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世界的建築家アルヴァ・アアルトが妻と辿った創作人生に迫る「アアルト」
2022年9月13日フィンランドを代表する建築家・デザイナーのアルヴァ・アアルトの人生と作品に迫るドキュメンタリー「アアルト」が、2023年秋にヒューマントラストシネマ有楽町ほかで全国順次公開。ティザーポスタービジュアルが到着した。 アルヴァ・アアルト(1898-1976)が2023年に生誕125年を迎えることを記念して公開される本作。長年、彼の映画を撮りたいと考えていたフィンランドの女性監督ヴィルピ・スータリが、アルヴァの創造(建築はもとより、アルテックの家具やイッタラの食器などの誕生秘話も見どころ)、および同様に建築家だった妻アイノとの愛を紐解き、フィンランドのアカデミー賞と称される2021年ユッシ賞の音楽賞と編集賞を受賞した。 アトリエで共に作業するアアルト夫妻を据えたポスターは、「私がいつも基準にしてるのは、“人間”だ。人間は、松や白樺と同じように自然の一部である」というアルヴァの言葉を具現化したような、シンプルでしなやかなデザインとなっている。 「アアルト」 監督:ヴィルピ・スータリ 配給:ドマ 宣伝:VALERIA 後援:フィンランド大使館、フィンランドセンター 協力:アルテック、イッタラ 2020年/フィンランド/103分/原題:AALTO ©FI 2020 - Euphoria Film 公式HP:aaltofilm.com -
朝井リョウの小説『正欲』が稲垣吾郎 × 新垣結衣共演、岸善幸監督で映画化
2022年9月12日『桐島、部活やめるってよ』『何者』などで知られる朝井リョウが作家生活10周年に書き上げ、第34回柴田錬三郎賞を受賞した話題作『正欲』が、稲垣吾郎と新垣結衣の共演で、「あゝ、荒野」「前科者」の岸善幸のメガホンにより映画化することが決定。キャスト、監督、原作者のコメントが到着した。 家庭環境や性的指向において“普通”から外れた人々を同じ地平で描写しながら、生きていくための推進力となるものを炙り出していく原作小説を、港岳彦の脚本により、ある種のラブストーリーとして映画化する「正欲」。 不登校の息子を持つ検察官の寺井啓喜(てらい・ひろき)を稲垣吾郎、特殊性癖を隠して生きる桐生夏月(きりゅう・なつき)を新垣結衣が演じる。 各者のコメントは以下。 稲垣吾郎 脚本を読み終えた時、この作品に関われる事を嬉しく思いました。難しい題材にチャレンジする、監督、スタッフの皆様と共に丁寧に演じていきたいと思います。 新垣結衣 原作を読んで、何かを問われたような気持ちになりました。それは、「何が正しいか」とかそういう単純なものではないような、でも実はとてもシンプルなことのような気もしました。考え続ける事、想像し続ける事をいつも以上に大切にしながら、制作に臨めたらと思っています。岸監督とは初めてご一緒しますが、初顔合わせから親身に役についての相談などを聞いてくださり、とても心強く、感謝しています。撮影では、自分なりに、夏月達が生きる世界を必死に生きたいと思います。 監督・岸善幸 原作の衝撃と感動がずっと消えません。朝井さんの“視点”が生み出した登場人物たち、その感情をどう表現するべきか、模索が続いています。稲垣吾郎さん、新垣結衣さんをはじめとするキャストの皆さんとの対話を重ねて、少しずつ輪郭が浮かび上がってきたところです。人と人のつながりを描こうと思います。大切なのに、難しい、つながり。世界から「普通ではない」と片づけられてしまう人たちの、歪みのないつながりを描こうと思います。 原作・朝井リョウ 言葉にするとは線を引くということです。明確に名付けがたい感情や現象に無理やり輪郭を与えてしま うのが、言葉です。 映画には、表情、声色、沈黙など、言葉以外のものが沢山映ります。それらが、私が書きながら取りこ ぼしていったものたちを一つでも多く拾い上げてくれることを願っています。 そして、この物語の核が、いい映画を創るという意思以外の部分で歪められることのないよう、緊張感 とともに祈っています。 「正欲」 原作:朝井リョウ『正欲』(新潮社刊) 監督:岸善幸 脚本:港岳彦 制作:テレビマンユニオン 製作幹事:murmur 配給:ビターズ・エンド -
ユダヤ人絶滅政策を決定した会議の全貌とは?「ヒトラーのための虐殺会議」
2022年9月10日1,100万ものユダヤ人抹殺を決定したナチス・ドイツの〈ヴァンゼー会議〉の全貌を描く「ヒトラーのための虐殺会議」が、会議からちょうど81年後の2023月1月20日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほかで全国公開される。 1942年1月20日正午、国家保安部代表のラインハルト・ハイドリヒによりナチス親衛隊員と事務次官らがベルリンのヴァンゼー湖畔にある大邸宅に招かれ、会議が開かれた。議題は「ユダヤ人問題の最終的解決」で、“最終的解決”とはヨーロッパにおける1,100万ものユダヤ人を計画的に駆除、つまり抹殺することを意味するコード名だ。移送、強制収容、強制労働、計画的殺害など各方策は、誰一人として異論を唱えることなくたった90分で議決される──。 すべてのドイツ占領地および同盟国から東ヨーロッパの収容所へのユダヤ人強制送還の始まりとなったヴァンゼー会議を、アドルフ・アイヒマンの議事録に基づき、80年後の2022年に映画化した「ヒトラーのための虐殺会議」。 「ヨーロッパにいる全ユダヤ人の駆逐が、冷静な会話によって議論され決められていく様子を事実に基づいて描こうと思いました」と言うマッティ・ゲショネック監督が、出席者15名がまるでビジネスのように大量虐殺を承認していく異様な光景を描き出す。 「ヒトラーのための虐殺会議」 監督:マッティ・ゲショネック 出演:フィリップ・ホフマイヤー、ヨハネス・アルマイヤー、マキシミリアン・ブリュックナー 2022年/ドイツ/112分/ビスタ/5.1ch 原題:Die Wannseekonferenz/英題:THE CONFERENCE/字幕翻訳:吉川美奈子/配給:クロックワークス/G © 2021 Constantin Television GmbH, ZDF 公式HP:https://klockworx-v.com/conference/ -
ジャン=ポール・ベルモンドの一周忌となる9月6日(火)、「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選」上映作の新字幕を数多く(20作品中9本)手掛けた松浦美奈さんと、長年交渉を続けて傑作選を実現させた配給プロデューサーの江戸木純さんによる、ベルモンド愛に溢れたトークイベントが新宿武蔵野館で開催された。今年のカンヌ映画祭で追悼上映された、名優ジャン・ギャバンと若きベルモンドの共演作「冬の猿」上映後、16時過ぎより始まった。 上映中の「ブレット・トレイン」はじめ数々の作品で字幕を手掛ける松浦さんが、傑作選1で「オー!」を観に劇場を訪れた際、江戸木さんとばったり会ってベルモンドの話で盛り上がり、傑作選2から字幕を担当することになったという経緯から話はスタート。 昔はフランスの娯楽映画をはじめ、数々の洋画がテレビ放映されていた。松浦さんもそこでベルモンド映画と出会い、2本立ての名画座で「大頭脳」を見て、目当てだったジュリアーノ・ジェンマ主演作よりも面白くて驚いたという。70年代にはベルモンドが大人気で、お茶の間に浸透していたという話が出ると、江戸木さんが、オンエアがなくなってベルモンド映画を観る機会が失われたので、傑作選への思いが芽生えたと語った。 松浦さんは自身が字幕を手掛けた、ベルモンドがジャン・バルジャンを演じたクロード・ルルーシュ監督作「レ・ミゼラブル」(1995年)が大好きと話すと、江戸木さんが「今回の上映に入れたかったけどできなかった!」と明かし、選外となった名作についても触れられた。 トーク前に上映された「冬の猿」について、松浦さんは「皆さん、この映画の時、ジャン・ギャバンがいくつだったか知っていますか? 58才ですよ!」と名優の貫禄にスポットを当てると、江戸木さんが「ベルモンドは29才だった。あの酔っぱらい方に運動神経や体幹の良さが出ている。この作品の直後にノルマンディー上陸作戦を描いたハリウッド超大作「史上最大の作戦」が公開されるが、当時ノルマンディーがブームだったのかも?」と映画史の小ネタを披露した。 さらに松浦さんが、ベルモンド映画は説明台詞が抑えめで “見せる” 映画が多いこと、「薔薇のスタビスキー」翻訳の際には時代背景や人名などの日本語資料がなく苦労したこと、名脚本家が手掛けたベルモンド映画のフランス語はスラングが少なく美しいことなど、翻訳家ならではの視点で紹介。 また、ベルモンド28才の「勝負をつけろ」は、ベルモンド39才の「ラ・スクムーン」と同じ暗黒街映画の巨匠ジョゼ・ジョヴァンニの原作であり、両作を見比べるのが面白いという傑作選3の楽しみ方が語られた。その後は松浦さんが「ベルモンド映画は、ロングショットでアクションをしっかり撮り、スターだから、必ずベルモンドがアップになる。もうそれで満足」「怪盗二十面相のベルモンドは植木等みたい」、江戸木さんが「パリ警視Jなんか、警視なのに法律破りまくりで、あれはほぼ犯罪者でしょう」「「怪盗二十面相」と「薔薇のスタビスキー」はベルモンドが全編嘘をつきまくる嘘とホラ吹きのスペクタクル」と笑える見どころを示し、盛り上がった。そして最後は、何をやってもベルモンドの演技が上手いからベルモンド映画は全部面白い、との絶賛で締め括られた。 ベルモンド傑作選のファイナルとなる「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選3」は、9月2日(金)より新宿武蔵野館などで全国順次開催中。新宿武蔵館ではベルモンドディスプレイの前に献花台が設置され、来場者が作った折り紙の花が飾られている。 公式サイト:https://belmondoisback.com