サム・ライミ

  • 出身地:アメリカ、ミシガン州ロイヤル・オーク
  • 生年月日:1959年10月23日

略歴 / Brief history

【スプラッタ・ホラー・ブームの立役者から国民的映画の監督に】アメリカ、ミシガン州ロイヤル・オーク出身。少年時代はコミックと映画に夢中で、兄アイヴァン(後に脚本家)、弟テッド(後に俳優)とともに8ミリカメラで映画を撮って成長する。ミシガン大学で文学と人類学を専攻するが、中退。20歳のときに友人のブルース・キャンベル、ロバート・G・タパートとルネッサンス・ピクチャーズを設立し、旺盛に自主映画を製作する。この時期に作った“Within the Woods”を発展させた長編映画「死霊のはらわた」(81・全米一般公開は83年)で、商業監督デビュー。残酷なホラー描写とオフビートな笑いを共存させたこの作品は若者から熱狂的に支持され、80年代に一大ブームを巻き起こすスプラッタ・ホラー。金字塔的作品となり、ライミ自身も大きく注目を浴びる。この頃に、やはり自主映画制作を目指していた無名時代のコーエン兄弟と知り合い、意気投合。ライミ2作目の「XYZ マーダーズ」(85)は彼らと共同で脚本を執筆。その後もコーエン兄弟の監督作「ミラーズ・クロッシング」に俳優として出演し、「未来は今」(94)では脚本を提供したりと、交流関係を築く。1990年、原作・脚本も手がけた「ダークマン」でハリウッドに進出。続いて、自主映画出身監督に理解の深い大物プロデューサー、ディノ・デ・ラウレンティスから資金を受けて「キャプテン・スーパーマーケット」(93)を発表。同作で「死霊のはらわた」シリーズを完結させ、アクション映画(「ハード・ターゲット」「タイムコップ」)や、テレビドラマの製作総指揮を手がけるようになる。【アメコミ映画で原点に回帰】98年の「シンプル・プラン」より、それまでのマニアックな芸風から、非ホラー非スプラッタの映画監督へと変化のきざしをみせはじめ、「ラブ・オブ・ザ・ゲーム」(99)では人生や恋に悩む人間ドラマにも挑戦。監督として幅の広さを見せるも、初期の破壊力が徐々に薄まりつつあったこの頃、ライミに大きなチャンスが訪れる。少年時代から愛読してきた国民的人気コミック『スパイダーマン』の実写映画化が決定し、多くの候補者を退けてその監督に抜擢。完成した「スパイダーマン」(02)は空前の大ヒットを記録し、続く「スパイダーマン2」(04)、「スパイダーマン3」(07)も、興行的にも批評的にも大成功を収め、一躍ハリウッドを代表するヒットメイカーへと躍り出た。また、日本のホラー映画「呪怨」に惚れこみ、ハリウッド・リメイク版に監督の清水崇を招聘して大ヒットに導くなど、プロデューサーとしてのセンスの良さも発揮している。

サム・ライミの関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • 65 シックスティ・ファイブ

    制作年: 2023
    アダム・ドライバー主演のSFサバイバル・スリラー。航行中の宇宙船が小惑星帯と衝突し、未知の惑星に不時着。船は大破し、生き残ったミルズは脱出船を捜索する中で、1人の少女コアと出会う。しかもその惑星は、6,500万年前の地球だったのだ……。共演は「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」のアリアナ・グリーンブラット。監督・脚本は「クワイエット・プレイス」の脚本・原案を担当したスコット・ベック&ブライアン・ウッズのコンビ。「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」のサム・ライミが製作を務めた。
  • ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス

    制作年: 2022
    マーベルスタジオのヒーロー、ドクター・ストレンジを主人公にしたファンタジックアクション大作。禁断の呪文によってマルチバースの扉を開いたドクター・ストレンジは、世界を元に戻すため、“スカーレット・ウィッチ”ことワンダに助けを求めるが……。出演は「パワー・オブ・ザ・ドッグ」のベネディクト・カンバーバッチ、「アベンジャーズ/エンドゲーム」のエリザベス・オルセン。監督を務めたのは、「スパイダーマン」3部作のサム・ライミ。
  • ドント・ブリーズ2

    制作年: 2021
    盲目の老人の家に侵入した強盗団が逆に追い詰められていく恐怖を描いたスリラーの続編。人気のない郊外の古びた屋敷で、盲目の老人が一人の少女を育てている。ある日、少女を狙う謎の武装集団が屋敷に忍び込む。暗闇のなか、老人は彼らの抹殺を試みるが……。監督は、前作で共同脚本を務めたロド・サヤゲス。出演は、「アバター」のスティーヴン・ラング、「ボーイズ・ドント・クライ」のブレンダン・セクストン3世。
  • ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷

    制作年: 2020
    「死霊のはらわた」のサム・ライミ製作のホラー。森林地帯で腐敗死体が発見され、マルドゥーン刑事とグッドマン刑事がかけつける。遺された所持品から死体の住所が明らかになると、そこは、2年前にグッドマン刑事が担当した“ランダース事件”の現場だった。出演は、「ナンシー」のアンドレア・ライズボロー、「エイリアン コヴェナント」のデミアン・ビチル。監督・脚本は、「ピアッシング」のニコラス・ペッシェ。
  • クロール  凶暴領域

    制作年: 2019
    「死霊のはらわた」のサム・ライミが「ドント・ブリーズ」に続き製作を手掛けたサバイバルスリラー。巨大ハリケーンに襲われたフロリダでワニが大量発生する。重傷を負った父親と実家に閉じ込められた大学の競泳選手ヘイリーは、父を連れて決死の脱出を図る。出演は、「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」のカヤ・スコデラーリオ、「プライベート・ライアン」のバリー・ペッパー。監督は、「ルイの9番目の人生」のアレクサンドル・アジャ。
  • ドント・ブリーズ

    制作年: 2016
    製作サム・ライミ&監督フェデ・アルバレスの「死霊のはらわた」(13)コンビが贈るスリラー。大金を隠し持つと噂される盲目の老人宅へ強盗に入った若者たちが、どんな音も聞き逃さない鋭敏な感覚を持つ老人によって、暗闇の中で逆に追い詰められていく。出演は「死霊のはらわた」のジェーン・レヴィ、「アバター」のスティーヴン・ラング。
    70

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