織田裕二 オダユウジ

  • 出身地:神奈川県川崎市
  • 生年月日:1967/12/13

略歴 / Brief history

神奈川県川崎市の生まれ。桐蔭学園高校を卒業後、ピッツバーグ大学ELIジャパンに入学するが、知人の紹介により芸能事務所に入り、1987年、山田大樹監督の青春群像劇「湘南爆走族」の出演者オーディションにより主人公のひとり、石川晃役に選ばれ俳優デビューする。同作の挿入歌『Boom Boom Boom』で歌手としてもデビュー。続いて、栗原剛志監督「愛はクロスオーバー」87、降旗康男監督「将軍家光の乱心・激突」89などの映画、フジテレビ『プロゴルファー祈子』87、NHK『北の海峡』88、『十九歳』89、テレビ東京『風雲!江戸の夜明け』89などのテレビドラマに出演し、印象を残す。89年、馬場康夫監督のホイチョイ・ムービー第2弾「彼女が水着にきがえたら」に原田知世の相手役で出演し、若手青春スターとして注目を集めるきっかけを作ると、翌90年には初主演映画となる村川透監督「BEST GUY」で、航空自衛隊のエリートパイロットを好演。TBS『ママハハ・ブギ』89、『卒業』『予備校ブギ』90、フジテレビ『あいつがトラブル』89などを経て、91年の同局『東京ラブストーリー』で鈴木保奈美扮するヒロインに翻弄される優柔不断な青年・カンチを演じ、一躍スターダムにのし上がる。その後は同種のオファーが殺到するが、織田自身は、自分が思い描いていたカンチのキャラクターと後半のドラマ展開の方向性が乖離していったことから、『東京ラブストーリー』の成功を是とせず、企画段階から作品の根幹に積極的に関わることのできる“主役”のポジションに対するこだわりを強めていく。実際、ここからは出演する映画・ドラマのほとんどが主演作となり、フジテレビ『新説三億円事件』91では、定着した好青年のイメージを早くも払拭する三億円事件の容疑者役に挑んだ。以後も、金子修介監督「就職戦線異状なし」91、「卒業旅行・ニホンから来ました」93、馬場監督「波の数だけ抱きしめて」91、渡邊孝好監督「エンジェル・僕の歌は君の歌」92、出目昌伸監督「きけ、わだつみの声」95と主演映画が軒並みスマッシュヒットを記録。ドラマもTBS『あの日の僕をさがして』92、『真昼の月』96、フジテレビ『振り返れば奴がいる』『素晴らしきかな人生』93、『お金がない!』94、『正義は勝つ』95などを次々と成功へ導く。役柄もシリアスな恋愛ドラマから、熱血漢の職業もの、シチュエーションコメディまで幅広く、いつしか映画・ドラマ界の双方で“織田不敗神話”なる伝説が囁かれるようになった。97年、自身にとっても最大のエポックメイキングとなるフジテレビ『踊る大捜査線』に主演。脱サラして念願の刑事になった主人公・青島俊作に扮し、持ち前の正義感で事件に立ち向かいながらも警察組織が抱える問題点や矛盾に直面してとまどう姿を等身大のヒーローとして演じて、視聴者の共感と支持を得る。それまで“続編嫌い”としても知られていた織田が、その信念を曲げてまで青島のその後を描くスペシャル版にも出演し、さらに翌98年に公開された映画版「踊る大捜査線 THE MOVIE」は、大方の予想を大きく上回る興行収入101億円の大ヒット。一躍、マネーメイキングスターの座を盤石なものとし、2003年の続編「踊る大捜査線 THE MOVIE2/レインボーブリッジを封鎖せよ!」は、実写日本映画の歴代興収記録を塗り替える173.5億円のメガヒットを記録する。この続編では優れた映画製作者に贈られる藤本賞を受賞。俳優としては01年の高倉健に続く二人目の受賞だった。00年、自ら原作に惚れ込み5年の歳月を費やして実現させた若松節朗監督「ホワイトアウト」をヒットさせ、ブルーリボン賞、報知映画賞の主演男優賞を受賞。01年のフジテレビ『ロケット・ボーイ』の収録中に持病の椎間板ヘルニアを悪化させて緊急入院し、全11回の予定だった同作が急遽7回に短縮されるというアクシデントにも見舞われるが、そんな事態も乗り越え、清朝末期の上海を舞台にした大森一樹監督「T.R.Y.」03ではアジアを股にかける天才詐欺師、西谷弘監督「県庁の星」06では人事交流研修で赴いたスーパーで現実に打ちのめされるキャリア組の県庁マン、黒澤明の名作を森田芳光監督がリメイクした「椿三十郎」07ではかつて三船敏郎が演じた流れ者の浪人と、次々と新しいキャラクターに挑んでいく。国際舞台で活躍する外交官・黒田康作を演じた西谷監督「アマルフィ・女神の報酬」09では、諜報員としての密命も帯びて暗躍する主人公の造形に魅力を見出し、フジテレビの連ドラ版『外交官・黒田康作』11を経て、映画第2作「アンダルシア・女神の報復」11へとシリーズ化。40代を迎え、成熟した俳優としての機軸を打ち出す新たな代表作とした。テレビドラマはほかに、TBS『真夜中の雨』02、『冗談じゃない!』07、フジテレビ『ラストクリスマス』04、『太陽と海の教室』08など。歌手としても『歌えなかったラブ・ソング』91、『OVER THE TROUBLE』94、『Love Somebody』97などをヒットさせ、自身の主演ドラマで主題歌を手がけることが多い。また、2年に一度行なわれるTBS『世界陸上』中継のメインキャスターを97年から継続してつとめ、その熱いMCぶりでも話題を呼ぶ。

織田裕二の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • 踊る大捜査線 N.E.W.

    制作年: 2026
    1997年の連続ドラマ開始以来、それまでの刑事ドラマとは一線を画し、警察内部の縦割り社会や上下関係、人間模様を描き、社会現象を巻き起こした「踊る」シリーズ最新作。
  • 室井慎次 生き続ける者

    制作年: 2024
    1997年に連続ドラマが放送され、1998年から6本の映画が製作された『踊る大捜査線』シリーズの室井慎次を主人公とする劇場版2部作の後編。警察を辞め、故郷・秋田で穏やかに暮らしていた室井の前に謎の少女が現れ、他殺と思われる死体が発見される。出演は、「シャイロックの子供たち」の柳葉敏郎、「ディア・ファミリー」の福本莉子、「カラオケ行こ!」の齋藤潤。監督は、同ドラマシリーズや劇場版を手がけてきた本広克行。
  • ボクの妻と結婚してください。

    制作年: 2016
    樋口卓治の同名小説を、「県庁おもてなし課」の三宅喜重監督と、「踊る大捜査線」シリーズの織田裕二主演で映画化。余命6ヶ月を宣告された放送作家の三村修治は、妻・彩子のために最高の結婚相手を探そうと奔走する。そして、理想の相手・伊東正蔵が現れる。脚本は、「ヘルタースケルター」の金子ありさ。出演は、「嫌な女」の吉田羊、「神様のカルテ」シリーズの原田泰造、「極道大戦争」の高島礼子。
    80
  • 踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望

    制作年: 2012
    1997年のテレビ放送開始以来圧倒的な人気を博しこれまでに3度の劇場版公開、2本のスピンオフ映画を輩出した刑事ドラマ『踊る大捜査線』シリーズ完結編。前作「踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!」で係長に昇進した青島に降りかかる最後の事件を描く。「アマルフィ 女神の報酬」の織田裕二、「ステキな金縛り」の深津絵里、「日輪の遺産」のユースケ・サンタマリア、「聯合艦隊司令長官 山本五十六」の柳葉敏郎らが出演。監督は、同ドラマテレビシリーズ演出や劇場版の監督を務めてきた「サマータイムマシン・ブルース」の本広克行。脚本は同シリーズスピンオフ映画「容疑者 室井慎次」ではメガホンを取った君塚良一。
    60
  • 係長 青島俊作2 事件はまたまた取調室で起きている!

    制作年: 2012
    『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』の劇場公開に合わせてNOTTVで独占配信されたオリジナルストーリー。湾岸署管内のなぎさ商店街で会長が殴打される事件が発生。次々と自らを犯人と名乗る人物が現れる中、強行犯係係長の青島が事件の解決に挑む。【スタッフ&キャスト】原案:君塚良一 脚本:金沢達也 監督:長瀬国博 出演:織田裕二/伊藤淳史/北村総一朗/斉藤暁/佐戸井けん太
  • アンダルシア 女神の報復

    制作年: 2011
    「アマルフィ 女神の報酬」に続き、織田裕二演じる外交官、黒田康作が活躍するサスペンスシリーズ劇場版第2弾。日本人殺人事件の調査でスペインを訪れた黒田が、国際テロ組織の陰謀に巻き込まれてゆく。共演は「SPACE BATTLESHIP ヤマト」の黒木メイサ、「THE LAST MESSAGE 海猿」の伊藤英明。
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