉店)の大坊さんの仕事ぶりを撮影した長回しのショットが、映画的にもずば抜けてすぐれている。

    • ライター

      平田裕介

      サードウェーブ・コーヒーの虜だという監督が撮っただけに、その素晴らしさを謳っただけのPR的内容に。豆だけぶん取らずに赤貧だったコーヒー農家の方々も幸せにしているのもわかるが、功績だけなく功罪だってあるだろうし、そっちも追わないと。両方を見せてこそ、その世界が?めるもの。しかし、なぜに第3波コーヒー界の住人の多くが、髭+ツー・ブロック+ウェリントン眼鏡+ニット帽になるのか(監督もすべて該当)。第2弾を撮るのなら、そのあたりを踏み込んで欲しい。

    • TVプロデューサー

      山口剛

      コーヒーの歴史、流通、バリスタと言われる人たちの技術などがよく判り、たまには丹念にいれたおいしい珈琲を飲みたくなる映像だ。大坊珈琲店主の真剣な眼差しと手つき、眼をつむって一杯7ドルの高級エスプレッソを飲む生産者のアフリカの農夫たちの表情など印象深い。しかし、情報番組的な内容と一時間強という上映時間は観客の足を映画館に運ばせるにはいささか魅力に欠ける気もする。居心地のいいカフェでカップ片手に大モニターで観た方が似合うような映画だ。

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