ザ・アウトローの映画専門家レビュー一覧

ザ・アウトロー

ジェラルド・バトラー主演のクライムアクション。犯罪多発都市ロサンゼルスで、ワイルドな部下を率いて銀行強盗に立ち向かう刑事のニックは、伝説の強盗、メリーメン一味が巨大な銀行強盗を計画していることを知る。やがて、一味との対決の時が訪れるが……。共演は「サウスポー」のカーティス・“50 Cent”・ジャクソン、「スカイスクレイパー」のパブロ・シュレイバー。「エンド・オブ・キングダム」の脚本家クリスチャン・グーデガストの監督デビュー作。
  • 翻訳家

    篠儀直子

    強盗団と特捜班を等価のものとして重ね合わせ、前者よりも後者のリーダーのほうがどうかすると人間的にゲスいのではと印象づける前半部分は、こんなにだらだらやらずにもっと短く語れるはずだし、しかも、そこまで執拗に印象づけたにもかかわらず、後半部分(銀行強盗の開始以後)の面白さは、それとはほとんど無関係なのだった。でも、その「後半部分の面白さ」が猛烈な上、クライマックスの銃撃戦(冒頭部分と呼応)の編集がほれぼれする見事さ。ラストのサプライズも気持ちいい。

  • 映画監督

    内藤誠

    世界一銀行強盗が多いというロサンゼルスを舞台に警官と強盗が能力の限りをつくして戦うので、銃撃戦、カーアクション、闇世界への潜入と、見せ場たっぷり。悪の側はメリーメン(パブロ・シュレイバー)の指揮下、スポーツクラブや軍の特殊部隊で鍛えた運動神経と団結力で緻密な計画を立て銀行強盗に挑む。対する法の側を率いるニック・オブライエン(ジェラルド・バトラー)は仕事のためには家庭も顧みずといった、現代ではめずらしい男。他の人物もよく描きこまれていてセリフもいい。

  • ライター

    平田裕介

    時間配分をほぼ均等にして描く強盗団と重大犯罪班の攻防、それぞれのリーダーが一騎打ちを終えた後に交わす台詞など、とにかく「ヒート」を意識した作り。だが、それだけで終わらせずに鉄壁の防犯システムが敷かれた連邦準備銀行からいかにして金を盗むかを追ったケイパー・ムービーの妙味も持たせ、ただのフォロワーで終わらせていない。さらに「ヒート」と同じ95年に放たれたもうひとつの犯罪映画の傑作「ユージュアル・サスペクツ」的ツイストをオチに持っていくのも◎な好篇だ。

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