キムラ緑子 キムラミドリコ

  • 出身地:兵庫県洲本市(淡路島)
  • 生年月日:1961/10/15

略歴 / Brief history

兵庫県洲本市(淡路島)の生まれ。本名・木村緑子。高校時代は剣道部で演劇には興味がなかったという。同志社女子大学学芸学部入学後、演劇部の稽古を見学して熱気に打たれ、すぐに入部する。そこにいたのが演出家のマキノノゾミで、1984年にマキノが結成した劇団M.O.Pの旗揚げに参加。京都での第1回上演は『熱海殺人事件'84』で、以後もつかこうへい作品を精力的に上演する。卒業後は劇団を離れ、地元で学習塾の講師をつとめていたが、3年後に女優の代役を急遽頼まれて舞台に復帰。いずれ地元に戻るつもりだったが、マキノがつか作品からオリジナルへ挑戦する意欲的な時期をともに歩むうち女優の覚悟を固める。『ピスケン』91の頃にマキノと結婚。以来、劇団M.O.Pの看板女優として活躍する。宮本亜門、野田秀樹、栗山民也らの演出作品にも参加。小林裕演出『秋の歌』97で紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞した。ここまでほぼ演劇一筋で、映画には「極道の妻たち・危険な賭け」96などに傍役で出演した程度だったが、マキノが脚本を執筆したNHK『まんてん』02への出演を境に映像の仕事が増える。篠原哲雄監督「命」02の劇団制作者、井筒和幸監督「パッチギ!」05と「パッチギ!/LOVE&PEACE」07の兄妹の母、中島哲也監督「嫌われ松子の一生」06の主人公の母などで、登場場面の少ない人物の背景を一瞬に表現。「真木栗ノ穴」08では西島秀俊演じる主人公を怪異譚のトラブルに巻き込む孤独な中年女を好演した。ドラマの主要作は、NHK『ちりとてちん』07、フジテレビ『鹿男あをによし』08、『ありふれた奇跡』09など。演劇活動も引き続き旺盛で、05年の『小林一茶』では読売演劇大賞優秀女優賞を受賞した。この年、マキノと離婚。互いの道を行くための発展的な離婚であり、10年の劇団M.O.P解散公演まで同志の関係を続ける。役作りには人一倍時間がかかり、演出家や監督の前に立つまで毎回のようにのたうちまわるという。映画でその厚みが十全に発揮されたのは山田洋次監督「おとうと」10。善良素朴に生きる女がそれでも男に貸した金の返済をその姉(吉永小百合)に求めねばならないさまを演じて印象を残した。

キムラ緑子の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • 大名倒産

    制作年: 2023
    浅田次郎の時代小説『大名倒産』を「ロストケア」などの前田哲監督が映画化。いつの時代も悩ましい“お金”の問題をテーマに、一夜にして庶民から殿様になった青年が、仲間たちと倒産と切腹の危機を回避するべく知恵をしぼる人生逆転エンターテインメント。ある日突然、徳川家康の子孫だと言われる小四郎を、時代劇初主演となる神木隆之介がコミカルに演じる。共演は100億円相当の借金を押し付ける実父を佐藤浩市、小四郎の幼馴染のさよを杉咲花、小四郎の教育係の平八郎を浅野忠信のほか、松山ケンイチ、小手伸也、桜田通、小日向文世、宮崎あおいなど豪華キャストが集結。
  • 波紋(2023)

    制作年: 2022
    「彼らが本気で編むときは、」の荻上直子が「よこがお」の筒井真理子を主演に迎え、自身の脚本を映画化。新興宗教を信仰し、日々庭の手入れを欠かさない須藤依子。ある日、長いこと失踪したままだった夫・修が突然帰ってくるが、がん治療の費用を助けて欲しいという。共演は、「レンタネコ」以来の荻上組参加となる光石研、「PLAN75」の磯村勇斗。
  • ある役者達の風景

    制作年: 2021
    緊急事態宣言解除後、ベテラン俳優たちが撮影期間半日、制作費0円で制作し、話題を集めた短編映画を長編映画にリメイク。コロナ禍により劇場から客足が遠のく中、壮年の舞台俳優・大谷は、俳優仲間の草野、中西とたった3人で”独劇”の公演に挑むが……。出演は「ダンスウィズミー」の大谷亮介。その他、モロ師岡、半海一晃、マギー、余貴美子ら錚々たる俳優陣が友情出演。
  • MIRRORLIAR FILMS Season4

    制作年: 2022
    映画監督から俳優、一般公募など36名の監督による“変化”をテーマにした短編を4回に分けオムニバス形式で公開する短編映画制作プロジェクトの第4回。窪田正孝主演、気力を失った男の変化を描いた水川あさみの初監督作「おとこのことを」など9作品を収録。他、「夏、至るころ」で監督デビューを果たした池田エライザによる「Good night PHOENIX」、一般公募のGAZEBO監督による「BEFORE/AFTER」、齊藤工が自身が監督した「COMPLY+-ANCE コンプライアンス」(2020)を新たな脚本、キャストでセルフリメイクした「女優iの憂鬱/COMPLY+-ANCE」、「アイヌモシリ」の福永壮志監督による「シルマシ」、「新聞記者」の藤井道人監督による「名もなき一篇・東京モラトリアム」、一般公募の真壁勇樹監督による「星ニ願イヲ」、一般公募の村上リ子監督による「THE NOTES」、俳優のムロツヨシが以前自身が書いた脚本を映像化した「バイバイ」を収録。年齢、職業、メジャーやインディーズなどといった垣根を超えた短編が揃う。
  • 劇場版 ラジエーションハウス

    制作年: 2022
    集英社のマンガ雑誌『グランドジャンプ』で連載中の『ラジエーションハウス』を映像化した人気ドラマシリーズの劇場映画版。放射線技師という裏方の活躍に焦点をあてた新たな医療エンタテイメント。離島で謎の感染症が発生、“チームラジハ”の新たな活躍が始まる。主人公の放射線技師・五十嵐唯織に窪田正孝のほか、本田翼、広瀬アリス、遠藤憲一などドラマのキャストがそのまま登場。監督は「マスカレード・ナイト」「HERO」シリーズの鈴木雅之。脚本はドラマ『ナイト・ドクター』『好きな人がいること』の大北はるか。
  • すばらしき世界

    制作年: 2021
    直木賞作家・佐木隆三の小説『身分帳』を原案として、「永い言い訳」の西川美和が舞台を現代に移し映画化。13年の刑期を終えた三上は、保護司の助けを借りて自立を目指していた。そこに、彼の姿を面白おかしく番組にしようとするテレビマンが近づいてくる。出演は、「孤狼の血」の役所広司、「静かな雨」の仲野太賀、「コンフィデンスマンJP プリンセス編」の長澤まさみ、「家族はつらいよ」シリーズの橋爪功、「曽根崎心中」の梶芽衣子。第45回トロント国際映画祭正式出品作品。
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