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アフガニスタンの山の学校で子どもを撮り続ける写真家の記録「鉛筆と銃 長倉洋海の眸」
2023年8月21日半世紀にわたり地球規模で撮り続けた写真家の長倉洋海。アフガニスタンでソ連軍と戦った抵抗運動の指導者マスードと絆を育んだ彼は、自爆テロに倒れたマスードの教育への思いを共有し、パンシール渓谷の山の学校を支援し続けている。その模様を綴ったフォト・ドキュメンタリー「鉛筆と銃 長倉洋海の眸(め)」が、9月12日(火)より東京都写真美術館ホールほかで全国順次公開。特報映像、場面写真、長倉のコメントが到着した。 大学で探検部に属していた長倉洋海は、ベトナム戦争の報道写真に憧れ報道カメラマンを目指す。「目の前で現代史が動きその1ページがめくられていく。自分自身がその現場に立ち感動したい」と通信社に入ったが、希望が叶わず、3年が経った1980年に退社してフリーに。 1982年、中南米エルサルバドルで3歳の少女ヘスースと出会い、「出来事を取材するニュース写真ではなく、現場に何年も通い一人の人間を見続ける」という長倉のスタイルが生まれる。 1983年、侵攻したソ連軍への抗戦が続くアフガニスタンで、若き司令官マスードの撮影を決意。100日間イスラム戦士(ムジャヒディン)と共に行動し、二人は強い信頼関係を築く。 アメリカ同時多発テロの2日前の2001年9月9日、マスードはイスラム過激派に暗殺される。1周忌に初めてパンシール渓谷の山の学校を訪れた長倉は、マスードが資材を提供し、村をあげて小さな学校を守り続けていると聞き、心を動かされる。長倉は、マスードの教育への思いを受け継ぎたいとNGO〈アフガニスタン山の学校支援の会〉を設立。まず手元にあった寄付金で、机や椅子などを提供する。その後も長倉は、イスラムでは珍しい男女共学の学校へ毎年のように通い、子どもたちの成長を撮り続ける。 〈長倉洋海コメント〉 「とてもカッコ悪い映画だ」と思った。私の野心も、それに賭ける赤裸々な思いもはっきり映っているからだ。でも、それでもいい。なぜなら、マスードが私の中で生き続けていること、そして、山の子どもたちの心に脈々と受け継がれていることが伝わってくるからだ。 河邑監督は「ハードボイルドだ」と謳っているが、どこが、と私は思う。もっとカッコ良く描いてほしかったからだ。でも、それもいいだろう。映画『鉛筆と銃』が、マスード、私、そして子どもたちへと連なる大きな流れ、そして峰々が連なる山脈のようなものが映画をしっかりと貫いているからだ。 そんな私だが、いつしか、映画に引き込まれていた。写真の効果的で迫力ある構成、シーンのひとつひとつに寄り添う音楽が、この映画を高みに押し上げてくれた。この映画が観る者にどのくらい感動を与えるかはわからない。でも、『鉛筆と銃』には、私が見たもの、伝えたいと思ったものが確実に映し込まれている。是非、劇場の大スクリーンで、マスードの表情に出会い、未来を見つめる子どもたちの姿に出会ってほしい。 「鉛筆と銃 長倉洋海の眸」 監督・撮影:河邑厚徳 製作・著作:アフガニスタン山の学校支援の会、ルミエール・プラス 配給宣伝:アルミード ©2023 アフガニスタン山の学校支援の会 ルミエール・プラス 公式サイト:https://enpitsutojyuu.com/ -
東映チャンネルで生誕90年菅原文太主演特集! 時を重ね、作り上げた、唯一無二の存在感
2023年8月21日「トラック野郎 御意見無用」(75)◎東映チャンネルにて9月放送 ©東映 俳優・菅原文太は1933年生まれ。今年、生誕90年になる。「実録やくざ映画」というジャンルを確立させた映画史に残るこの俳優は、生きていればなお、日本映画の現在に影響を及ぼし続けたかもしれない。2014年の没から約10年。文太は日本映画に何を遺し、何を遺せなかったのか。彼の足跡から振り返ってみたい。 不器用さが垣間見られる新東宝「海女の化物屋敷」 「海女の化物屋敷」(59)◎東映チャンネルにて8月放送 ©国際放映 1952年(昭和27年)、仙台一高を卒業し早稲田大学第二法学部(夜間学部)に合格した文太はファッションモデルの職を得て大学を2年でやめてしまうが、58年、新東宝映画にスカウトされ、吉田輝雄、高宮敬二、寺島達夫らとともに高身長の新人俳優グループ「ハンサム・タワーズ」のひとりとして売り出された。 個性的なマスクに対して文太の演技は硬質で、当初はけっして器用な役者とはいえなかった。大蔵貢がワンマン社長として君臨したエログロ新東宝において文太の役割は女やくざ映画のハシリ「女王蜂の怒り」(58年)、土俗ミステリー「九十九本目の生娘」、三原葉子、万里昌代らグラマー女優競演の「海女の化物屋敷」(以上、59年)などの、生真面目な青年役であった。ことに「海女の化物屋敷」は三原葉子、万里昌代らの濡れた海女装束のエロスを堪能する映画で、刑事役で颯爽と登場する若き日の文太からは薄物の美女に囲まれた気まずさすら感じられ、彼の硬派で不器用な気質がよく表れている。 1961年、新東宝解体を機に松竹に迎えられた文太だが、扱いはさらに厳しかった。ハンサム・タワーズをまるごと受け入れた松竹の思惑は吉田輝雄の獲得で、文太に与えられるのは添え物映画の端役ばかりだった。 運命の転機は65年、松竹が配給した独立プロ製作の低予算映画「血と掟」(監督・湯浅浪男)に主演した安藤昇との出会いだ。渋谷で本物の愚連隊として看板を上げ、組織を解散した後に俳優へ転業した安藤は、文太の野性的なマスクや鬱屈を抱えた性格に好意をもち、自身の主演作に付き人のように文太を共演させた。 東映移籍後、新たなキャラクターを開花 「現代やくざ 与太者の掟」(69)◎東映チャンネルにて8月放送 ©東映 67年に安藤が東映に移籍すると、少し遅れて菅原文太も東映に移る。硬い演技から脱却できなかった文太は東映の現場で三枚目も演じられる若山富三郎に預けられ「極道」や「極悪坊主」(ともに68年)で共演した。若山との現場を共有したことで文太の演技も変わっていった。 任俠映画への客演でやくざ俳優としての存在感を認められた文太が、初めて主演に抜擢されるのが降旗康男監督「現代やくざ 与太者の掟」(69年)である。すでにマンネリが指摘されていたとはいえ、任俠映画は全盛期にあった。その時期に文太が大型開発の進む新宿を舞台にした「現代やくざ」と題する作品に主演したのは、彼のキャラクターには禁欲的で様式的な任俠映画の主人公には収まらない要素があったからだろう。 同作は、東映でおもに現代劇を担ってきた東京撮影所(東撮)で制作された点も重要だ。東撮は前年、梅宮辰夫主演で「不良番長」(第1作 監督・野田幸男)を完成させていた。「不良番長」は既存のやくざ組織に属さない愚連隊の若者たちが腐敗利権にまみれた組織に反抗するストーリーだった(当初はシリーズ後期のようなコメディ要素は入っていない)。 文太の初主演作もほぼ同じような構成で、「不良番長」と呼ばれた存在を「現代やくざ」「与太者」と置き換えたようにも見える。組織に属さず、義理人情に束縛されず、欲望のままに凶行をはたらく野良犬。主人公をとりまくのは兄弟分ではなく「仲間」であり、こちらもやくざの型に縛られない(見ているだけで楽しい山城新伍、石橋蓮司、小林稔侍の演じる三馬鹿トリオ)。そうしたキャラクターは遊び人風の梅宮よりも、生々しく禍々しい「悪」の気配をもつ菅原文太にしっくり来る。 現代的な文太のチンピラ像は東映番組に大きなインパクトを与えた。以降、彼の「現代やくざ」シリーズは「与太者仁義」「新宿の与太者」などに続き、1972年の深作欣二監督作品「現代やくざ 人斬り与太」へ結実する。「人斬り与太」が「仁義なき戦い」(73年)に至る前哨戦であった点は、多くの資料が指摘しているとおりだ。 「まむしの兄弟」「トラック野郎」でコメディ・センスを発揮 「懲役太郎 まむしの兄弟」(71)◎東映チャンネルにて8月放送 ©東映 69年にはまた、東映京都撮影所(京撮)で文太の演技にコメディ要素を加える試みが行われた。鈴木則文監督による「関東テキヤ一家」である。文太演ずるテキ屋の若者は全国の祭礼を渡り歩き威勢のいい口上で客を集め、女性(土田早苗)に惚れてはふられる。 鈴木則文監督は狂犬アウトローを味にした文太から、人間的で笑いの漏れる表情を引き出した。その俗で不格好なコメディ演技の背景に若山富三郎の「極道」シリーズなどの影響があるのは間違いない。文太が演じる庶民的な笑いはそれまでの任俠映画のスター、鶴田浩二や高倉健には出せないセンスで、彼は鶴田や高倉の高尚なヒーローにはない親近感を生み出した。ここに東映の新たな「やくざ」像が誕生したのである。 「現代やくざ〜」の凶暴性と「関東テキヤ一家」のコメディ要素が理想的に合一を果たすのが1971年の「懲役太郎 まむしの兄弟」(監督・中島貞夫)だ。懲役と出所を繰り返す文太演ずるゴロ政と川地民夫演ずる不死身の勝は無法をはたらきながらもひたすら笑わせる。背中一面に描かれた極彩色の刺青が雨に濡れて絵の具が流れ、筋彫りだけが残る見事なエンディングは、映画館に集まる庶民に「彫り物を最後まで我慢できない半端者でも、事はなせる」というエールを送った。このシリーズの文太は決定的に庶民のヒーローとなり、粗野だが優しさもあり、女遊び好きのキャラクターは「トラック野郎」シリーズへと引き継がれ、拍手喝采される。 忘れられがちだが「仁義なき戦い」シリーズやそのスピンアウト「県警対組織暴力」(75年)でも、シリアスなプロットの間にブラックな笑いがちりばめられている。それが陰惨な事件の再現にもかかわらず、不快感の少ない、人間味ある映画にしているのだ。つまり、実録やくざ映画の成功はコメディ・センスを有する文太がいなければなし得なかったのだ。そこに菅原文太という演技者のゆるぎない価値と独自性がある。 しかし東映実録路線の濫造は、文太に同ジャンルと距離をおかせることになった。70年代中盤以降は彼にとって、実験の時代といえるだろう。 1974年の「実録・飛車角 狼どもの仁義」(監督・村山新治)は任俠映画に実録路線のリアリズムや暴力と性を加味した実験的一作だ。「仁義なき戦い」の戦後闇市の風景を大正時代末期の関東大震災に置き換えた構成で、着流しの文太が賭場で凶暴に暴れるのはまさに任俠映画と実録物の混合を感じさせる。日活ロマンポルノから迎えた中川梨絵と文太のたび重なる濡れ場描写も、任俠映画全盛期にはなかった時代の要請だろう。こうした挑戦は、実録路線のマンネリ化がなければ生まれなかった。 「ボクサー」で新境地、そして国民的俳優に 「ボクサー」(77)◎東映チャンネルにて9月放送 ©東映 だが「トラック野郎」シリーズを成功させた文太は、やくざ映画からの決別を告げるように77年、寺山修司監督の「ボクサー」を自ら企画する。文太と寺山、そして東映のコラボによる、劇画『あしたのジョー』を彷彿とさせるスポーツ映画はまさに実験的な内容で、けっしてバランスのとれた良作とはいえないが、過去のあるトレーナーを演じた「ボクサー」こそ、文太の新境地のスタートだった。 この後、彼は東映から離れ「ダイナマイトどんどん」(78年 監督・岡本喜八)、「太陽を盗んだ男」(79年 監督・長谷川和彦)で主役級を見事に演じてやくざスターからの脱却に成功、80年にはNHK大河ドラマの傑作『獅子の時代』(脚本・山田太一)に主演し、1年間をテレビに捧げ歴史を動かす会津藩士を演じきった。 文太は暗い映画館に逼塞する庶民のヒーローから国民的俳優へ変貌した。それが菅原文太にとって幸運だったかは分からない。ゆるぎなき大物俳優となった彼は90年代以降、〝文太でなければ〟という役との邂逅に苦しんだからだ。 90年代のVシネマブームは東映出身のやくざ俳優たちにとってリトライのチャンスでもあり、文太も初の東映Vシネマ主演作『ビッグボス BIG BOSS』(92年 東映ビデオ 監督・高橋正治)でひたすら笑わせる中年の怪盗を演じ新生面を見せた。長男の菅原加織(2001年没)と共演した喜びもあったのだろう。嬉々としてズッコケ中年を演じてみせた文太には、それを発展させた好好爺路線で微笑ましいキャラを演じ続ける選択肢もあった。「わたしのグランパ」(03 年 監督・東陽一)はその優れた成果だったが、彼は同じような人物像を続けて選択しなかった。唯一無二の存在だった1970年代の菅原文太の幻影が、物分かりよく温厚な役柄を自身に封じさせたのか、あるいは、現代やくざを演じすぎた苦い記憶が紋切り型のキャラの継続を忌避させたのか。 生誕90年。振り返る菅原文太の個人史は、彼が平成時代以降にやり残した仕事への悔いをにじませる。悪であり、道化であり、ヒーローであった菅原文太が生きた時代とその後の映画界の環境はあまりにも変わったせいだろうか。彼にはそれを克服する才気や力量があったはずだ。とはいえ作品から透ける懊悩も文太の映画人生への興味を育む一要素。晩年の文太出演作は、もっと見られ、吟味されてゆくべきだ。 文=藤木TDC 制作=キネマ旬報社 『生誕90年記念 菅原文太主演特集』 今年、8月16日に生誕90年を迎える菅原文太の数多の出演作のなかから選りすぐりの作品が東映チャンネルにて放送。同チャンネル初放送となる初主演映画「海女の化物屋敷」や、Vシネマ『ビッグボス BIG BOSS』、おなじみの名作まで、菅原文太を主演映画で堪能したい。 【Vol.1:2023年8月放送予定】 ▶Vol.1の特集ページはこちら ●「現代やくざ 与太者の掟」 8月26日(土)14:00~16:00 ●「関東テキヤ一家」 8月26日(土)16:00~18:00 ●「懲役太郎 まむしの兄弟」 8月27日(日)15:30~17:00 ●「仁義なき戦い」4Kリマスター版【R15+】 8月27日(日)17:00~18:50 ●「海女の化け物屋敷」 8月27日(日)14:00~15:30 【Vol.2:2023年9月放送予定】 ▶Vol.2の特集ページはこちら ●「トラック野郎 御意見無用」 9月1日(金)13:00~15:00、9月8日(金)20:00~22:00、9月30日(土)10:00~12:00 ●「実録・飛車角 狼どもの仁義」 9月2日(土)18:00~20:00、9月10日(日)20:00~21:50、9月30日(土)12:00~14:00 ●「ボクサー」 9月8日(金)22:00~24:00、9月30日(土)14:00~16:00 ●「県警対組織暴力」4Kリマスター版 9月9日(土)22:00~24:00、9月30日(土)16:00~18:00 ●「ビッグボス BIG BOSS」 9月5日(火)13:00~15:00、9月9日(土)20:00~21:50、9月30日(土)18:00~20:00 -
ブロードキャスターのピーター・バラカン氏が選出した音楽映画31作品を上映する〈Peter Barakan's Music Film Festival 2023〉が、9/1(金)〜9/21(木)に角川シネマ有楽町で開催。バラカン氏による全21回のトークイベントが決定し(9回はゲストを招待/詳細は公式サイトにて)、予告編が到着した。 【上映作品&ピーター・バラカン氏の紹介コメント】 ✽日本初上映✽ 「Dance Craze / 2 Tone の世界 - スカ・オン・ステージ!」Dance Craze 1981年/50分/イギリス 監督:ジョー・マソット 出演:ザ・スペシャルズ、マッドネス、ザ・ビート、ザ・ボディスナッチャーズ、ザ・セレクター © Chrysalis Records Limited. 1980年に大流行したスカ・リヴァイヴァルを体現したバンドのライヴだけで綴った楽しいコンサート映画です。ザ・スペシャルズ、マッドネス、ザ・ビート、ザ・セレクター、ザ・ボディスナッチャーズ、バッド・マナーズの6組が1曲ごとに交代し、踊らずにはいられない強烈なスカ・ビートが続きます。特にスペシャルズのオリジナル・メンバーによる演奏はゴキゲンです。 「ジャム DJAM」Djam 2017年/97分/フランス、ギリシャ、トルコ 監督:トニー・ガトリフ 出演:ダフネ・パタキア、シモン・アブカリアン、エレフセリア・コミ、ヤニス・ボスタンツォーグロウ © 2017 Princes Productions - Pyramide Productions - Auvergne-Rhône Alpes Cinéma – Blonde - Güverte Films – Princes Films トニー・ガトリフの2017年の作品。相変わらず音楽ありきのロード・ムーヴィーです。今回の舞台はギリシャとトルコ。エーゲ海の演歌のような大衆音楽レンベティカが随所に聞こえてくる背景で、ジャムという若い女性は父のボートの壊れた部品を買いにイスタンブルへ。そこで出会ったフランス人女性アヴリルとつるんで2人で帰ってくる道は脱線だらけです。 「Dread Beat and Blood/ダブ・ポエット リントン・クウェシ・ジョンスン」Dread Beat and Blood 1979年/44分/イギリス 監督:フランコ・ロッソ 出演:リントン・クウェシ・ジョンスン © 1979 The British Film Institute 11歳でジャマイカからロンドンに移住したリントン・クウェシ・ジョンスンはジャマイカ訛りの詩をレゲェのビートに乗せる「ダブ・ポエット」として活動、差別を受けながらも生き生きとした音楽を生んだカリブ文化を伝えます。 1979年にデビューした時期の彼を追ったこのドキュメンタリーでは音楽活動の他に人種問題に取り組んだ雑誌の編集者としての姿も見ることができます。 「ジョン・クリアリー@Live Magic 2018」Jon Cleary Trio with Nigel Hall Live in Tokyo, October 21st, 2018 2018年/80分/日本 監督:Shotaro Takahashi 出演:ジョン・クリアリー、カーネル・ウィリアムズ、A.J.ホール、ナイジェル・ホール ©2020 629inc. 2023年のLive Magic(ぼくが監修するフェスティヴァル)で5年ぶりに来日するジョン・クリアリーは長年ニュー・オーリンズを拠点にファンキーな活動を続ける素晴らしいピアニストです。2018年に同じフェスで撮影した演奏をDVDで発売中ですが、この度更に高画質ヴァージョンを大きいスクリーンで上映することにしました。これを見てぜひライヴの方にも足を運んでいただきたいです! 「エチオピーク 音楽探求の旅」Ethiopiques - Revolt Of The Soul 2017年/70分/独、ポーランド、エチオピア、仏、米 監督:マチェイ・ボシュニャク 出演:フランシス・ファルセト、アムハ・エシェテ、ギルマ・ベイェネ © HBO Europe s.r.o. / Pokromski Studio Sp. z o.o. Sp. k. / アフリカ大陸の中でどことも異なった音楽文化を持つエチオピアの大衆音楽が自由に栄えたのは1960年代後半から70年代半ばまでの短い期間でした。90年代に、それまで知られていなかったその驚くべき音楽と偶然出会ったフランシス・ファルセトというフランス人の研究によって、エチオピアの音楽がいかにして世界で聴かれるようになったかを描いたドキュメンタリーです。 「ルーツを掘る - アーフーリー・レコード物語」This Ain’t No Mouse Music - The Story Of Chris Strachwitz and Arhoolie Records 2013年/92分/アメリカ 監督:クリス・サイモン、モーリーン・ゴスリング 出演:ライ・クーダー、ライトニン・ホプキンス、タージ・マハル、ボニー・レイット © Sage Blossom Productions ドイツからの移民だったクリス・ストラクウィツ(2023年死亡)は1960年にサン・フランシスコ近辺で設立したアーフーリー・レコードで、数十年にわたってアメリカ南部のあらゆるルーツ・ミュージックを記録し続けました。利益などをほとんど度外視し、自分で現地録音したおびただしい数のレコードを発売してきたクリスの貴重な活動を追ったドキュメンタリーです。 「クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル トラヴェリン・バンド」Travelin ’Band - Creedence Clearwater Revival at the Royal Albert Hall 2022年/86分/アメリカ 監督:ボブ・スミートン 出演:クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイバル(ダグ・クリフォード、スチュ・クック、ジョン・フォガティ、トム・フォガティ)、ジェフ・ブリッジス(ナレーション) 配給:オンリー・ハーツ © 2022 Concord Music Group, Inc. CCRが行った1970年のヨーロッパ・ツアーは有名なライヴ・アルバムで記録されましたが、4月14日ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでの公演では映像も撮影されていました。50年以上を経てその姿がいよいよ公開されることになったのです。前半はジェフ・ブリジズが語るバンドの歴史、後半は40分ほどの熱演がそのまま展開されます。(1回のみのプレミア・ショウ) 「リバイバル 69 〜伝説のロックフェス〜」Revival69: The Concert That Rocked The World 2022年/99分/カナダ、フランス 監督:ロン・チャップマン 出演:ジョン・レノン&ザ・プラスティック・オノ・バンド、チャック・ベリー、アリス・クーパー 提供:東北新社/バップ 配給:STAR CHANNEL MOVIES © ROCK'N ROLL DOCUMENTARY PRODUCTIONS INC., TORONTO RNR REVIVAL PRODUCTIONS INC., CAPA PRESSE (LES FILMS A CINQ) 2022 ジョンとヨーコのプラスティック・オノ・バンドの初ライヴということで有名なトロントの1969年のロックンロール・フェスティヴァルがどのようにして開催されたか、そうとう危ない橋を渡った関係者たちの無謀な計画が最後の最後になって実を結んだ奇跡のような物語です。チャック・ベリー、リトル・リチャードなどの熱演も多数。(1回のみのプレミア・ショウ) ✽本映画祭初上映✽ 「ビー・ジーズ 栄光の軌跡」 「チャーリー・イズ・マイ・ダーリン」「ソングス・フォー・ドレラ」「シェイン 世界が愛する厄介者のうた」「コーダ あいのうた」「ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった」「アザー・ミュージック」「ローレル・キャニオン 夢のウェストコースト・ロック」「響け!情熱のムリダンガム」「ZAPPA」「ソング・オブ・ラホール」「ジョン・レノン 音楽で世界を変えた男の真実」「ロッカーズ」「ガッジョ・ディーロ」「ザ・コミットメンツ」「ブラジル・バン・バン・バン」 ✽アンコール上映✽ 「AMY エイミー」「BILLIE ビリー」「MONK モンク | モンク・イン・ヨーロッパ」「ジャズ・ロフト」「ランブル 音楽界を揺るがしたインディアンたち」「ブリティッシュ・ロック誕生の地下室」「バビロン」 〈Peter Barakanʼs Music Film Festival 2023〉 主催:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム、VALERIA 配給:コピアポア・フィルム 宣伝:VALERIA 協力:ディスクユニオン 公式HP:http://pbmff.jp
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〈アルノー・デプレシャン監督レトロスペクティブ〉全作上映と監督登壇日時が決定
2023年8月19日マリオン・コティヤールとメルヴィル・プポーの共演で姉と弟の物語を描き、2022年カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されたアルノー・デプレシャン監督作「私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター」が、9月15日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほかで全国順次公開。併せて開催される〈アルノー・デプレシャン監督レトロスペクティブ〉の上映ラインナップ(全劇映画+ドキュメンタリーの13作品)、ならびに来日する監督のアフタートークと舞台挨拶の日程が決定した。 [caption id="attachment_28652" align="aligncenter" width="850"] アルノー・デプレシャン監督[/caption] 【アルノー・デプレシャン監督レトロスペクティブ開催概要】 ■第5回映画批評月間 フランス映画の現在をめぐって スペシャルエディション アルノー・デプレシャンとともに 期間:9/8(金)〜9/29(金) 会場:東京日仏学院 エスパス・イマージュ 公式HP:https://www.institutfrancais.jp/tokyo/agenda/cinema20230908/ 〈上映作品〉 二十歳の死(1991) 魂を救え!(1992) そして僕は恋をする(1996) エスター・カーン めざめの時(2000) “男たちと共に”演技するレオ(2003) キングス&クイーン(2004) 愛されたひと(2007) クリスマス・ストーリー(2008) ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して(2013) あの頃エッフェル塔の下で(2015) イスマエルの亡霊たち(2017) ルーベ、嘆きの光(2019) いつわり(2021) ■第45回ぴあフィルムフェスティバル アルノー・デプレシャン監督特集 期間:9/16(土)〜9/22(金) 会場:国立映画アーカイブ 公式HP:https://pff.jp/45th/lineup/arnaud-desplechin.html 〈上映作品〉 二十歳の死(1991) 魂を救え!(1992) そして僕は恋をする(1996) イスマエルの亡霊たち(2017) ※特別プログラム「アルノー・デプレシャン監督『女囚701号 さそり』を語る」 *アルノー・デプレシャン監督レトロスペクティブは上記ほか全国巡回予定 *上映作品はやむを得ない事情で変更される場合あり [caption id="attachment_28655" align="aligncenter" width="850"] 「二十歳の死」[/caption] [caption id="attachment_28656" align="aligncenter" width="850"] 「魂を救え!」[/caption] [caption id="attachment_28657" align="aligncenter" width="850"] 「そして僕は恋をする」[/caption] [caption id="attachment_28658" align="aligncenter" width="850"] 「エスター・カーン めざめの時」[/caption] [caption id="attachment_28659" align="aligncenter" width="850"] 「“男たちと共に”演技するレオ」[/caption] [caption id="attachment_28660" align="aligncenter" width="850"] 「キングス&クイーン」[/caption] [caption id="attachment_28661" align="aligncenter" width="850"] 「愛されたひと」[/caption] [caption id="attachment_28662" align="aligncenter" width="850"] 「クリスマス・ストーリー」[/caption] [caption id="attachment_28663" align="aligncenter" width="850"] 「ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して」[/caption] [caption id="attachment_28664" align="aligncenter" width="850"] 「あの頃エッフェル塔の下で」[/caption] [caption id="attachment_28665" align="aligncenter" width="850"] 「イスマエルの亡霊たち」[/caption] [caption id="attachment_28666" align="aligncenter" width="850"] 「ルーベ、嘆きの光」[/caption] [caption id="attachment_28667" align="aligncenter" width="850"] 「いつわり」[/caption] 【アルノー・デプレシャン監督 登壇予定】 「私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター」 ■東京 Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下 日時:初日9/15(金)夜の回 上映後&9/16(土)夜の回 上映後 詳細:https://www.bunkamura.co.jp/topics/cinema/7778.html ■愛知 伏見ミリオン座 日時:9/18(月祝)10:45回 上映後 詳細:https://eiga.starcat.co.jp/ ■大阪 シネリーブル梅田 日時:9/18(月祝)14:00回 上映後 詳細:https://ttcg.jp/cinelibre_umeda/ ■京都 京都シネマ 日時:9/20(水)夜の回 上映後 詳細:https://www.kyotocinema.jp/ 第5回映画批評月間 フランス映画の現在をめぐって スペシャルエディション アルノー・デプレシャンとともに 期間:9/8(金)〜9/29(金) 会場:東京日仏学院 エスパス・イマージュ 公式HP:https://www.institutfrancais.jp/tokyo/agenda/cinema20230908/ ■「エスター・カーン」 日時:9/17(日)18:00回 上映後 ■「愛された人」 日時:9/21(木)18:30回 上映後 第45回ぴあフィルムフェスティバル アルノー・デプレシャン監督特集 会場:国立映画アーカイブ 詳細:https://pff.jp/45th/lineup/arnaud-desplechin.html ■「二十歳の死」 日時:9/16(土)19:00回 上映前 ■「イスマエルの亡霊たち」 日時:9/16(土)14:30回 上映後 ■「アルノー・デプレシャン監督『女囚701号 さそり』を語る」 日時:9/17(日)14:30回 上映後 レトロスペクティブ巡回上映 ■「いつわり」 会場:大阪 シネ・ヌーヴォ 日時:9/18(月祝)夜の回 上映前 詳細:http://www.cinenouveau.com/ ■「魂を救え!」 会場:京都 出町座 日時:9/19(火)夜の回 上映後 詳細: https://demachiza.com/ *日時、イベント内容は事情により変更の場合あり 「私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター」 姉のアリス(マリオン・コティヤール)は有名な舞台女優で、弟のルイ(メルヴィル・プポー)は詩人。アリスは演出家の夫との間に一人息子がいて、ルイは人里離れた山中で妻と暮らしている。何が理由だったかはもうわからないけれど、二人はずっと憎み合い、顔も合わせていない。そんな二人が両親の突然の事故によって再会するのだが……。憎しみの出口はどこ? 幸せな結末はある? ©︎ 2022 Why Not Productions - Arte France Cinéma 配給:ムヴィオラ ▶︎ アルノー・デプレシャン新作。マリオン・コティヤール × メルヴィル・プポーで姉弟の物語を描く「私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター」 -
日本文化と融合!?「ホーンテッドマンション」浮世絵ビジュアル&映像公開
2023年8月18日ディズニーランドの人気アトラクションを映画化した「ホーンテッドマンション」が、9月1日(金)より全国公開。日本画家・浮世絵師の塩崎顕氏が描いた浮世絵特別ビジュアル〈九九九幽霊夜行〉と特別映像が到着した。 塩崎氏は「歌川国芳の描いた名作『相馬の古内裏』に代表される、日本が誇る絵画様式『浮世絵』によって表現された独創的な幽霊や妖怪たち。人智を超えた摩訶不思議な存在でありながらも、どこかコミカルでユーモラスに描かれた浮世絵の世界観は日本人にはとても馴染みがあるものです。世界中で愛される『ホーンテッドマンション』に登場する多種多様な九九九体のゴースト達が織りなす奇想天外でクスリと笑える本作の世界観は、それら浮世絵と深く通じるものを感じました」「時代を超えた融合が生み出す、魅惑的でエンターテイメントに溢れる世界観をお楽しみください」とコメントを寄せている。 特別映像は、浮世絵ビジュアルに動きを加えたもの。“怖くて・可笑しい” ホーンテッドマンションの世界観が如実に伝わる。 Story 医師のギャビー(ロザリオ・ドーソン)と息子のトラヴィス(チェイス・ディロン)が引っ越してきたのは、ニューオーリンズの壮大だがちょっと不気味な館。 そこで不可解な出来事が相次ぎ、謎を解明すべくゴーストを信じない心霊写真家のベン(ラキース・スタンフィールド)、調子が良すぎる神父のケント(オーウェン・ウィルソン)、何かと大げさな霊媒師のハリエット(ティファニー・ハディッシュ)、幽霊屋敷オタクで歴史学者のブルース(ダニー・デヴィート)に助けを求める。ところがこのエキスパート4人もワケアリだった。 館に住む999人のゴーストと、仕掛けられた数々のトリック。不気味な体験を通し、一同は隠された悲劇的な真実に気づき始めるが……。 © 2023 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved. 配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン ▶︎ いたずら好きゴーストたちもお披露目。「ホーンテッドマンション」キャラクターポスター公開