BLOWBACKの映画専門家レビュー一覧
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映画監督/脚本家
いまおかしんじ
導入は見事。男がパンクした車を運転している。血を流し息も絶え絶え。何があった?いろいろ想像させる。娘は難病。治療に金がいる。で銀行強盗って流れになる。その中で男のこれまでの生き方が見えてくる。そうそううまく行くわけもない。裏切りにあって殺されかける。誰が裏切ったのか?男は一人ずつ追い詰めていく。途中合流する相棒が変なキャラで面白い。「こいつは俺がやりましょうか」って嬉々として拷問を始める。敵のやつらが割とあっさりやられちゃうのが物足りない。
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文筆家/俳優
睡蓮みどり
全篇において想像以上に派手さがなく、抑えめなトーンが続く。愛する難病の娘を助けたいという動機から銀行強盗する主人公ニックに待ち構えている裏切り、と物語はあくまでシンプルであり、撮影も音楽もこのタイプの映画のフォーマットに則って着実に作られたという感じがした。私がアクションに疎いせいからかもしれないが、これといって印象に残るシーンがなかったのが残念。元UFC世界王者のランディ・クートゥアが自撮りした本作宣伝動画が嬉しそうで愛嬌があり憎めない。
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映画批評家、都立大助教
須藤健太郎
この映画のどこに惹かれるか。身も蓋もない言い方をすると、単に教訓を垂れないからだと思う。多くのアクション映画がどこかで説教垂れがちで、その結果か、活劇の魅力がないがしろにされている。犯罪者は犯罪に手を染め、警察は犯人を追う。裏切り者は裏切り、悪人は悪事を犯し、殺し屋は殺す。マフィアのボスの用心棒は長身である。主人公には元恋人と闇医者の友達がいる。もったいぶった見せ場もドラマもいらない。付加価値のない同語反復。たかが映画、されど映画の心意気。
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