若村麻由美 ワカムラマユミ

  • 出身地:東京都練馬区
  • 生年月日:1967/01/03

略歴 / Brief history

東京都練馬区の生まれ。1985年、淑徳高校卒業後に仲代達矢主宰の“無名塾”に入り、『どん底』で初舞台を踏む。87年、NHK連続テレビ小説『はっさい先生』のヒロイン・早乙女翠役に抜擢。大阪の旧制中学校に赴任してきた女性教師を生き生きと演じ、注目を浴びる。翌88年も、フジテレビ『飢餓海峡』などのドラマで強い印象を残し、エランドール賞新人賞に輝いた。映画は、91年の和泉聖治監督「フィレンツェの風に抱かれて」で初主演したのち、沢田幸弘監督「仔鹿物語」91、澤井信一郎監督「福沢諭吉」91と相次ぎ出演。さらに女剣士を熱演した井上昭監督「子連れ狼・その小さき手に」93、忘れ難い戦争の記憶をピアノに封印した音楽教師の若き日の姿を好演した神山征二郎監督「月光の夏」93を経て、99年の原田眞人監督「金融腐蝕列島・呪縛」では、腐敗した大手銀行に立ち向かう正義感あふれるタフな女性キャスターを颯爽と快演して新境地を開き、日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞する。その後も、師匠の仲代と父娘役で共演した月野木隆監督「白い犬とワルツを」02、映画界の衰退とともに仕事を失うスター俳優の妻をはかなげに妙演した中田秀夫監督「ラストシーン」02、複雑な過去をもつチンギス・ハーンの母親を貫禄たっぷりに演じた澤井監督「蒼き狼・地果て海尽きるまで」07、人工授精によって天才少女を生み出す母親を怪演した三池崇史監督「神様のパズル」08などコンスタントに出演していく。テレビドラマは、NHK『春日局』89、『信長』92、『篤姫』08、『リミット・刑事の現場2』09、TBS『HOTEL』92、フジテレビ『夏子の酒』94、『白い巨塔』『夜桜お染』03、テレビ朝日『けものみち』06、『科捜研の女』08~など数々の作品に出演。とりわけ、坂東流の日舞の名取でもある素養を活かした和装での女っぷりには定評があり、NHK時代劇『柳橋慕情』00ではギャラクシー賞個人賞に輝いている。舞台での活躍も目覚ましく、長塚京三との二人芝居『オレアナ』94が評判を呼んだほか、98年には『テレーズ・ラカン』で紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。『LOVE LETTERS』などの朗読劇や、2001年の芸術祭優秀賞に輝いた『幸福な部屋』などのラジオドラマのほか、日本でも人気を博した米国ドラマ『アリーmyラブ』などでは声優としても活躍している。

若村麻由美の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • 私にふさわしいホテル

    制作年: 2024
    「文学史上最も不遇な新人作家」の逆襲を描いた柚木麻子の同名小説を堤幸彦が映画化した文壇ピカレスクコメディ。新人賞を受賞したものの、大御所作家から酷評を受けて小説を発表する場も得られなかった作家の加代子は復讐を決意。予想外の進展を見せる2人の対決の行方は……。出演は「さかなのこ」ののん、「あの人が消えた」の田中圭、「若き見知らぬ者たち」の滝藤賢一。2024年2月に惜しまれながら全面休館を迎えた「山の上ホテル」で撮影が行われた。
  • 科捜研の女 劇場版

    制作年: 2021
    科学を武器に、様々な凶悪犯罪に立ち向かう法医研究員を沢口靖子が演じる1999年開始の連続TVシリーズ、初の劇場版。世界同時多発的な不審死事件が勃発するなか、現代最新科学では絶対に解けないトリックを操るシリーズ史上最強の敵がマリコの前に立ちはだかる。若村麻由美、風間トオル、斉藤暁、渡部秀、山本ひかる、石井一彰、西田健、金田明夫、内藤剛志といったTV版レギュラー陣が集結。監督はTVシリーズを手がけてきた兼﨑涼介。
  • 老後の資金がありません!

    制作年: 2020
    垣谷美雨によるベストセラー小説を原作に、天海祐希が「狗神」以来、19年ぶりの単独主演を果たしたコメディ。コツコツと老後の資金を貯めてきた平凡な主婦・篤子。だが舅の葬式、娘の派手婚、さらには夫婦そろって失職し資産は激減。篤子は窮地に立たされる。監督は「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」の前田哲。
  • みをつくし料理帖

    制作年: 2020
    「天と地と」など数々の作品をプロデュース・監督してきた角川春樹が、髙田郁の人気時代小説を映画化。大坂を襲った大洪水により幼くして両親を亡くし幼馴染と離れ離れになってしまった澪は、蕎麦処つる家の店主・種市に料理の才を見出され料理人として働く。苦難を乗り越え料理人として成長していく澪を「酔うと化け物になる父がつらい」の松本穂香が、幼馴染の野江を「ハルカの陶」の奈緒が演じる。また、1980年代の角川映画を彩り角川三人娘といわれた女優陣のうち薬師丸ひろ子、渡辺典子が特別出演。角川春樹は本作を生涯最後の監督作品と位置付けている。
  • 一粒の麦 荻野吟子の生涯

    制作年: 2019
    明治時代、国の医業開業試験に合格した日本初の公許女性医師、荻野吟子の生涯をたどる伝記ドラマ。女性に医者の認可制度がなかった当時、自身の闘病経験から女医の必要性を感じた吟子は、女性による女性のための医療の実現を目指し、道なき道を奔走するが……。荻野吟子をTV『科捜研の女』シリーズの若村麻由美が演じるほか、「しゃぼん玉」の綿引勝彦、「映画刀剣乱舞」の山本耕史、「二流小説家 シリアリスト」の賀来千香子が出演。監督は「母 小林多喜二の母の物語」の山田火砂子。
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  • じんじん

    制作年: 2013
    絵本の里として知られる北海道上川郡剣淵町を舞台に、人の心の優しさや家族の絆を描くハートフルドラマ。「ミンボーの女」の大地康雄が企画と主演、「七人のおたく」の山田大樹が監督を務める。共演は「ラヂオの時間」の佐藤B作、「食卓のない家」の中井貴恵、「おこげ」の村田雄浩、「いちげんさん」中田喜子、「リアル鬼ごっこ5」の井上正大。2013年5月18日より、北海道・札幌シネマフロンティア、シアターキノ、シネプレックス旭川にて先行上映。
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