スラムドッグスの映画専門家レビュー一覧

スラムドッグス

飼い主に捨てられた犬たちの復讐劇を描いたコメディ。犬のレジーは飼い主ダグに家から遠い場所に捨てられる。家を目指してさまよっていると、ノラ犬のバグと出会う。捨てられたのだとバグに断言され、飼い主が最低なヤツだと気づいたレジーは復讐を決意する。声の出演は、「俺たちフィギュアスケーター」のウィル・フェレル、「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」のジェイミー・フォックス、「グランド・イリュージョン」のアイラ・フィッシャー、「アントマン&ワスプ」のランドール・パーク。「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」脚本・製作のフィル・ロード&クリストファー・ミラーが製作に参加。
  • 文筆業

    奈々村久生

    やさぐれわんこの逆襲をコミカルに綴ったブラックコメディだが、飼い主の虐待を愛情と信じて疑わない捨て犬の主張は、人間の児童におけるそれの構造と酷似しており、笑ってしまうほどに胸が痛んだりもする。アメリカ式のコテコテなユーモアのノリも、主体のビジュアルが犬であるからこそ見え方に変化がつき、人間を主語にしないことで語れるものがまだまだあるという可能性を実感する体験。欲を言えば小ネタ的に挿入される猟奇殺人鬼の飼い犬のアナザーストーリーも観たかった。

  • アダルトビデオ監督

    二村ヒトシ

    可愛いワンちゃんたちが口を開けばオチンポ様とかウンチとか聞くに耐えない下ネタを言う。わざと言う犬もいるが、犬は他の犬の肛門の臭いや排泄物や吐瀉物が好物なので真顔でも言う(犬の真顔とは?)。人間もウンチまみれ、キノコ食ってラリった犬の視界もごきげんだが、飼い主との悲しい関係は人間同士の共依存のメタファー。こういう映画大好き。吹き替え日本語版で牝犬を演じたマギーの声もよかった。てっきり犬は全部CGだと思って観てたら、リアル犬による演技だったと知ってびっくり。

  • 映画評論家

    真魚八重子

    想像以上に下品で気分が悪くなりそう。下ネタのオンパレードで、「テッド」の製作チームによるものというのもむべなるかな。自分が飼い主に嫌われていると気づいておらず、しかしそれがわかった途端、恐ろしい復讐に燃え立つ主人公の犬が可愛いが、原語のアテレコはウィル・フェレル。アメリカンコメディ界は人材がくすぶっていて、時が止まって感じる。実写とCGの技術が高く犬の表情がナチュラルで、その天然性によって観ていられるし、犬の感情が感じられる編集は良かった。

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