わたしの物語の映画専門家レビュー一覧

わたしの物語

股関節がなく、大腿骨が短い極めて稀な障がいのあるイギリス人女性監督エラ・グレンディニングによるセルフ・ドキュメンタリー。障がい者への差別が未だ残るこの社会。同じ障がいのある人をSNSで探し訪ねながら、自分らしい生き方を発見していく4年間を記録した。2023年サンダンス映画祭ワールドシネマ部門正式出品。『あなたを探し求めて』のタイトルでSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2023にて上映。
  • 文筆業

    奈々村久生

    差別や偏見が生まれる一因として「見慣れていない」ことは強く作用する。監督かつ被写体であるエラの下半身が短い容姿は多くの人にとって「きわめて稀」だと思われるが、約1時間半の上映中にエラの姿に触れ続けるだけでも認識は劇的に変わる。要は「慣れる」。四肢延長と再建手術の権威である医師との対面はハイライトで、誰かを否定したとて自分を肯定できるわけではない複雑さをエラの表情が物語る。エラの夫の視点がないことは、彼女たちの関係にとって障がいが絶対的ではない証だろうか。

  • アダルトビデオ監督

    二村ヒトシ

    エラ監督は美人だ(とジャッジしてるんだからこの短評はルッキズムという差別である)が映画ではそこは言及されない。若い美女でありつつ障がい者でもあることはそれはそれで大変だろう。ところでメガネをかけなければ外出できない我々は障がい者だが、メガネやコンタクトという補助具が普及しまくったから生きることができてる。治療したほうが幸せだという医療モデルと、矯正するのではなく当人の自己受容の尊厳を大切にするべきとの考えの、人生を賭けた対立が凄い。いい映画でした。

  • 映画評論家

    真魚八重子

    生まれつき、両足に障がいがあるエラ・グレンディニング監督。特徴的な障がいの中でも、片足だけの症状が多く、両足という例は他に会ったことがないという。障がいが世界でも自分だけというのはなんと不安なことか。その合間に映るエラの私生活は、恋人と生活をエンジョイする積極性が印象深い。手術による治療も進んでいるが、幼児期から何度も手術をし、部分的な切断なども余儀なくされる。自身で判断がつかぬ年齢からの治療や、健常者と同じが良いことなのかを問いかける映画だ。

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