中村獅童 ナカムラシドウ

  • 出身地:東京都
  • 生年月日:1972/09/14

略歴 / Brief history

東京都の生まれ。本名・小川幹弘。父は、歌舞伎俳優・三世中村時蔵の三男で初代中村獅童を名乗った元歌舞伎俳優、のち東映プロデューサーの小川三喜雄。俳優の萬屋錦之介と中村嘉葎雄は叔父にあたる。6歳から日舞の稽古を始め、1981年、8歳で歌舞伎座『妹背山婦女庭訓』のおひろ役にて初舞台を踏み、二代目中村獅童を襲名。この時点で父はすでに俳優を引退していたため、歌舞伎役者としての後ろ盾を持たない状態でのデビューだったが、母・陽子が楽屋の支度などをつとめ、幼い獅童を支えた。83年には歌舞伎座『春日局』の竹千代役で松竹社長賞を受賞。中学時代からロックに熱中し、日本大学芸術学部演劇学科に入学後もアマチュアバンドで活動するが、19歳で再び歌舞伎の道を目指す。下積み期間を経て、『狐狸狐狸ばなし』96のおそめ役で歌舞伎座賞、翌97年の『歌舞伎の見方』解説にて国立劇場特別賞を受賞。その後、歌舞伎俳優としての活動と並行して、演出家・野田秀樹や劇団大人計画のオーディションを受けるが、落選が続く。しかし2002年、曽利文彦監督「ピンポン」の準主役である“ドラゴン”役を射止める。窪塚洋介扮する主人公・ペコの強力なライバルの複雑な心理までを掘り下げて、主役を食うほどの強烈な印象を残し、毎日映画コンクール、ブルーリボン賞、ゴールデンアロー賞などの各新人賞を受賞。これに勢いづいて、翌03年の新春浅草歌舞伎『義経千本桜』『菅原伝授手習鑑』にて初の主演もつとめ、森田芳光監督「阿修羅のごとく」03の助演を経て、04年の奥秀太郎監督「赤線」では映画初主演も果たす。竹内結子とW主演した土井裕泰監督「いま、会いにゆきます」04は大ヒットとなり、翌05年に実生活でも竹内と結婚、一男をもうけるが08年に離婚した。以降は、ロニー・ユー監督「SPIRIT」06、クリント・イーストウッド監督「硫黄島からの手紙」06、ジョン・ウー監督「レッドクリフ」08・09など海外の監督からのオファーも相次ぎ、歌舞伎の枠を超えた国際派俳優として幅広い活躍を見せている。

中村獅童の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • シネマ歌舞伎 唐茄子屋 不思議国之若旦那

    制作年: 2022
    歌舞伎を高性能カメラで撮影した『シネマ歌舞伎』の1本。宮藤官九郎がドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』でタッグを組んだ中村勘九郎と平成中村座で上演した新作歌舞伎。古典落語『唐茄子屋政談』に『不思議の国のアリス』の要素を織り交ぜた人情噺。2022年10月収録。出演は、「怪物」の中村獅童、ドラマ『どうする家康』の中村七之助。
  • 怪物の木こり

    制作年: 2023
    第17回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した倉井眉介による同名小説を原作に、三池崇史監督が映画化。斧で頭を割って脳を奪い去る連続猟奇殺人事件が発生。次の標的として弁護士・二宮彰が狙われるが、彼は殺人鬼を上回るほどの冷血非情なサイコパスだった。出演は「事故物件 恐い間取り」の亀梨和也、「地獄の花園」の菜々緒、「ハケンアニメ!」の吉岡里帆。
  • 首(2023)

    制作年: 2023
    北野武が原作・監督・脚本・編集・出演を務め、本能寺の変を独自の歴史観で描いた時代劇。信長が天下統一を掲げ、毛利軍、武田軍、上杉軍などと戦っていた最中、家臣の荒木村重が反乱を起こし、姿を消す。信長は秀吉、光秀ら家臣に村重の捜索を命じるが……。出演は、「ドライブ・マイ・カー」の西島秀俊、「MINAMATA-ミナマタ-」の加瀬亮、「怪物」の中村獅童。第76回カンヌ国際映画祭カンヌ・プレミア部門出品。
  • 映画 王様戦隊キングオージャー アドベンチャー・ヘブン

    制作年: 2023
    2023年3月~放映、自称王様だったギラや王様たちがチキューを守るために戦うスーパー戦隊シリーズ第47作『王様戦隊キングオージャー』の劇場版。ギラが国王に就任する戴冠式の最中に死の国=ハーカバーカへの扉が開かれ、ギラたちは試練に立ち向かっていく。『王様戦隊 キングオージャー』のパイロット監督を務める上堀内佳寿也監督はじめテレビ版のスタッフ・キャストが集結するほか、ゲストキャストとしてシュゴッダム初代国王・ライニオール役の中村獅童、死の国の案内人・デボニカ役の佐倉綾音、前トウフ女王殿・イロキ役の雛形あきこが参加。「映画『仮面ライダーギーツ 4 人のエースと黒狐』」と同時上映。
  • 怪物

    制作年: 2023
    「万引き家族」の是枝裕和監督、「花束みたいな恋をした」脚本の坂元裕二、「ラストエンペラー」音楽の坂本龍一がタッグを組んだミステリアスなドラマ。大きな湖のある郊外の町で子ども同士のケンカが起きる。やがてそれは大人や社会、メディアを巻き込む事件となる。出演は、「ある男」の安藤サクラ、「HOKUSAI」の永山瑛太、「千夜、一夜」の田中裕子。第76回カンヌ国際映画祭にて、坂元裕二が脚本賞を受賞した。
  • ヴィレッジ(2023)

    制作年: 2023
    主演・横浜流星×監督・藤井道人で贈る異色のサスペンス・エンタテインメント。「村」という閉ざされた世界を舞台に、そこで生きる人々のリアルな姿を通して、同調圧力、格差社会、貧困などの社会構造の歪みを抱えた現代日本の闇をあぶり出す。どこにも居場所を見つけられずに生きてきた青年・優が、唯一の希望を守るためダークサイドに転じる姿を横浜流星が体現する。企画・製作・エグゼクティブプロデューサーの故・河村光庸の遺志を継いで、スタジオ・スターサンズの制作チームが結集して完成させた。