TALK TO ME トーク・トゥ・ミーの映画専門家レビュー一覧

TALK TO ME トーク・トゥ・ミー

2023年サンダンス映画祭で大きな話題を呼んだ、気鋭の双子YouTuber監督によるホラー。2年前に母を亡くし、その死と向き合えないでいる高校生ミア。そんな彼女の周りで流行っているゲーム「#90秒憑依チャレンジ」に参加するが、友人に母の霊が憑依してしまい……。主人公ミアを演じるのはNetflix『エブリシング・ナウ!』のソフィー・ワイルド。監督は本作が長編デビューとなる人気YouTuberのダニー&マイケル・フィリッポウ兄弟。
  • 映画監督

    清原惟

    古今東西に存在してきたような降霊術をユニークに描いた作品。若者たちはパーティーでドラッグを楽しむように降霊術にのめり込む。しかし、その過程で自分自身の恐怖と向き合うことになっていく。心霊ものだけど、内的な変化を皮膚の変化で表現したり、体験している側の視点から、外側で見ている人の視点へと移り変わるような、見せ方の工夫が面白い。最後の救いのなさには、本当にぞっとしてしまったし、死後の世界があんなふうに苦しみで満ちているとは思いたくないなと思った。

  • 編集者、映画批評家

    高崎俊夫

    往年の「雨の午後の降霊祭」のクラシカルな風味を愛してやまない高齢者世代にとってはいささかシンドイ作品である。おぞましい来歴を持つ謎の手首を握り締め、「トーク・トゥ・ミー」と唱えるや、あら、不思議、90秒で誰もが例外なく悪霊に取り憑かれ、トランス状態に陥って殺戮を繰り返すというプロットというのは果たしてアリなのだろうか。それぞれの高校生たちが背負った因果律などはまったく等閑視され、狂騒的なゲーム感覚ばかりが画面を跋扈していて疲弊感だけが募ってしまう。

  • 映画批評・編集

    渡部幻

    ドラッグやアルコールへの依存を、死を弄ぶ降霊パーティーの危険性に置換したオーストラリア産の青春ホラー映画。監督がドラッグに纏わる身近な経験に重ねて語っているが、文化批評よりも心の問題に眼目がある。死者の苦悶を自らに憑依させる肝試し的な刺激が依存を生む。引き金は主人公自身に巣食う喪失感と孤独感で、A24“好み”のブランド意識とも合致している。人物造形も演技も類型をまぬがれない。が、降霊のルールが破られて以降、雪だるま式に地獄の様相を呈する畳み込かけで飽きさせはしない。

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