リビング ザ ゲームの映画専門家レビュー一覧

リビング ザ ゲーム

    プロゲーマーの世界に密着したドキュメンタリー。最も権威ある格闘ゲーム大会で2度の連続優勝を果たした梅原大吾、そんな大吾にライバル心を燃やす若きプレイヤー、ももちとその恋人チョコブランカ、さらに海外の選手も巻き込んで、彼らの光と影を映し出す。2017年カナディアン国際ドキュメンタリー映画祭、2017年広州国際ドキュメンタリー映画祭、2017年TOKYO DOCS出品作品。
    • 映画評論家

      北川れい子

      TVゲームなど、一切縁も関心もないこちらとしては、プロゲーマーたちの楽屋裏ドキュメンタリーと聞き、あまり期待せずに観たのだが、これが意外に面白く、取材されているゲーマーたちにもつい共感を覚えたり。その世界でトップを目指そうとすることの自信と不安、誇りなどが、ライバルに対する嫉妬がらみでしっかり伝わってきて、たかがプロゲーマー(ゴメン)、されどプロゲーマー、侮れない。大画面で勝負を見ているゲーム好きたちの熱狂ぶりにも興味津々。教わること多々。

    • 映画文筆系フリーライター、退役映写技師

      千浦僚

      これは観てよかった。海外ドキュメンタリーを観ているような体感がある。それは取材されているトップゲーム選手の国籍がフランス、アメリカ、台湾であることにも由来するだろうが、登場場面の多い日本の選手の撮られ方見せ方も日本国内で流通するドキュメンタリーとは違う印象。この映像自体の国籍が無国籍に拡がるゲーム文化のなかにあるからだろう。本作はそのゲーム文化をあまり知らない人間にも彼らの歴史と求道、生活や人生に懊悩する姿で強い感銘を与えるのではないか。

    • 映画評論家

      松崎健夫

      時に「映画評論家って、どうやって稼いでいるんですか?」と問われるが、本作はプロのゲーマーに対する同様の疑問に応えている。だが真髄は、かような下世話な回答ではなく、彼らの生き様や、今後の人生に対する焦燥と不安が描かれている点にある。スポーツ選手や芸能人など、特殊な世界に身を置くもの同士が理解し合い、結婚し、家庭を形成してゆく事例と同様に、プロのゲーマーのそれも描かれる。そしてプロのゲーマーは「ある意味でアスリートではないか?」と思わせるに至る。

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