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- 林泰文
略歴 / Brief history
東京都の生まれ。3歳で劇団ひまわり児童部に入り、子役として活動。1980年の山田典吾監督「はだしのゲンPART3・ヒロシマのたたかい」で映画初出演し、舞台やテレビドラマにもいくつも出演する。86年、大林宣彦監督に抜擢され、「野ゆき山ゆき海べゆき」に主演。戦火の迫る尾道で大人びた美少女に憧れ、“わんぱく戦争”に明け暮れるやんちゃ坊主を伸び伸びと演じ、さらに「漂流教室」87、「異人たちとの夏」88、「北京的西瓜」89と大林作品に連続出演する。90年の大澤豊監督「遥かなる甲子園」では、聾唖学校の野球部主将を真摯に好演。続いて、大林組2度目の主演となった「青春デンデケデケデケ」92では、ベンチャーズに魅せられバンド活動に没頭する高校生を等身大で演じ、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞する。大林作品にはその後も多数出演。以後は子役から青年俳優へと長じて、素人監督を支える助監督役を好演した小田和正監督「緑の街」98、一心に勉学に励む主人公を演じた後藤秀司監督「二宮金次郎物語・愛と情熱の限り」98、男やもめの父と確執のある兄との間に立つ温和な弟を巧演する小林政広監督「歩く、人」02などに出演。好人物の役が目立つが、怪しげな医師を妙演する中村義洋監督「ジェネラル・ルージュの凱旋」09、ストーカーに豹変する怪演が光る呉美保監督「オカンの嫁入り」10などでは、長年のキャリアからくる芸域の広さを見せつける。テレビドラマの出演作に、フジテレビ『きらきらひかる』98、日本テレビ『弁護士・朝日岳之助』99~05、TBS『ディア・ゴースト』00、『ピュア・ラブⅡ』03、テレビ朝日『おみやさん』06~11など多数。TBS『JIN/仁』09・11で熱演した久坂玄瑞役も話題を呼んだ。
林泰文の関連作品 / Related Work
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晴れのち晴れ、ときどき晴れ
制作年: 2013日本のエーゲ海と呼ばれる瀬戸内海に面した港町・牛窓を舞台に、故郷に戻ってきた男がひょんなことから定時制高校に通い始め、人の絆の尊さに気付いていく人間ドラマ。岡山で祭りの際に踊られる音頭『うらじゃ』が作品を盛り上げる。監督は『安楽椅子探偵』シリーズや『アナザーフェイス~刑事総務課・大友鉄~』など数多くのテレビドラマの演出を手がけてきた内片輝。本作が長編映画初監督作品となる。脚本は映画「イキガミ」やドラマ『半沢直樹』などを手がけた八津弘幸。夢破れ故郷に戻ってきた男を人気パフォーマンスグループEXILEのMATSUとして活動する一方「LONG CARAVAN」に出演するなど俳優業も積極的にこなす松本利夫が演じる。 -
容疑者Xの献身
制作年: 2008天才物理学者が、元同級生の天才数学者が考案した殺人事件のトリックに挑む。直木賞を受賞した東野圭吾の本格ミステリー小説を映画化。先行して「ガリレオ」としてテレビドラマ化されていたキャスティングがそのまま踏襲され、「ガリレオ」こと天才物理学者の湯川学に映画の主演は「ほんの5g」以来20年ぶりとなる福山雅治、女刑事の内山薫に「日本沈没」「どろろ」の柴咲コウが演じる。映画版のオリジナル・キャストに「クライマーズ・ハイ」の堤真一と、「フラガール」の松雪泰子。脚本は「海猿」シリーズの福田靖、監督は「県庁の星」の西谷弘。90点 -
完全なる飼育 女理髪師の恋
制作年: 2003松田美智子原作の「高校生誘拐飼育事件」を基に、映画化したシリーズ第5弾。これまでは、年齢的にも性的にも未熟な若い女性が主人公だったが、今回は熟れた身体を持て余した人妻の孤独と屈折した大人の愛を描く。人妻=女理髪師を演じるのは荻野目慶子で、官能的な演技と過激なセックスシーンに挑戦。対する若い青年には北村一輝。また、シリーズの顔、竹中直人が画面を引き締める。第56回ロカルノ国際映画祭特別大賞を受賞。