ルパン三世 THE FIRSTの映画専門家レビュー一覧

ルパン三世 THE FIRST

人気シリーズ「ルパン三世」を3DCGアニメとして映画化。伝説の秘宝ブレッソン・ダイアリーを狙うルパンは、考古学を愛する少女レティシアと共にその謎に挑む。だが、2人の前に秘密組織の研究者ランベールと組織を操る謎の男ゲラルトが立ち塞がる……。声の出演は栗田貫一らおなじみのメンバーに加え、『なつぞら』の広瀬すず、「劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~」の吉田鋼太郎、「Diner ダイナー」の藤原竜也。監督、脚本を務めるのは、「アルキメデスの大戦」の山崎貴。
  • フリーライター

    須永貴子

    大泥棒が世界を股にかける冒険活劇アニメーションと3DCGの相性が悪い訳がない。しかし、お宝の秘密があまりにも荒唐無稽で広げた風呂敷のたたみ方が雑なのは、“スケール感”という呪いにかかったからか。逆説的に、本シリーズの魅力はキャラクター間のベタなやりとりなのだなと再確認。そうなると気になるのは次元の声。彼以外の主要キャラの声優が次世代に替わっているため、次元の外見と80代の声優による声の違和感が際立ち、最後まで消えることがなかった。

  • 脚本家、プロデューサー、大阪芸術大学教授

    山田耕大

    天邪鬼な僕は、みんなが観ているものには目を背け、ルパン三世も子供がテレビで観ているのをチラ見した程度。今回初めて観るに等しい。ただ一言、面白かった! テンポよく、一瞬も飽きさせない。ご都合な展開も却って心地良い。90分ちょいの長さも的確。売れ筋監督に、「映画が長いのが何が悪いっ!」と?みつかれたことがある。やっと終わったと思ったら、まだ続きがあるラストシーンが作れないボンクラ映画はもう不要。映画は客に観せるものであって、見せびらかすものではない。

  • 映画評論家

    吉田広明

    目玉である3DCGについては、キャラの造形も違和感はないし(ただ、ルパンは以後ずっとこれでいいとは全く思わないが)、モノの質感も確か、方向性の自由度を十分生かしたアクション場面など、まずまずの成功と言えるのではないか。物語に関しては、一般意見を聴取してフィードバックしたというが、その分どこかで見たような既視感漂うものに落ち着いてしまったように思う(特に宮崎の「カリオストロ」。少女、古代遺跡、権力意志)。せっかくの新機軸、もっと冒険してもよかった。

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