ドラゴンクエスト ユア・ストーリーの映画専門家レビュー一覧
ドラゴンクエスト ユア・ストーリー
国民的RPG『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』を「アルキメデスの大戦」の山崎貴が総監督・脚本を手掛けて3DCGアニメ化。魔物たちから妻を取り戻そうとしたパパスは、息子リュカの前で殺される。10年後、リュカは父の遺志を継ぎ、再び冒険に旅立つ。声の出演は、「サムライマラソン」の佐藤健、「フォルトゥナの瞳」の有村架純、「オズランド 笑顔の魔法おしえます。」の波瑠、「今夜、ロマンス劇場で」の坂口健太郎、「50回目のファーストキス」の山田孝之。監督は、「STAND BY ME ドラえもん」で監督を務めた八木竜一とアートディレクターの花房真。
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映画評論家
北川れい子
「ドラゴンクエスト」の新たな物語、だそうだが、ゲームとはトンと縁がないこちらは、フルCGアニメの新作というイメージしかない。だからどのキャラクターも全て初対面で、そういう意味では新鮮と言えなくもないし、何より日本のCG技術のみごとさに感心する。光、炎、風まで立体的。ブルー色の水滴型モンスター“スラりん”も可愛い。がごめん、やはり異世界の初対面キャラに馴染むまでには至らず、ただボーと観ているだけ。あっ、こっちが勝手にゲームネタに呪縛された?
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映画文筆系フリーライター、退役映写技師
千浦僚
タイトルの「~ユア・ストーリー」というのが単に雰囲気のための修辞ではなく、文字通り“あなたの物語”としてメタ的に仕掛けられ、自らの虚構性を露わにするような展開をみせるところには結構驚いた。それでも、つくりごとでもそれは生きられた体験だ、とすることで観客はより強くその世界に?まえられてしまうのだが。本作の女性キャラクターはいまだ九〇年代前半の男の子の願望と妄想のなかのものであった。オリジナルのままで良かったのは息子が伝説の勇者だというところ。
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映画評論家
松崎健夫
テレビゲームに縁のない人たち(私を含め)にとって、この映画の間口は狭いように見える。だが、サブタイトルにわざわざ「あなたの物語」と付け加えている理由を知った時、これは単なる『ドラゴンクエスト』の映画化作品でないことを悟るのだ。そして、地位や名誉、金だけが全てではないという価値観の論賛に、自らの了見の狭さを反省するに至る。また、8bitの映像がフル3DCGに変化する瞬間の鮮やかさは、まるでモノクロがカラーに切り替わる「オズの魔法使」のようなのだ。
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