珍遊記の映画専門家レビュー一覧

珍遊記

『西遊記』をモチーフにした漫☆画太郎のギャグ漫画『珍遊記~太郎とゆかいな仲間たち~』を、「GANTZ」の松山ケンイチを主演に迎え実写映画化。天下の不良少年・山田太郎は僧侶の玄奘に妖力を封印され、ともに天竺へ向かうが……。監督は「地獄甲子園」「漫☆画太郎SHOW ババアゾーン(他) 」の山口雄大。お笑いトリオ『鬼ヶ島』のおおかわらと、テレビアニメ『おそ松さん』の松原秀が脚本を手がけている。制作プロダクションは『秘密結社鷹の爪』シリーズのDLE。
  • 映画評論家

    上島春彦

    このところ裸になってなかったなあ、と松山くんは出演を決意したそうだ。偉い。たまには頭も剃らなきゃ、とカナも出演を決意。かどうかは知らないが女優が三蔵法師というのは夏目雅子以来日本の伝統だ。笑えるギャグが少ないので星は減らしたが、原作ファンなら楽しめるはず。笑えなくても許せる、というタイプの映画である。溝端のゆるいブタ鼻メイクも悪くない。マツケンは「ユメ十夜」でも雄大さんと組んでおり、あっちではブタに舐められていた。雄大で『夢十夜』全篇映画化とか見たい。

  • 映画評論家

    北川れい子

    まず不真面目度が足りない。エロ度もグロ度も湿気っている。笑いの演出も全て不発弾。俳優陣はそれなりに揃っているのに、全員がその場限りのコントふう演技で、これでギャグ漫画の実写化とは、鼻先で笑う気力すら起きない。セットや衣裳、メイクも田舎芝居以下のチープさで、俳優サンたち、それに引きずられて笑えないゴッコ演技に? ジジ、ババのババ役を笹野高史にキャスティングするなど、けっこう遊んでいるのにさして効果がないのももったいない。ああ、つらい映画だった。

  • 映画評論家

    モルモット吉田

    原作のイメージに合おうが合うまいが、なんとなく成り立って実写化の中心にいるのが松ケンの凄さだが、今回も終始頭カラッポの山田太郎を演じきっていることに感嘆。自分のキャリアや小雪に怒られるのではないか、なとど一切考えてなさそうな吹っ切れた芝居ながら、それでいて下品になっていないことに驚く。意外に実写ベースだったので、VFXを駆使した下品極まりない過剰なまでの猥雑な活劇を期待すると大人しい印象だが、笹野高史、温水洋一の演劇出身勢は意図をくんで大怪演。

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