ヴェラ・ヒティロヴァ

  • 出身地:チェコ オストラヴァ
  • 生年月日:1929/02/02
  • 没年月日:2014/03/12

略歴 / Brief history

1929年、チェコのオストラヴァで生まれる。62年FAMUの卒業制作「天井」で注目され、60年代チェコ・ヌーヴェルヴァーグの代表的な監督となる。プラハの春以降、「ひなぎく」と「楽園の味」(1969年)が政府に睨まれ、1976年まで活動を停止。「リンゴゲーム」で活動を再開。自由化後も「解放者マサリィク」(1990年)などを発表。2014年3月永眠。

ヴェラ・ヒティロヴァの関連作品 / Related Work

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  • 解放者マサリィク

      制作年: 1990
      チェコスロヴァキア初代大統領、トマシュ・ガリク・マサリークの生涯を描くドキュメンタリー。19世紀半ば、スロヴァキア人馭者の父とモラヴィア人の母の間に育ったマサリィクが、鍛冶屋の徒弟から身を起こし、政治学者、そして建国の父となるまでを綴っていく。マサリィクの自伝をナレーションとしてそのまま用い、その内容とオーヴァーラップするように、鋭く切り取られた映像がフラッシュ的にインサートされる。それらは古いニューズ・リールやマサリィクの著作の断片、あるいは現在のチェコの街の風景、さらには孫娘へのインタビューなどで、政治家としてのマサリィクのみならず、揺れ動く時代を堂々と胸を張って生きた一人の男の肖像を、映画は描き出している。
    • パネルストーリー

      制作年: 1979
      欠陥だらけの狭い団地に暮らす人々の一日を追ったシリアス・コメディ。欠陥団地をチェコスロヴァキアの国情に見立てての悲喜劇で、それぞれに問題を抱えて生きる人々の、なるようになるさとでもいった居直りが痛快。監督は「ひなぎく」「リンゴ・ゲーム」で知られるヴェラ・ヒティロヴァ。
    • りんごゲーム

      制作年: 1976
      プラハのとある産婦人科を舞台に独身のプレイボーイ医師と助産婦の微妙な愛情を描く。製作はアントニーン・ワニェク、監督は「団地物語」(80)のヴェラ・ヒティロヴァ、原案・脚本はヴェラ・ヒティロヴァとクリスティーナ・フラホヴァ、撮影はフランチシェク・ヴルチェク、音楽はミロスラフ・コジーネク、セットデザイナーはウラジミール・ラブスキーが各々担当。出演はダグマー・ブラーホヴァー、イルジー・メンツェルなど。日本語版監修はヴラスタ・チハーコバと粕三平。
    • ひなぎく

      制作年: 1966
      ひまをもてあました女性二人の繰り広げるバカ騒ぎを実験的な手法も織り混ぜて描いたユニークな作品。監督はチェコの女流、ヴェラ・ヒティロヴァ、パーヴェル・ユラーチェクの原案をエステル・クルンバホヴァーが脚色、撮影はヤロスラヴ・クチェラ、音楽をイジィ・シュストとイジィ・ジュルトルが担当。出演はイヴァナ・カルバノヴァ、イトカ・チェルトヴァほか。
    • 天井

      制作年: 1961
      安易に学校を退学し、ファッション・モデルとして生活する若い女性の、空虚な毎日を描く。製作した当時、主人公と同じくらいの年齢であったヴェラ・ヒティロヴァが、大学の卒業制作で制作した作品。「天井」というタイトルは、人間がその暮らしの中で演じなければならないことの限界を意味している。撮影はヤロミール・ショフル。編集はアントニン・ゼレンカ。音楽はヤン・クルサーク。製作はヤン・チェルニー。

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