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9.11同時多発テロの被害者と遺族合わせて約7000人に補償金を分配する大事業に挑んだ弁護士チームは、“命の値段”をいかに算出したのか──。感動の実話をマイケル・キートンと「スポットライト 世紀のスクープ」製作陣の再タッグで映画化した「ワース 命の値段」が、2月23日(木・祝)よりTOHOシネマズ シャンテほかで全国公開。新場面写真5点ならびにジャーナリスト、経済学者、弁護士、法律家ら識者21名のコメントが到着した。 主演だけでなくプロデューサーも務めたマイケル・キートン。原作となった回想録『What is life worth?』の著者ケネス・ファインバーグ弁護士と面会し、意気投合したことで一気に実現へ向かったという。「私たちは皆、9.11同時多発テロが起こったあの日、自分がどこにいたかを覚えていますし、あの事件が国や世界に与えた影響も覚えています。この脚本は本当によくできていたので、私は俳優としてだけでなく、プロデューサーとしても参加したいと思いました。この話を伝えることは重要です」と彼は語っている。 場面写真は、そんなキートン演じるケン・ファインバーグが大学で行う「命の価格」についての講義、被害者への説明会シーンなどを切り取っている。 各者コメントは以下(敬称略、順不同)。 人の命に値段などつけられる筈がない。 この、あまりにも難しい問題に唸らざるを得ない。 そこに自ら立ち向かっていく主人公に 不謹慎ながら、しびれてしまった。 田原総一朗(ジャーナリスト) 経済学は、人々を一律に数字で取り扱おうとする。この映画は、その罪深さを告発している。人間はひとり一人異なる人生の背景を持っている。カネを超えて、その背景に迫る主人公の姿に、魂を揺さぶられた。 森永卓郎(経済アナリスト) もう一つの9.11だ。テロとの戦いの舞台裏でこんなことが起きていたのか!知らなかった自分を恥じた。命の計算式からはアメリカ社会の素顔が垣間見えてくる。一人の弁護士の葛藤を通して「我々にとって何が大切なのか?」重い命題を突き付けられた。 柳澤秀夫(ジャーナリスト) 人の命に値段はない。そんな「常識」は9.11の被害者には適用されないのか。遺族の言葉と涙が、ケン・ファインバーグ弁護士率いる弁護団を動かす。遺族が望んだのは金ではなく、愛する人を失った痛みや悲しみを共有する場だったのでは 望月衣塑子(東京新聞記者) 調停のプロによる独自の計算式、ルールが完璧でないから正しい補償金額を出せないのではない。ときに前に進むよりも、いや、前に進むためにこそ、公正さ、道義的正しさの追求が欠かせない現実をクリアに描き出した。 風間直樹(『週刊東洋経済』編集長) 法は正義のためにある。個人の尊厳が守られ、個人が尊重されないところに、正義はない。個人の尊厳が守られない法、個人が尊重されない法ならば、誰も従わない。良き法律家に必要なのは、他者の尊厳を守り、尊重する姿勢だ。 木村草太 (憲法学者) 生命の価値は誰もが同じはずだが、交通事故の死亡慰謝料には差がつけられる。「公正(フェア)な補償額はどのように決めるのか」という倫理的な難問が、見事なエンタテインメントになった。 橘玲(作家) 「人間の可能性」について一縷の望みを持ち続けている人にこそ、見てほしい。 正義とは?公平とは?命の値段とは?答えの出ない問題に答えを出そうとするとき、 共感と対話こそがカギになるということを、この映画が教えてくれる。 山口周(独立研究者・著作家・パブリックスピーカー) 数字に置き換えられるはずのない悲しみに心を揺さぶられたのなら、映画の「その後」にも思いを巡らせたい。米国の「報復攻撃」や侵攻の犠牲となり、何ら支えを受けられずにいる、アフガニスタンやイラクの人々の命にも。 安田菜津紀(認定NPO法人Dialogue for People副代表/フォトジャーナリスト) 航空業界と富豪しか救うつもりのない政府、頭でっかちの弁護士、翻弄される犠牲者の家族。これを「美談」にするのが、アメリカの民主主義だ。 斎藤幸平(経済思想家) 100人近い被害者遺族を演じる俳優たち、その全員が素晴らしい。 悲しみとやるせなさ、不条理を抱えた存在。 命の価値がどう違うのか、問い直してしまう。 突きつけられてしまう。 私たちは、この映画を通して何百もの命と出会ってしまうのだ。 瀬々敬久(映画監督) この映画は喪失、悲しみ、苦悩、怒り、を容赦なく映し出す。 しかし同時にそれらを受容し諦めず前進する人たちの、つまり私たちの物語でもある。 三輪記子(弁護士) 誠実とは何か。信頼とは何か。 煩悶する姿に答えを探し続けた。 答えなんてないのでは、という疑いを持ちながら。 武田砂鉄(ライター) 一人一人の、一つ一つの命に向き合うことで、それが次々と繋がりあって僕達の社会を作っていくことがわかる。その営みにこそ“価値”がある。 ダースレイダー(ラッパー) ルールや公平性という一見“正義”の前に、私たちは一番大切なことを忘れがちだ。目の前にいる人たちが希望を持てないルールや公平性には何の意味もないことを、この映画は改めて伝えてくれる。 浜田敬子(ジャーナリスト) 9・11テロにこんな物語があったことに驚き、弁護士の苦悩に胸を突かれ、彼らが向き合う遺族たちの癒せぬ思いに涙した。悲しみに寄り添うことで、人はどれだけ救われるのか。これはお金の話ではない、魂の物語だ。 松原耕二(ニュースキャスター) 熟慮の末に契約書を破り捨てる勇気を持つ者だけが時代を切り開く。それが弁護士であろうと、なかろうと。 水野祐(法律家・弁護士) 「命に値段をつける」という ヒリヒリした現場に居合わせた気持ちになった。 資本家の身勝手に忖度する交渉は人々を分断する刃。 必要なのは絶望の淵にいる人々の状況を自分ごとと考える愛だ。 道を拓くにはそれ以外ない、と再認識した。 永田町の住人こそ本作を観るべき。 山本太郎(れいわ新選組代表・参議院議員) 我々は法の目から見ると利益を産み出す機械でしかないのか。その機械の価値は産み出す利益で決まる。しかし人の命に貴賤はあってはならないはず。これは海の向こうの話ではない。日本でも同じ問題がある。あなたのお命、いかほど? 菊地幸夫(弁護士) 20年以上経つ今でも、あの日、あの時、あの瞬間の「記憶」が消えることはない。 この事実に基づく物語もまた、9・11のもう一つの「記憶」として、私の心に深く刻まれることになるだろう。 大城慶吾(月刊『Wedge』編集長) 知らなかった9.11テロのその後。 命の価値を巡って対立する国家の論理と個人の思い。 その狭間で苦悩する弁護士たち。 自分ならどうするか…思わず考えてしまった。 白か黒かではなくどの色のグレイを選ぶのか? 村尾信尚(関西学院大学 教授) © 2020 WILW Holdings LLC. All Rights Reserved. 配給:ロングライド ▶︎ 9.11テロ犠牲者の命に “値段” をつけた弁護士の感動実話。マイケル・キートン主演「ワース 命の値段」
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「2022年 第96回キネマ旬報ベスト・テン」第1位作品&個人賞発表!
2023年2月1日2022年 第96回 キネマ旬報ベスト・テン 第1位作品&個人賞発表! ■日本映画作品賞(日本映画ベスト・テン第1位) 「ケイコ 目を澄ませて」 ■外国映画作品賞(外国映画ベスト・テン第1位) 「リコリス・ピザ」 ■文化映画作品賞(文化映画ベスト・テン第1位) 「私のはなし 部落のはなし」 【個人賞】 ■日本映画監督賞 高橋 伴明 「夜明けまでバス停で」 により ■日本映画脚本賞 梶原 阿貴 「夜明けまでバス停で」により ■外国映画監督賞 ペドロ・アルモドバル 「パラレル・マザーズ」により ■主演女優賞 岸井 ゆきの 「ケイコ 目を澄ませて」「神は見返りを求める」 「犬も食わねどチャーリーは笑う」「やがて海へと届く」により ■主演男優賞 沢田 研二 「土を喰らう十二ヵ月」により ■助演女優賞 広末 涼子 「あちらにいる鬼」「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」 「コンフィデンスマンJP 英雄編」により ■助演男優賞 三浦 友和 「ケイコ 目を澄ませて」「線は、僕を描く」 「グッバイ・クルエル・ワールド」により ■新人女優賞 嵐 莉菜 「マイスモールランド」により ■新人男優賞 目黒 蓮 「月の満ち欠け」「映画『おそ松さん』」により ■読者選出日本映画監督賞 三宅 唱 「ケイコ 目を澄ませて」により ■読者選出外国映画監督賞 シアン・ヘダー 「コーダ あいのうた」により ■読者賞 川本三郎 連載「映画を見ればわかること」により ■特別賞 小林 信彦 小説の執筆活動と並行して、喜劇論からエンタテインメント時評まで さまざまな映画に関する書籍やコラムを発表し、 映画文化全体の発展に大きな功績を残されたことに対して どの選考委員がどの作品に、また、どの俳優に投票をしたのか? キネマ旬報ベスト・テン第2位以降の作品ランキングは? そのすべては2月3日(金)発売『キネマ旬報2023年2月下旬ベスト・テン発表特別号』に掲載しております。 ぜひお買い求めください! 「第96回キネマ旬報ベスト・テン」表彰式の映像はこちらからご覧頂けます。 https://youtu.be/Vxds5HvNDHk 《GYAO!で歴代ベスト・テン作品を無料配信中!》 「第96回キネマ旬報ベスト・テン」と「GYAO!」とのコラボレーション! 『武士の一分』『スパイの妻』『アルゴ』など歴代ベスト・テン作品100本以上を無料配信! 株式会社GYAOがヤフー株式会社と協力して運営する動画配信サービス「GYAO!」は、株式会社キネマ旬報社が選出する『2022年第96回 キネマ旬報ベスト・テン』と連動し、過去のキネマ旬報ベスト・テン作品を無料配信しています。今回でこの取り組みは6回目を迎えます。 邦画では、公開されたばかりの映画『レジェンド&バタフライ』の活躍も記憶に新しい木村拓哉主演の『武士の一分』、太平洋戦争前夜を背景に、運命によってもてあそばれる夫婦の試練を黒沢清監督が描き出す『スパイの妻』やワン・ビン監督が中国史の闇といわれている「反右派闘争」に迫った8時間を超えるドキュメンタリー大作『死霊魂』などを配信いたします。 また、洋画ではイラク戦争で数々の戦果を挙げアメリカ軍で最も強い狙撃手と呼ばれた、クリス・カイルの自叙伝を実写化したドラマ『アメリカン・スナイパー』、『きみに読む物語』『ブルーバレンタイン』のライアン・ゴズリング主演のサスペンスドラマ『ドライヴ』やベン・アフレックが、監督のほか製作・主演も務めイランで実際に起こったアメリカ大使館人質事件の救出作戦を描くサスペンスドラマ『アルゴ』などをお届けいたします。 【配信概要】 ・特集名:キネマ旬報ベスト・テン特集 ・特集ページURL:https://yahoo.jp/vG_s8I ・掲載期間:2023年2月1日(水)13:00~2023年3月31日(金)17:00(予定) -
シャンタル・アケルマンの代表作が、ザ・シネマ(CS)、ザ・シネマメンバーズ(ミニシアター系作品のサブスク配信)にて、この2月に放映される。アケルマン作品中、もっとも強い強度に縁取られたこの作品は、孤高の輝きを放ち続けている。 1980年代、ぼくたちはシャンタル・アケルマンを知った シャンタル・アケルマンの作品を、ぼくたちが最初に目にしたのは『ゴールデン・エイティーズ』(1986)だった。 カラフルでポップなミュージカルは、1980年代末の空気のなかに躍動し、ひと息にシャンタル・アケルマンという名前が刻まれていった。続く『アメリカン・ストーリーズ』(1988)は辛口の社会批評を湛えていたが、『カウンチ・イン・ニューヨーク』(1996)でふたたび時代の感性を画面にさらりと掬いとってみせる。だからぼくたちは、彼女の作品にどこかお洒落でコスモポリットな触感を得ていたのだった。 軽やかに辛辣に世界を私的な感覚をもってまなざし撮っていたアケルマン作品について、やがて彼女の1970年代の作品との出合いを通して、ぼくたちは知る。ぼくたちはまだ、アケルマン映画のおもしろさをすべて知っていたわけではなかったことを。シネクラブでの上映で、そして昨年の「シャンタル・アケルマン映画祭」でようやく明らかになっていったアケルマン作品の真髄。なかでもその中心にあるのが、『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル 1080 コメルス河畔通り 23番地』(以下、『ジャンヌ・ディエルマン』と略す)だ。 正確に再構築されたひとりの主婦の日常 そのファースト・シーン: スモーキーなブルーのスモックの下にブルーのカーディガンを羽織った女性がキッチンで料理をしている。そこに来客。彼女は客の相手をしたあと、先ほどのキッチンに戻ってくる。その間のことは、画面がフェイドし、なんら告げられることはない。 フェイド・イン/アウトによってシーンはつながれているが、その黒味のあいだを推測させるようなものは示されない。がしかし、そこで行われていることはすべて、ごく平凡な日常でしかないのは、仕草が、そして行為が繰り返されてゆくたびに確信される。 アケルマンのカメラは、正確に日常をたどってゆくひとりの主婦(平凡と言ってしまっては演じるデルフィーヌ・セイリグに失礼かもしれない。が、彼女はどこにでもいるような主婦のひとりを表象しているにすぎない)のたたずまいと仕草を見つめ続ける。それが、この映画のすべてなのだ。 といって、本作がいわゆる観察映画ではない……ということにも気をつけよう。明確な意図をもってカットが割られ、デクパージュが完成されてゆく。アケルマンは、正確無比の演出によって、ひとりの主婦の日常を再構築しているのだ。彼女の意図は、ぼくたち見る者に、文字どおり日常を見せること。そのため、ショットはほぼ真正面から撮られ、対象に向き合うことをぼくたちに要請する。 そうやって紡ぎ出されてゆく映像は、ごくごくありきたりなものであり、その反復のなかに平凡な主婦の日常が積み重ねられてゆく──彼女の息子とのふたりきりの夕御飯、食後には「エリーゼのために」が流れ、編み物をする彼女、買い物に出かけ、街を歩き、料理をする彼女……。同じ日常が、フェイド・イン/アウトによって区切られ、しかし、その黒味のなかに、日常ならざるものが忍び込んでいることに、ぼくたちは気づかざるを得ない……。 そして日常のふと歪んだ折目から、なにか常ならぬものがぼくたちをとらえてしまう。そのとき、なにかが壊れ、なにかがぼくたちを打ちのめす。恐るべし、シャンタル・アケルマン映画。この慄きを全身で受けとめるべし。 文=杉原賢彦 制作=キネマ旬報社 「ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地」 作品概要: ジャンヌは思春期の息子と共にブリュッセルのアパートで暮らしている。湯を沸かし、ジャガイモの皮を剥き、買い物に出かけ、“平凡な”暮らしを続けているジャンヌだったが……。アパートの部屋に定点観測のごとく設置されたカメラによって映し出される反復する日常。その執拗なまでの描写は我々に時間の経過を体感させ、反日常の訪れを予感させる恐ろしい空間を作り出す。主婦のフラストレーションとディティールを汲み取った傑作。ジャンヌを演じるのは『去年マリエンバートで』(61)『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』(72)のデルフィーヌ・セイリグ。 シャンタル・アケルマン Chantal Akerman 1950年6月6日、ベルギーのブリュッセルに生まれる。両親は二人ともユダヤ人で、母方の祖父母はポーランドの強制収容所で死去。母親は生き残ったのだという。女性でありユダヤ人でありバイセクシャルでもあったアケルマンは15歳の時にジャン=リュック・ゴダールの『気狂いピエロ』を観たことをきっかけに映画の道を志し、18歳の時に自ら主演を務めた短編『街をぶっ飛ばせ』(68)を初監督。その後ニューヨークにわたり、『部屋』(72)や初めての長編『ホテル・モンタレー』(72)などを手掛ける。ベルギーに戻って撮った『私、あなた、彼、彼女』(74)は批評家の間で高い評価を得た。25歳のときに平凡な主婦の日常を描いた3時間を超える『ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地 ジャンヌ・ディエルマン』を発表、世界中に衝撃を与える。その後もミュージカル・コメディ『ゴールデン・エイティーズ』(86)や『囚われの女』(99)、『オルメイヤーの阿房宮』(2011)などの文芸作、『東から』(93)、『南』(99)、『向こう側から』(2002)といったドキュメンタリーなど、ジャンル、形式にこだわらず数々の意欲作を世に放つ。母親との対話を中心としたドキュメンタリー『No Home Movie』(2015)を編集中に母が逝去。同作完成後の2015年10月、パリで自ら命を絶った。 ●2月よりザ・シネマメンバーズ(ミニシアター系作品のサブスク配信)、ザ・シネマ(CS)にて ▶詳細情報はこちら ●監督・脚本:シャンタル・アケルマン 撮影:バベット・マンゴルト ●出演:デルフィーヌ・セイリグ、ジャン・ドゥコルト、ジャック・ドニオル=ヴァルクローズ ●1975年/ベルギー・フランス/カラー/202分 © Chantal Akerman Foundation
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中国時代劇でも人気ジャンルの三国志もの。最近では、諸葛亮のスパイたちの諜報線に焦点をあてた『風起隴西 -SPY of Three Kingdoms-』も話題となっている。そんな三国志ドラマのなかでも、エンタメ度と美男美女度の高さで注目を集めた『三国志 Secret of Three Kingdoms』がWOWOWプラスにて2月13日より放送がスタート。稀代の奸臣ともいわれる曹操の傀儡とされた若き皇帝・献帝に、生き別れの双子の弟がいたという設定で、彼が秘密裏に亡き兄になりかわり、皇后の伏寿や幼なじみの司馬懿らとともに、曹操に立ちむかい漢王朝の権威を取り戻そうとする歴史ロマンだ。未見の人は是非この機会にご覧になられてはいかがだろうか。 心優しい青年が突然、皇帝の替え玉に 高名な儒学者・楊俊の息子である楊平は、名家・司馬家にあずけられ、次男の司馬懿と兄弟のように育つ。しかしある日、突然、都の許都に連れ去られ、自身が皇帝・劉協の双子の弟・劉平であることを知らされる。しかも劉協はすでに亡くなっており、劉平は劉協の遺言で皇帝のふりをすることに。皇后の伏寿と先帝の王妃・唐瑛に助けられながら、その正体を知られることなく、曹操や漢王朝を利用しようとする者たちと闘う過酷なミッションに挑む。さらに、姿を消した劉平の行方を追って、司馬懿が許都へやってくる。 皇帝の弟という出自を知らずに育った心優しくピュアな劉平が、陰謀渦巻く宮中に放り込まれ、海千山千の側近たちに正体をあやしまれる展開にまずはドキドキハラハラ。その長所である“優しさ”が、兄にはなかったものとして危ぶまれるのがなんとも理不尽だが、その“優しさ”が次第に周囲を魅了し、漢王朝と人々を救うために闘う強さとなっていく。 それぞれの魅力がまぶしい、イケメンスターたち 三国志というと、イケオジ祭りというイメージだが、本作はイケメンがメインを飾り(もちろんイケオジも登場)、女性たちの活躍も目覚ましい。イケメンはタイプ別に、劉平=守ってあげたいかわいいイケメン、司馬懿=言うこと聞かないやんちゃなイケメン、曹操の息子の曹丕=名家の御曹司な正統派イケメン、曹操の軍師の郭嘉=悪そうだがセクシーなイケメン、と勢揃い。劉平をオーディション番組出身で歌手としてデビューしたマー・ティエンユー、司馬懿を『陰陽法師-無心-』のエルビス・ハン、曹丕を『君、花海棠の紅にあらず』のタン・ジェンツー、郭嘉を台湾ドラマ『イタズラな恋愛白書~In Time With You~』のサニー・ワンが演じている。 クールで強い女性たちとの秘密のロマンスも必見 女性は基本みな強そうで、皇后の伏寿は近づきがたいクールな美女、唐瑛は剣も使う謎めいた美女、郭嘉の恋人の任紅昌は勝気で華やかな美女。伏寿を『海上牧雲記 3つの予言と王朝の謎』のレジーナ・ワン、唐瑛を『如懿伝~紫禁城に散る宿命の王妃~』のドン・ジェ、任紅昌を『有翡(ゆうひ) -Legend of Love-』のドン・シュアンが演じている。伏寿と劉平、唐瑛と司馬懿の間には愛が育っていくのだが、劉平と司馬懿の絆も強い。劉平を導く伏寿の妖艶さに視聴者(=筆者)はうっとりしていたのに、劉平自身は「司馬懿はどうしてるかな?」と義兄を思っていたり、司馬懿も王家の謀略など意にも介さず劉平を連れ帰ろうとしたり。ロマンスとブロマンスも見どころのひとつだ。 陰謀や裏切り、明かされてはいけない秘密と愛の物語に史実を融合させた、『三国志』アナザーストーリーを堪能してください。 文=熊坂多恵 制作=キネマ旬報社 「三国志 Secret of Three Kingdoms(全54話)」 作品概要: かつてない美男美女キャストで贈る史上最高の歴史ロマン!大胆な設定と史実を融合させた、知られざるもう一つの「三国志」を描く。後漢末期、群雄が割拠する中、曹操が皇帝・劉協を傀儡にして勢力を伸ばしていた。遠く都を離れた司馬家に預けられ育った劉平は、突然迎えに来た父に連れられ都に向かう。その道中、思わぬ秘密を知らされ驚く劉平。劉平は皇帝の双子の弟だったのだ。しかし、劉平が都に着いた時には、病弱な皇帝はすでに亡くなっていた。亡き兄の遺志を継いで皇帝に成り代わった劉平は、皇后の伏寿と幼なじみの司馬懿と共に漢王朝を再興するために曹操との戦いに挑む! ●WOWOWプラスにて 放送日時:2月13日(月)11:00~平日2話ずつ放送 ▶詳細情報はこちら ●出演:監督:パトリック・ヤウ/スティーブ・チェン 出演:マー・ティエンユー/エルビス・ハン/レジーナ・ワン/ドン・ジェ ©天津唐人影視股份有限公司
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窪塚洋介が18年ぶりに長編邦画単独主演を務め、最低の人生を生きる男たちが偶然の連鎖に導かれ、幻の絵画をめぐる一夜の人生逆転計画へ挑むさまを描く「Sin Clock」が、2月10日(金)より新宿ピカデリーほかで全国公開。新場面写真5点が解禁された。 どん底人生からの一発逆転を目指すタクシードライバーを窪塚洋介、共に絵画強奪を画策する同僚を坂口涼太郎と葵揚が演じ、橋本マナミ、田丸麻紀、長田庄平(チョコレートプラネット)、藤井誠士、風太郎、螢雪次朗、さらにラッパーの般若やJin Doggが脇を固める。 テーマソングはオルタナティブロックバンド・GEZANの『赤曜日』と『BODY ODD』、劇中曲はラッパー・Jinmenusagiの『Metchalo』とAwichの『GILA GILA feat. JP THE WAVY, YZERR』だ。 場面写真は、窪塚洋介のさまざまな姿をキャッチ。その悲哀、怒り、覚悟、色気とともに、偶然に翻弄されて思わぬ結末へと走り出すスリリングなストーリーを追いかけたい。 Story 社会からも家族からも見放されたタクシードライバー、高木。 奇妙な偶然が呼び寄せた、巨額の黒いカネを手にするチャンス。鍵を握るのは一枚の絵画。 高木はたった一夜での人生逆転を賭け、同僚らと絵画強奪計画を決行。 だが、運命の夜はさらなる偶然の連鎖に翻弄され、男たちの思惑をはるかに超えた結末へと走り出していく──。 「Sin Clock」 出演:窪塚洋介、坂口涼太郎、葵揚、橋本マナミ、田丸麻紀、Jin Dogg、長田庄平、般若、藤井誠士、風太郎、螢雪次朗 監督・脚本:牧賢治 エグゼクティブ・プロデューサー:藤田晋 プロデューサー:島田賢一郎、高橋康裕、寺久保悠人 撮影:四方田俊典、田中彰哉 照明:鈴村真琴 美術・特殊メイク:Movieing 録音:大岩修二 編集:服部正樹、ごとうこうじ、榎本充泰、林佑也 サウンドプロデュース・デザイン:新山智宏 音楽:尾嶋優(Jimanica) ヘアメイク:野田エミリー スタイリスト:黒田真由、太田旨人 助監督:向田優 宣伝プロデューサー:原尭志 劇中曲:「GILA GILA feat. JP THE WAVY, YZERR」Awich(Universal Music LLC)、「Metchalo」Jinmenusagi テーマソング:「赤曜日」「BODY ODD」GEZAN 配給:アスミック・エース 2023年/日本/94分/カラー/シネスコ/5.1ch ©2022映画「Sin Clock」製作委員会 公式HP:https://SinClock.asmik-ace.co.jp/ 公式twitter:https://twitter.com/SinClock_movie