MMRワクチン告発の映画専門家レビュー一覧
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ライター
石村加奈
本作の監督を務めたのは、消化器専門博士のアンドリュー・ウェイクフィールド氏。いわく「私自身がメディアになり、伝える側になろうと決めました」。アメリカ疾病対策センターや大手製薬会社からの圧力がかかったテレビではなく、映画で伝えたかったのは、新三種混合ワクチンと自閉症との関連性にまつわる「不快な真実」だ。構成など多少もたつく部分は否めぬが、テーマに迫る熱量はマイケル・ムーア監督にも匹敵する。女医の言質を取った簡潔なラストシーンでは本領発揮、か!?
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映像演出、映画評論
荻野洋一
混合ワクチンの予防接種が小児の自閉症の原因になっているという問題提起は看過すべきではないが、医療の門外漢たる筆者がそれ以上の知見をここで披露できるものでもない。ただ筆者が言えること、それは医学上の是非ではなく、本作が映画として瑕疵を抱えていることだ。製作側の主張が延々と反復されるばかりで、反論提示も議論の深まりも不十分。医師免許?奪への憤りはわかるが、問題の根源として槍玉に挙がる機関についてもっと奥へと切り込んだ取材が欲しかった。
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脚本家
北里宇一郎
はしか、おたふく風邪、風疹の3種に効くというMMRワクチン。その注射を受けた(主に)乳幼児が次々と自閉症になって。家族が記録した子どもたちの事例が痛々しい。薬品会社とマスコミはその事実を隠ぺいしているというが、真相は藪の中だ。が、かつて日本でもMMRワクチンが作られ、副反応として髄膜炎が発生、製造中止となった事実。なおも自閉症の子どもが増加しているデータ。もろもろ考えるとますます迷宮に。作品の良し悪しを超えて、映画はこういう役割も担わされるんだと。
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