哀川翔 アイカワショウ

  • 出身地:徳島県徳島市
  • 生年月日:1961年5月24日

略歴 / Brief history

徳島県徳島市の生まれ。海上自衛隊に所属していた父親に伴い、山口、栃木、千葉を転々としたのち、母方の実家がある鹿児島県鹿屋市に移り住む。県立高山高校卒業後に上京して、東京工学院専門学校在学中にアルバイトで雑誌のライターを経験。その後、ストリートパフォーマンス集団“劇男一世風靡”に所属し、柳葉敏郎、小木茂光らとともに“一世風靡セピア”を結成して、1984年に『前略、道の上より』でレコードデビューを果たす。88年に同郷の長渕剛から声をかけられ、TBSのドラマ『とんぼ』に出演して本格的に俳優業に進出。長渕演じるやくざを慕う舎弟役で、独特の存在感を放ち注目される。同年、和泉聖治監督「この胸のときめきを」の端役で映画初出演し、翌89年にも長渕主演の「オルゴール」「ウォータームーン」に相次いで出演する。90年には高橋伴明監督のオリジナルビデオ『ネオチンピラ・鉄砲玉ぴゅ~』の主演に抜擢。黎明期のOV市場でたちまち人気スターの座につき、同じ高橋監督の「獅子王たちの夏」91では劇場映画初主演も飾る。以後は『とんぼ』から続くチンピラ、極道役のイメージがすっかり定着し、「修羅がゆく」95~00、「勝手にしやがれ!!」95~96、「借王(シャッキング)」97~01や、OV『とられてたまるか!』92~94、『ろくでなし/LAST DOWN TEN』93~94、『組織暴力・流血の抗争』99などの主演作がことごとくシリーズ化される。この間の95年には、“あいかわ翔”名義で「BAD GUY BEACH」を初監督。ハードボイルドな探偵役で主演もつとめ、新人の藤原紀香と麻生久美子をヒロインに抜擢する。また、“Vシネの帝王”として互いに並び称された竹内力と共演した三池崇史監督「DEAD OR ALIVE/犯罪者」99は、クライマックスの驚愕の闘いが反響を呼び、カルト的な人気を博すシリーズ作となった。主演作品で発揮されるカリスマ性はもちろんだが、神代辰巳監督「棒の哀しみ」94、今村昌平監督「うなぎ」97、山田洋次監督「虹をつかむ男・南国奮斗篇」97、黒沢清監督「ニンゲン合格」99などでは、助演でも印象に残る演技を見せている。2000年代に入ってからも「修羅のみち」01~03、「デコトラの鷲(しゅう)」03~08など主演シリーズがいくつも作られ、04年の三池監督「ゼブラーマン」で、映画・OVを合わせた主演作が100本を迎える。同作で日本アカデミー賞優秀主演男優賞も受賞。やくざ映画での活躍を知らない世代にもコミカルな熱演で人気を集め、テレビのバラエティ番組にもたびたび出演するようになる。小林義則監督「SS/エスエス」08で披露されているようにドライビングテクニックにも優れ、WRCラリージャパン初挑戦で完走を果たしている。無類の昆虫好きとしても知られ、10年の佐藤佐吉監督「昆虫探偵ヨシダヨシミ」は、原作を気に入って自ら企画を持ちかけ主演したもの。映画・OVで活躍が続く一方で、テレビドラマの出演はさすがに多くはないが、本人役でゲスト出演したTBS『木更津キャッツアイ』02のほか、フジテレビ『OUT/妻たちの犯罪』99、『東京湾景』04、TBS『ぼくが地球を救う』02、『四谷くんと大塚くん・天才少年探偵登場の巻』04、『クロサギ』06、NHK大河ドラマ『武蔵/MUSASHI』03、日本テレビ『らんぼう』06・07などで主要な役をつとめている。07年には座長をつとめた『座頭市』で初舞台も踏んだ。私生活では95年に元女優の青地公美と結婚。青地は再婚で、哀川はいきなり3人の連れ子の父親となった。『俺、不良品』01など著書も多い。

哀川翔の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • オールドカー~てんとう虫のプロポーズ~

    制作年: 2024
    鹿児島県を舞台に、旧車(オールドカー)を通じて3世代の家族の絆や思いが繋がる様子を映し出すヒューマンドラマ。旧車をこよなく愛する源太とその息子・駆は、他界した源太の父の思いを果たすため旧車をレストア。それを契機に家族の喪失感が次第にほどけてゆく。出演は「ゼブラーマン」シリーズの哀川翔、TV『相棒』シリーズの鈴木砂羽。お笑いタレント、あべこうじによる初監督作。2024年11月より鹿児島県先行上映。2025年5月全国公開。
  • 春に散る

    制作年: 2023
    沢木耕太郎による同名小説を原作に「ラーゲリより愛を込めて」の瀬々敬久が映画化。40年振りに帰国した元ボクサーの広岡仁一と、不公平な判定負けで心が折れていたボクサー・黒木翔吾。偶然飲み屋で出会ったふたりは、やがて世界チャンピオンを共に目指すことになる。出演は「Fukushima 50」の佐藤浩市、「流浪の月」の横浜流星、「キングダム」シリーズの橋本環奈。
  • 一月の声に歓びを刻め

    制作年: 2023
    「Red」の三島有紀子監督自身が47年間向き合い続けたある事件をモチーフに、自主映画からスタートしたオリジナル作品。北海道・洞爺湖、東京・八丈島、大阪・堂島を舞台に、方舟をテーマに罪と赦しを繊細な映像で描き、ある事件を別々の角度から捉える。出演は、「あつい胸さわぎ」の前田敦子、「自虐の詩」のカルーセル麻紀、「春に散る」の哀川翔。
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  • 新 デコトラのシュウ 鷲

    制作年: 2021
    哀川翔主演による人気シリーズが12年ぶりに復活。デコトラのイベント会場に来ていた演歌歌手・高宮すずめに一目惚れしたトラック野郎の鷲一郎。だが彼女は占い師から死を宣告されていた。別れた父親に会いたいというすずめの思いを叶えようと鷲一郎は旅に出る。共演は「L・DK」の剛力彩芽。監督は2003年の第1作「デコトラの鷲 まつりばやし」からシリーズ全作を手がける香月秀之。
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  • 老後の資金がありません!

    制作年: 2020
    垣谷美雨によるベストセラー小説を原作に、天海祐希が「狗神」以来、19年ぶりの単独主演を果たしたコメディ。コツコツと老後の資金を貯めてきた平凡な主婦・篤子。だが舅の葬式、娘の派手婚、さらには夫婦そろって失職し資産は激減。篤子は窮地に立たされる。監督は「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」の前田哲。
  • ピーターラビット2 バーナバスの誘惑

    制作年: 2020
    英国湖水地方を舞台にしたウサギが主人公の絵本の実写化第2弾。ビアと結婚したマクレガーの父親面に嫌気がさしたピーターは、生まれ育った田舎を飛び出す。都会にやって来ると、亡き父の親友を名乗るバーナバスと出会い、生きるための盗みのスキルを教わる。出演は、「アバウト・タイム 愛おしい時間について」のドーナル・グリーソン、「X-MEN:アポカリプス」のローズ・バーン。声の出演は、「スモールフット」のジェームズ・コーデン、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のマーゴット・ロビー、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」のエリザベス・デビッキ、「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」のデイジー・リドリー。監督は前作に引き続き、「ANNIE アニー」のウィル・グラック。
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