ロバート・ワイズ

  • 出身地:アメリカ、インディアナ州ウィンチェスター
  • 生年月日:1914年9月10日
  • 没年月日:2005年9月14日

略歴 / Brief history

【歴史的なミュージカルを発表した名匠】アメリカのインディアナ州ウィンチェスターの生まれ。フランクリン・カレッジを中退、1933年、RKOの編集部に入る。音響編集、編集助手、39年にはチーフ編集者となり、「カッスル夫妻」、「市民ケーン」、「偉大なるアンバーソン家の人々」などを担当する。44年「キャット・ピープルの呪い」で監督デビュー。49年、ボクシングの八百長試合をセミ・ドキュメンタリースタイルで描いた「罠」が評判となり、今ではSF映画の古典となって2008年にはリメイクもされた「地球の静止する日」(51)、トロイ戦争の一部始終を大スペクタクルで描いた「トロイのヘレン」(55)を撮り、ボクシングのミドル級チャンピオン、ロッキー・グラジアーノの伝記「傷だらけの栄光」(56)で、主演のポール・ニューマンをスターにすると同時に自らも売れっ子監督に名乗り出た。次いで実在の女死刑囚を主人公にした社会派ドラマ「私は死にたくない」(58) を撮る。【ミステリー、SF の世界でも活躍】61年にはミュージカル映画として画期的な成功を収めた「ウエスト・サイド物語」を発表。舞台を演出したジェローム・ロビンスと共同監督だったが、大掛かりなニューヨーク・ロケから始まって、ドラマの厚味とともに劇的効果を生みだした。アカデミー賞では作品・監督など10部門で大量受賞している。ホラー作品「たたり」(63)を撮った後、65年には「サウンド・オブ・ミュージック」を発表。トラップ一家をめぐる心温まるミュージカルの傑作で、この作品でもアカデミー賞の作品・監督賞など5部門で受賞。「ウエスト・サイド物語」に次いで歴史的なミュージカル2本を撮ったことになり、巨匠の地位を万全なものとした。「砲艦サンパブロ」(66)は、1926年の中国を舞台に、揚子江に出動したアメリカのオンボロ軍艦サンパブロ号の乗組員のドラマで、ワイズには珍しく敢えてヴェトナム戦争批判を行っている。「スター!」(68)はジュリー・アンドリュース主演のミュージカル大作。そして「アンドロメダ…」(71) ではミステリーの分野でもワイズは異能ぶりを発揮する。アル中と赤ん坊だけが生き残った村を舞台にした医学ミステリーの傑作で、宇宙からやってきたウイルスと科学者たちとのミクロの戦いを描いたもの。以降も「ふたり」(73)、「オードリー・ローズ」(77)、SF大作「スター・トレック」(79)など高水準の作品を発表した。

ロバート・ワイズの関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • サウンド・オブ・ミュージック製作50周年記念吹替版

    制作年: 1965
    「ウエスト・サイド物語」のロバート・ワイズが製作・監督し、「メリー・ポピンズ」のジュリー・アンドリュースが主演したミュージカル映画の製作50周年を記念して新たに収録された日本語吹替版。声の出演は、舞台『ラブ・ネバー・ダイ』の平原綾香、「時をかける少女」の石丸幹二、アニメ『けいおん!』の日笠陽子。
    80
  • キャット・ピープルの呪い

    制作年: 1944
    『サウンド・オブ・ミュージック』の巨匠、ロバート・ワイズ監督のデビュー作となったRKO製作のクラシックホラー。「キャット・ピープル」の続編。 監督はワイズとグンター・フォン・フリッチの共同。出演はシモーヌ・シモン、ケント・スミスほか。2013年10月12日より、東京・シネマヴェーラ渋谷にて開催された「エドガー・G・ウルマーとゆかいな仲間たち」にてデジタル上映。
  • 死体を売る男

    制作年: 1945
    『ウエスト・サイド物語』をはじめ多くの傑作を残した巨匠、ロバート・ワイズ監督の出世作となったRKO製作のクラシックホラー。『フランケンシュタイン』のボリス・カーロフと『魔人ドラキュラ』のベラ・ルゴシという2大ホラー俳優が共演。2013年10月12日より、東京・シネマヴェーラ渋谷にて開催された「エドガー・G・ウルマーとゆかいな仲間たち」にてデジタル上映。
  • ウィズダム 夢のかけら

    制作年: 1987
    社会に対するやり場のない怒りを抱いて銀行強盗を重ねる青年とその恋人の逃避行を描く。製作総指揮はロバート・ワイズ、製作はバーナード・ウィリアムス、監督・脚本・主演は「張り込み」のエミリオ・エステヴェス、撮影は「アイアン・イーグル」のアダム・グリーンバーグ、音楽は「バック・トゥ・スクール」のダニー・エルフマン、編集はマイケル・カーンが担当。出演はほかに「きのうの夜は…」のデミ・ムーア、「スペースキャンプ」のトム・スケリットほか。
  • スター・トレック(1979)

    制作年: 1979
    時は23世紀、謎のエイリアンの襲撃に立ち向うスター・シップ“エンタープライズ号”の乗組員の必死の防衛を描くSF映画。製作はジーン・ロッデンベリー、監督は「オードリー・ローズ」のロバート・ワイズ。ジーン・ロッデンベリーの創作を基にしたアラン・ディーン・フォスターの原案を基にハロルド・リビングストンが脚色。撮影はリチャード・H・クライン、音楽はジェリー・ゴールドスミス、編集はトッド・ラムゼイ、製作デザインはハロルド・マイケルソン、衣裳はボブ・フレッチャー、メーク・アップはフレッド・フィリップス、ハンナ・フィリップスとヴィー・ニール、特殊効果はダグラス・トランブル、ジョン・ダイクストラ(当初はロバート・エイブルだったが、前述2人に変更)が各々担当。出演はウィリアム・シャトナー、レナード・ニモイ、デフォレスト・ケリー、ジェームズ・ドゥーハン、ジョージ・タケイ、メイジェル・バレット、ウォルター・ケーニッグ、ニシェル・ニコルス、パーシス・カンバータなど。日本語版監修は高瀬鎮夫。メトロカラー、パナビジョン。1979年作品。
    90
  • オードリー・ローズ

    制作年: 1977
    我が子が実は11年前に死んだ少女の生まれかわりではないか、という心霊サスペンス映画。製作はジョー・ウイザンとフランク・デ・フェリータ、監督は「ヒンデンブルグ」のロバート・ワイズ、脚本・原作はフランク・デ・フェリータ(角川書店刊)、撮影はヴィクター・J・ケンパー、音楽はマイケル・スモールが各々担当。出演はマーシャ・メイソン、アンソニー・ホプキンス、ジョン・ベック、スーザン・スウィフト、ノーマン・ロイドなど。