モンスターハンターの映画専門家レビュー一覧
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映画・音楽ジャーナリスト
宇野維正
製作も監督も脚本も主演も、同じカプコン社の「バイオハザード」シリーズをほぼ完全にトレースした本作。「バイオハザード」1作目はもう20年近く前のことになるわけで、激変する映画界にあっていくらなんでも呑気すぎないかとも思うのだが、さすが手練手管のチームワーク、序盤までの展開は十分に楽しめた。考えてみれば、同じ開発チームでビデオゲームのシリーズを手がけるのは当たり前なわけだから、もはや彼らの作品は映画界における治外法権として考えるべきなのだろう。
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ライター
石村加奈
主人公アルテミスを演じたミラ・ジョヴォヴィッチと、ポール・W・S・アンダーソン監督(脚本も)という「バイオハザート」コンビが誘う世界観は、壮大だ。南アフリカの秘境で撮影された、大パノラマのスケール感に圧倒される。この画力は、劇場で体験されたい。アイルーをはじめ、ファン心をくすぐる仕掛けにも、監督の原作ゲーム愛を感じる。日本語吹き替え版(特に松坂桃李扮する、ハンター〈トニー・ジャー〉のオリジナル言語)が、どんな仕上がりになっているのかも気になった。
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映像ディレクター/映画監督
佐々木誠
P・W・S・アンダーソン&ミラ・ジョヴォヴィッチ夫妻でカプコンのゲームを映画化。という安定の座組みだが、ミラの立ち姿はほとんど「バイオハザード」のアリス、既視感は否めない(相変わらず彼女のアクションに対する姿勢は素晴らしいが)。トニー・ジャーのリアルかつ超人的な動きは初参加のこの組のスタイルに合わせてか抑えめだったのが残念。だが、この二人が言葉を介さないコミュニケーションでバディになっていく過程は、お互いのこれまでにない魅力を引き出していた。
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