四月は君の嘘の映画専門家レビュー一覧
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映画評論家
北川れい子
少年マンガ誌連載の青春ラブストーリーの映画化と聞いて、無骨でちょっとひねくれた恋物語を想像したのだが、アララ、限りなく少女マンガ寄りの女子上位劇で、おまけに定番の難病つき。しかも主人公女子は怖いものなしのヴァイオリニストで、相手役男子はうっ屈を抱えたピアニスト、この辺りの芸術まぶしも女子向きだし、自転車に2人乗りをして海沿いの道を疾走するシーンなど、くすぐったいほどキラキラ。でもそれなりに丁寧に演出されていて、キャラでは脇の石井杏奈がいい。
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映画文筆系フリーライター、退役映写技師
千浦僚
「ちはやふる」では許せたものが何でこれでは許せないのか不思議。西武鉄道を日常で利用するのでかつてずっと流れていたアニメのスポットやこの印象的な題名だけ見ていて、何だろうと思っていたが、こういう物語こういうコンテンツだったのか。やっと知った。こんな自分のような感度の鈍い人間がこういうものを観ちゃいけないと思う。観る資格がない。理解もできない。最近は難病ものを観ると、んなこと知るか、早よ死ね、などと思う。いけないことだ。申し訳ない。
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映画評論家
松崎健夫
主人公たちが青春を謳歌する姿の遠方に江ノ島が見える。近くて遠いそのランドマークは、まるで“かをり”の存在のようである。見えているのに手が届かない、そんな感じなのだ。彼女はもともと近くにいたのに、“公生”はその存在に気付いていなかった。だから、いなくなって初めて気付かなかったことに気付くのである。江ノ島もまた、いつもそこにあるけれど、気が付くと遠く離れている。離れてしまったのは自分の方だったのかも知れない、と悟るのは、ずっと後になってからなのだ。
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