菅田俊 スガタシュン

  • 出身地:山梨県富士吉田市
  • 生年月日:1955/02/17

略歴 / Brief history

山梨県富士吉田市の生まれ。本名・渋谷昌道。少年時代から東映やくざ映画に親しみ、学生時代にはテキヤの組織に出入りする一方で、アルバイト先の旅館に客として訪れていた詩人の竹内てるよと知り合い、師と仰ぐようになる。東京経済大学経営学部を卒業後、一度は会社員生活を送るが、映画の世界への憧れを捨てきれず、竹内に東映の俊藤浩滋プロデューサーを紹介してもらい、菅原文太の付き人となる。本名でいくつかのテレビドラマに端役出演したのち、1982年の中島貞夫監督「制覇」で映画初出演。菅原、鶴田浩二、俊藤から一文字ずつもらい“菅田俊”を芸名とする。84年、テレビ朝日『仮面ライダースペシャル・10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』で初主演。これは児童向け雑誌での連載が中心だった10人目の仮面ライダー“ZX(ゼクロス)”を主役にした唯一の映像作品で、菅田はZXに変身する村雨良を演じた。その後、東映を離れて、唐十郎主宰の劇団状況劇場に参加。活動の中心を舞台に移し、劇団唐組の創立にも関わるが、87年の長谷部安春監督「あぶない刑事」87で映像の世界に復帰する。以降は、高橋伴明監督「獅子王たちの夏」91や、黎明期からのOV作品に多数出演。強面のやくざや刑事、悪役などを数々演じ、92年の福岡芳穂監督「事件屋稼業」では、主人公の中年探偵・深町丈太郎役で映画初主演を飾る。OV『ブローバック・真夜中のギャングたち』90 で出会った室賀厚監督とは強い信頼関係を築き上げ、また黒沢清監督にも重用された。2003年にはクエンティン・タランティーノ監督「キル・ビル vol.1」、トム・クルーズ主演「ラストサムライ」で相次いで海外進出。テレビドラマの出演も数多く、09年の高橋玄監督「ポチの告白」では日本映画プロフェッショナル大賞の主演男優賞を受賞するなど、今もいぶし銀の男臭い魅力を放っている。

菅田俊の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • フェイクアウト!

    制作年: 2025
    借金返済のために、騙し合いの渦に巻き込まれてゆく青年の姿を描くクライム・サスペンス。多額の借金を相続したIT企業の警備員・高島誠人。機密データを持ち出せば100万円払うという知人からの依頼を受けた誠人だが、それは超高精度のAI株価予想プログラムだった。出演は「言えない秘密」(2024)の三浦獠太、「おとななじみ」(2023)の浅川梨奈。監督は「忘れないと誓ったぼくがいた」(2015)の堀江慶。
  • Welcome Back

    制作年: 2024
    「高崎グラフィティ。」の川島直人監督による、本当の居場所を求めて必死に生きる若者たちのボクシング・ロードムービー。有力視されたボクサーのテルが新人王決定戦で敗北した。次第に荒んでいくテルの横で、同じ団地に育った弟分ベンは「テルは負けない」と復讐を誓う。テル役には、Netflixドラマ『地面師たち』の吉村界人、ベン役には「Cloud クラウド」の三河悠冴。第40回ワルシャワ国際映画祭正式出品作品。
  • ちょっと思い出しただけ

    制作年: 2022
    「くれなずめ」の松居大悟が監督・脚本を手掛けたラブストーリー。怪我でダンサーの道を諦めた照生と、その彼女でタクシードライバーの葉。二人を中心に関わる登場人物たちとの会話を通じて、都会の夜に無数に輝く人生たちの機微を繊細かつユーモラスに描く。出演は、「アジアの天使」の池松壮亮、「ボクたちはみんな大人になれなかった」の伊藤沙莉。第34回東京国際映画祭コンペティション部門選出。
  • 日本統一53

    制作年: 2022
    本宮泰風、山口祥行主演の任侠大作第53弾。鎌倉の御前と東友会を潰し、東京の貸しジマ制度を撤廃させた氷室と田村は、本格的な関東進出に動き出す。そんな中、横浜ではフェンタニルという合成麻薬が出回っており…。【スタッフ&キャスト】監督:辻裕之 脚本:村田啓一郎 撮影:岡雅一 プロデューサー:服巻泰三 総合プロデュース・出演:本宮泰風 出演:山口祥行/菅田俊/小沢仁志
  • 下町任侠伝 鷹5

    制作年: 2022
    原田龍二主演による任侠ドラマ第5弾。浅草の見回りをしていた栄眞は、自警団を結成し街の治安維持に奔走する坂上と出会う。彼の信念に共感した栄眞だったが、一部では一家不要論を唱える人間もおり、栄眞は頭を悩ませる。共演は中野英雄ほか。【スタッフ&キャスト】監督:浅生マサヒロ 脚本:深井戸睡睡 撮影・照明:中尾正人 音楽:輿語一平 出演:原田龍二/小柳心/菅田俊/中野英雄
  • 鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽

    制作年: 2022
    1947年に出版された太宰治の小説『斜陽』の映画化。戦後に没落していく貴族の娘でありながら、古い道徳に抗って太陽のように道ならぬ恋につき進んでいく27歳のかず子の生き方を、75年を経た現代に照らし合わせて描く文芸ドラマ。主人公を演じたのは本作にて映画デビューと初主演を飾った宮本茉由。最後の貴婦人の誇りを持ちながら結核で死んでいく母に水野真紀。麻薬と酒に逃げ破滅していく弟の直治に奥野壮。太宰自身を投影した無頼の売れっ子作家・上原を安藤政信が演じる。監督は「うさぎ追いし 山極勝三郎物語」の近藤明男。故・増村保造監督の助監督を務めたことが縁で、増村と脚本家の白坂依志夫が遺した「斜陽」の脚本草稿を元に、自ら本作の脚本を仕上げた。