余貴美子 ヨキミコ

  • 出身地:神奈川県横浜市
  • 生年月日:1956/05/12

略歴 / Brief history

神奈川県横浜市の生まれ。台湾人の父と日本人の母を持ち、女優の范文雀は従妹にあたる。神奈川学園高校卒業後の1976年、たまたま見た舞台に魅かれてオンシアター自由劇場に所属。白紙の状態から稽古に明け暮れ、『上海バンスキング』79のリリー役などで評価される。86年、大谷亮介らと役者集団“東京壱組”を旗揚げし、この時期からテレビドラマにも出演し始める。87年の梶間俊一監督「ちょうちん」で映画初出演。映像ジャンルでの初の大役は神代辰巳監督「噛む女」で、永島敏行を誘惑する“噛む女”役の凄艶な演技で注目される。椎名誠監督「うみ・そら・さんごのいいつたえ」91では石垣島に娘と帰郷した母親役をナチュラルに演じたが、やはりノワールな湿り気を湛えた女の妖気こそが際立ち、そのピークが石井隆監督「ヌードの夜」93で多くの映画ファンを魅了したヒロイン・名美役だった。石井作品には以後もたびたび助演する。以降ももっぱら陰のある役で存在感を出してきたが、フジテレビ『白線流し』96の温かい教師役、98年のブルーリボン賞、毎日映画コンクールなどの助演女優賞を受賞した山田洋次監督「学校Ⅲ」、相米慎二監督「あ、春」などを経て、NHK連続テレビ小説『ちゅらさん』01の助演でさばさばした持ち味を発揮する。若い頃は艶っぽい思い出もあり、年齢を重ねた今は家族や周囲を大切に朗らかに生きている、そんな背景の女性を演じれば絶品のリアリティを持つ。滝田洋二郎監督「おくりびと」08と西川美和監督「ディア・ドクター」09で、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を2年連続受賞。途切れることなく映画、テレビドラマに出続けながら、96年の東京壱組解散後も数多くの舞台に立つ。06年に美術スタッフの男性と結婚。

余貴美子の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • 橋ものがたり「約束」

    制作年: 2024
    時代小説の名手・藤沢周平の傑作短編集『橋ものがたり』に収録された切ないラブストーリー『約束』を、ドラマ『北の国から』シリーズの杉田成道監督が映画化。長い奉公の年季が明けた職人と幼馴染の女性が橋の上で再会するまでを描く。「メンドウな人々」「わたくしどもは。」など近年映画出演が続く歌舞伎界のプリンス、片岡千之助が時代劇初主演。共演は北香那、元雪組トップスターの望海風斗、山口紗弥加、余貴美子、風吹ジュン、橋爪功。
  • 52ヘルツのクジラたち

    制作年: 2024
    2021年の本屋大賞を受賞した町田そのこの同名小説を、「銀河鉄道の父」の成島出が映画化。傷を抱え、東京から海辺の街の一軒家に移り住んだ貴瑚。母親から虐待を受ける少年“ムシ”との出会いが、自分を救い出してくれたアンさんとの日々を呼び覚ます。出演は「市子」の杉咲花、「さんかく窓の外側は夜」の志尊淳、「エゴイスト」の宮沢氷魚。
  • 映画 めんたいぴりり パンジーの花

    制作年: 2023
    日本で初めて明太子を売り出した『ふくや』創業者の実話を基にした人情ドラマ第2弾。福岡の下町、中洲の一角にある食料品店『ふくのや』。店主の海野俊之と妻・千代子、従業員たちが今日も忙しく働いている。そんな折、ふくのやの店先にタコ焼きの屋台が現れ……。出演は前作に続き、博多華丸、富田靖子、斉藤優。ゲストに「武士の献立」の余貴美子、HKT48の地頭江音々、「小さな恋のうた」の森永悠希を迎え、前作同様、江口カンが監督を務める。2023年6月2日より九州先行公開。
  • 犬も食わねどチャーリーは笑う

    制作年: 2022
    「凪待ち」の香取慎吾主演、「箱入り息子の恋」の市井昌秀が監督・オリジナル脚本を手がけたコメディ。結婚4年目を迎える田村裕次郎と日和。表向きは仲良しな2人だったが、日和の過激なSNS投稿〈旦那デスノート〉がきっかけで引くに引けない夫婦喧嘩が勃発する。共演は「やがて海へと届く」の岸井ゆきの、「猫は逃げた」の井之脇海。
  • 君を愛したひとりの僕へ

    制作年: 2022
    並行世界を描き話題となった乙野四方字のラブストーリー2作の1つを『バクマン。』のカサヰケンイチ監督、トムス・エンタテインメント制作でアニメ化。親同士が再婚することになり、互いに恋心を抱く暦と栞は兄妹にならない並行世界へ駆け落ちしようとする。同じく乙野四方字原作の同日公開アニメ「僕が愛したすべての君へ」とは、互いの世界が交差する。「his」の宮沢氷魚が声優に初挑戦し、「僕が愛したすべての君へ」「君を愛したひとりの僕へ」両方の世界の主人公・暦の声を一人二役で担当。本作のヒロイン・栞の声を「朝が来る」の蒔田彩珠が担当する。
  • 僕が愛したすべての君へ

    制作年: 2022
    並行世界を描き話題となった乙野四方字のラブストーリー2作の1つを「劇場版Infini-T Force/ガッチャマン さらば友よ」の松本淳監督、タツノコプロ内の新レーベルBAKKEN RECORD制作でアニメ化。暦は85番目の並行世界から来たという和音に声をかけられ……。同じく乙野四方字原作の同日公開アニメ「君を愛したひとりの僕へ」とは、互いの世界が交差する。「his」の宮沢氷魚が声優に初挑戦し、「僕が愛したすべての君へ」「君を愛したひとりの僕へ」両方の世界の主人公・暦の声を一人二役で担当。本作のヒロイン・和音の声を「ここは退屈迎えに来て」の橋本愛が担当する。