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- 松坂桃李
略歴 / Brief history
神奈川県茅ヶ崎市の生まれ。“桃李”は本名で、中国の歴史家・司馬遷の『史記』に書かれた言葉から命名された。2008年、雑誌『FINEBOYS』の専属モデルオーディションでグランプリを獲得し、芸能活動を開始。翌09年、テレビ朝日『侍戦隊シンケンジャー』のシンケンレッド=志葉丈瑠役に抜擢され、主演デビューを飾る。近年の“スーパー戦隊シリーズ”の中では圧倒的な人気を獲得した同作は、計3本の劇場版も製作され、松坂はそのいずれにも同じ役で出演する。『シンケンジャー』終了後は、各局の連続ドラマに連投。フジテレビ『ジェネラル・ルージュの凱旋』10では野心家の2年目研修医、野島伸司脚本の同局『GOLD』10ではオリンピックの金メダリスト輩出を目指す家系で周囲からのプレッシャーに苦しむ長男の水泳選手、TBSの深夜ドラマ『クローンベイビー』10では、主人公につきまとう謎の男と、多彩な役どころを演じた。翌11年は、田中芳樹のベストセラーの舞台化『銀河英雄伝説/第一章・銀河帝国編』で幕を開け、初舞台ながらも座長をつとめて話題となる。続いて、テレビ朝日『アスコーマーチ・明日香工業高校物語』で演じた横山有人は、家計を助けるためにホストとなり、クラスで唯一の女子である武井咲演じるヒロインから想いを寄せられる役。少女漫画から抜け出たような王子様キャラが見事にハマった。同年の深作健太監督「僕たちは世界を変えることができない。」では、カンボジアに小学校を建てるボランティア活動に参加する今どきのイケメン大学生・本田を軽やかに演じて本領発揮。瀬々敬久監督「アントキノイノチ」11では、岡田将生演じる主人公が高校時代に精神を病むきっかけを作った同級生の、表と裏の顔を使い分ける狡猾さや自信と劣等感の狭間でもがくさまを繊細に表現し、回想シーンのみの登場ながらも深い印象を残す。人気携帯ゲームをモチーフにしたTBS『怪盗ロワイヤル』11では、知能派の怪盗・神村零役で主演。12年も、声優初挑戦のアニメーション「ドットハック/.hack//The Movie」と、阿部寛主演のTBSのヒットドラマ『新参者』の劇場版「麒麟の翼」の2作が公開予定で、さらにNHK連続テレビ小説『梅ちゃん先生』にヒロインの幼なじみ役で出演することも決まっている。
松坂桃李の関連作品 / Related Work
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空白
制作年: 2021古田新太、松坂桃李初共演、吉田恵輔監督・オリジナル脚本で贈る「空白の時代」とそこに生きる人間の業を炙り出すヒューマンサスペンス。中学生の少女の万引き未遂事件と逃走中の不幸な死。追いかけた店長は少女の父親の逆襲にあい、人生を脅かされていく。人と人のつながりや家族の絆の希薄さ、そしてメディアの狂乱も手伝い、思わぬ方向に感情が増幅してしまう危険をはらんだ現代社会。やがて登場人物たちは、愛と憎しみの果てに「全員被害者・全員加害者」の様相を呈していく。偽り、圧力、良心の呵責……空白の時間に起きた事件が生み出す人々の心の空白。その空白は何で埋められるのか? 一見沈鬱に見える題材をシニカルかつブラックユーモアを交えた視点で描くのは、「ヒメアノ~ル」「愛しのアイリーン」の吉田恵輔監督。観る者の心臓をあわだてる悪夢のような父親・添田充に、劇団☆新感線の看板役者の古田新太が扮し、7年ぶりの主演作を完成させた。土下座しても泣いても決して許されず、人生を握りつぶされるスーパーの店長・青柳直人に、「新聞記者」でアカデミー賞最優秀主演男優賞に輝いた松坂桃李。企画・プロデュースは、「あゝ、荒野」「新聞記者」「宮本から君へ」など話題作を世に送り出してきたスターサンズの河村光庸。 -
孤狼の血 LEVEL2
制作年: 2021暴力団対策法成立直前の広島を舞台に警察とやくざが壮絶な争いを繰り広げる「孤狼の血」の3年後を描いたバイオレンス映画。マル暴の刑事・大上の遺志を継いだ若き刑事・日岡は、権力を用い暴力組織を取り仕切っていたが、ある男の出所により事態が急転する。柚月裕子の『孤狼の血』シリーズ三部作をベースに、原作では描かれていない映画オリジナルストーリーを紡ぐ。前作から引き続き「凶悪」の白石和彌が監督、「新聞記者」の松坂桃李が刑事の日岡を演じる。また、日岡と火花を散らす悪のカリスマ・上林を「ひとよ」の鈴木亮平が演じる。92点