こどもかいぎの映画専門家レビュー一覧

こどもかいぎ

子どもたちの“かいぎ”が行われている保育園を1年間に渡って撮影したドキュメンタリー。人とのつながりや対話が一層重要になっている今、子どもたちのピュアな目線に立って世界を見ることは、社会が抱える様々な課題を解決するヒントになるのかもしれない。監督は『ママをやめてもいいですか!?』の豪田トモ。ナレーションを糸井重里が務めている。
  • 脚本家、映画監督

    井上淳一

    「対話の本質ってなんですか? その意味を子どもたちが教えてくれる」とコピーに。子供の対話の場からコミュニケーションの原点を学ぶらしい。しかし無防備でムキ出しなモノから過剰に何かを読み取ったり、省みたりすることの嫌いな僕はただただ戸惑うばかり。こっちだってそれなりに考えて生きてるぜ。これってわざわざ映画館で見なきゃいけないもの? NHKスペシャルどころかバラエティじゃ。昨今の発言も相まって、優しく見守ります的な糸井重里のナレーションがイヤだった。

  • 日本経済新聞編集委員

    古賀重樹

    年長組の保育園児たちが輪になって話し合う「こどもかいぎ」を開くだけでなく、子どもたちだけで対話をするための「ピーステーブル」というスペースもある。そんなユニークな教育を実践する東京郊外の保育園に取材している。子どもたちのコミュニケーション能力を伸ばそうとする園の方針は興味深いし、それに応えて自分なりに考えて発言しようとする子どもたち一人ひとりの表情もいい。四季の移ろいを織り交ぜた美しく破綻のない映像で、よく仕上がった卒園アルバムの趣。

  • 映画評論家

    服部香穂里

    制限かけずに溢れる感情をそのまま言葉にしてぶつける子もいれば、あれこれ考えて口をつぐむ慎重派の子もいる。そんな彼らと、睡眠など差し引けば、家族以上にともに過ごす時間が長いかもしれない保育士さんの、小さな“社会”を把握する俯瞰の目と、ひとりひとりの個性を熟知せんと努める凝視の目を臨機応変に織り交ぜ、干渉は最小限に辛抱強く見守り続ける姿勢に敬服。卒園の日、明らかに普段と違う大人の様子にもらい泣きする園児の成長にも、“こどもかいぎ”の成果が窺える。

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