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  •  ジョージア(グルジア)の伝説的女性監督ラナ・ゴゴベリゼ、現在93歳。その到達点といえる新作「金の糸」が、2月26日(土)より岩波ホールほかで全国順次公開される。  舞台はジョージアの古都トビリシ。79歳の誕生日を迎えた作家エレネを中心に、ジョージアの激動の時代を生きた人々の現在の姿を通して、“過去との和解”を描く。日本の「金継ぎ」に着想を得た物語で、題名の「金の糸」には“未来を見るために過去を金で修復する”という意味が込められている。      公開にあたり、今年閉館の岩波ホールと観客に向けた監督のメッセージ、さらに著名人の賞賛コメントが届いた。 ラナ・ゴゴベリゼ監督メッセージ(談) 「忘れられない髙野さんとの抱擁!」  岩波ホールにはたくさんの思い出があります。80年代に私の映画「インタビュアー」を上映してくださったこと、その後「転回」が東京国際映画祭に選ばれて来日した際(その時の審査委員長はグレゴリー・ペックでした!)、温かく歓迎してくださったこと、私はその時、監督賞をいただいたのですが、当時、岩波ホールの総支配人だった髙野悦子さんが、私以上に喜んで、二人で抱き合って喜んだことが今でも思い出されます。映画への情熱が身体中から溢れ出ているような、忘れられない女性でした。歳をとると、かつての知人たちが次々にいなくなっていくものです。けれど、何歳になっても新しい出会いはあります。「金の糸」が日本で、若い世代の方たちとも出会えることを楽しみにしています。   著名人コメント(順不同・敬称略) 一組の夫婦の母親同士が高齢ゆえに同居することになるという展開はどこにでも起こりうるヒヤヒヤするような設定だが、その二人が芸術家と旧ソ連の残党、という桁違いの分断を大元にしているのがすごい。二人のすれ違いからは、美しい映画のセットの外の「失われた時」の重苦しさを想像させられる。年老いた人が「かつて」の話しかできない自分を止められないことに、自らうろたえる描写はすごい迫力だ。 西川美和(映画監督) 熟成された時間を、深々と味わうような美しい映画です。 幾重にも人々を引き裂いた歴史の破片を、今繋ぐもの。それは「生きることを愛する才能」という美酒でしょうか? 加藤登紀子(歌手) 暗黒の時代を経験し過酷な人生を送ったにも関わらず、ゴゴベリゼ監督の大らかな優しさが滲み出て登場人物の一人一人を慈しみながら描いてゆく。 映画というものの力を、その美しさを全身に感じ幸せな時間になった。 吉行和子(女優) 人間は“劣化”なんかしない。 老いるとは“経年美化”することである。 時をためると、果実が実り、過去は、やがて財産になる。 だんだん美しくなる人生を。 映画「金の糸」は人生の讃歌です。 伏原健之(東海テレビ放送『人生フルーツ』監督) 気づいたら作品に引き込まれており、気づいたら終わっていた。しかし、確実な何かが後に残される。まるで人生のようだ。 「金の糸」を通じてジョージアの人生観に是非触れていただきたい。 ティムラズ・レジャバ(駐日ジョージア大使) 家の中から一歩も出られない主人公。だが、会話と思考によって、彼女の冒険は空間も時間も超えてどこまでも広がっていく。その無邪気な大胆さに何より魅了された。 月永理絵(エディター&ライター) 政治的立場、男女の思い、世代の隔絶。砕けたそれらをエレネは縫い直す。苦難の時代を生きた女性たちの頬に刻まれた皺は、金の糸だ。その皺がひどく羨ましくて、生きて、歳をとりたいと思った。 鈴木史(映画監督・美術家・文筆家) 心を澄ましてエレネの言葉を聞こう。 限りある時を如何に生きるべきか。 起きた出来事を憂うのか、 それとも解釈を変えて好転させるのか。 意識をどこにフォーカスするかで 私達は過去さえ変えられる。 黒田雪子(金継師) 過去と過去をつなぎ合わせ時間も空間も超えた物語。監督自身の過去やジョージアの歴史も紡ぎ、祈りも込められている。この映画との関わり方もまた、人と人をつなぐ“金継ぎ”じゃないかと思う。 堀 道広(うるし漫画家/金継ぎ部主宰) 激動のソ連時代を生き、人間と時代を見つめてきたゴゴベリゼ監督。 その彼女が到達した金字塔。人生を洞察し、過ぎ去った歳月を問い、今をよりよく生きる。 美しく、優しく、深い余韻をいつまでも心に残す。      はらだたけひで(画家・ジョージア映画祭主宰)         公開初日2月26日(土)13:00の回&15:30の回上映後には、岩波ホールでラナ・ゴゴベリゼ監督のオンライン舞台挨拶が行われる。現在93歳の監督が、ジョージアの首都トビリシから日本の観客にメッセージを届けてくれる。さらに、上映期間中の毎週木曜日13:00の回上映後には、ゲストのトークも開催。 ◆ラナ・ゴゴベリゼ監督オンライン舞台挨拶 日時:2/26(土)13:00の回&15:30の回上映後 会場:岩波ホール ◆「金の糸」上映後トーク 3/3(木)加藤登紀子さん(歌手) 3/10(木)はらだたけひでさん(画家・ジョージア映画祭主宰)① 3/17(木)ティムラズ・レジャバさん(駐日ジョージア大使) 3/24(木)はらだたけひでさん② 3/31(木)はらだたけひでさん③ 4/7(木)五月女颯さん(ジョージア文学・批評理論研究) 4/14(木)廣瀬陽子さん(慶応大学教授・コーカサス地域研究) ※すべて13:00の回上映後 会場:岩波ホール     Story 未来のために、過去を「金」で継ぎ合わせて。 旧市街の片隅で 私たちは語る 信じて欲しい 壊れた過去も美しいと。 トビリシ旧市街の片隅。作家のエレネは生まれた時からの古い家で娘夫婦と暮らしている。今日は彼女の79歳の誕生日だが、家族の誰もが忘れていた。娘は、姑のミランダにアルツハイマーの症状が出始めたので、この家に引っ越させるという。ミランダはソヴィエト時代、政府の高官だった。そこへ突然、60年前の恋人アルチルから電話がかかってきて……。   「金の糸」 監督・脚本:ラナ・ゴゴベリゼ 撮影:ゴガ・デヴダリアニ 音楽:ギヤ・カンチェリ 出演:ナナ・ジョルジャゼ、グランダ・ガブニア、ズラ・キプシゼ 原題:OKROS DZAPI|英語題: GOLDEN THREAD|2019年|ジョージア=フランス|91分 字幕:児島康宏|配給:ムヴィオラ|公式サイト:http://moviola.jp/kinnoito/ © 3003 film production, 2019
  •  ケネス・ブラナーが監督・製作・脚本を手掛け、出身地の北アイルランド ベルファストを舞台に自身の幼少期を投影して撮り上げた自伝的作品「ベルファスト」が、3月25日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイントほか全国で公開。   [caption id="attachment_9583" align="aligncenter" width="850"] Director Kenneth Branagh (left) and actor Jude Hill (right) on the set of BELFAST, a Focus Features release. Credit : Rob Youngson / Focus Features[/caption]    第46回トロント国際映画祭で最高賞にあたる観客賞を受賞して以降「これぞオスカーにふさわしい作品!」(ROLLING STONE)、「オスカー賞レースを新たな高みへと引き上げる作品」(VARIETY)、「熱狂!この映画を決して忘れることはできない」(THE HOLLYWOOD REPORTER)と、各誌から絶賛が寄せられた本作。  第27回放送映画批評界協会賞では最多11部門にノミネートされ、第79回ゴールデングローブ賞では脚本賞を受賞。そして第94回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、助演女優賞、助演男優賞、脚本賞、主題歌賞、音響賞の7部門でノミネートを果たした。  一方で同じくブラナーが監督を務める映画「ナイル殺人事件」は、2月11~13日の全米ボックスオフィスランキングで興行収入1,289万1,123ドル(約15億円)で初登場1位に輝き、ブラナー作品への注目が高まっている。 「頑張る彼らの姿に力をもらってほしい」  このたびブラナーのインタビュー映像が解禁。今の時代に故郷ベルファストを舞台に自伝的作品を撮り上げた思いや、こだわりのキャスティング秘話、そして分身というべき少年役を託したジュード・ヒルへの絶大な信頼などを明かした。  「ベルファストは物語に事欠かない街だ。特に1960年代後半のベルファストは街の歴史上最も過酷な激動の日々だった」と語り始めるブラナー。「あの日々はずっと僕の頭にあって、故郷で過ごしたあの時代の物語をいつか脚本にしようと思っていた」と長年、映画化の機会を探っていたことを明かす。そんな中で新型コロナウイルスによるパンデミックが起き、過激さは違えども変わりゆく世界を人々が目の当たりにしていると感じ、最初のロックダウンが始まった2020年頃に脚本に着手した。  時代の変化に戸惑い苦悩しながらも、未来へ突き進む家族の物語を描くにあたり、キャスティングではアイルランドと縁が深い俳優にこだわった。「ジェイミー・ドーナンはベルファストの出身でホーリーウッドという街に住んでいた。祖父役のキアラン・ハインズは僕の実家からたった1キロ半の場所に住んでいたんだ」。さらにカトリーナ・バルフやジュディ・デンチにもアイルランドの血が流れており、「俳優たちがとても前向きなエネルギーを加えてくれたと思う。彼らは“家族”だったね」と役者陣へ信頼を明かした。特に、自身を投影させた少年バディ役のジュード・ヒルに対しては「すばらしい仕事をしてくれた。僕らがジュードを見つけ出した瞬間、彼の才能はまさに開花したんだ」と絶賛。  「この作品を観て、頑張る彼らの姿に力をもらってほしい」というブラナー。家族と故郷をテーマに、笑いと涙で綴った人生賛歌に、感動とエネルギーをもらえるはずだ。   [caption id="attachment_9584" align="alignnone" width="550"] Writer/director Kenneth Branagh on the set of BELFAST, a Focus Features release. Credit: Rob Youngson/Focus Features[/caption]   「ベルファスト」の第1弾記事はこちら © 2021 Focus Features, LLC.
  •  ホアキン・フェニックス主演×マイク・ミルズ監督×A24製作。中年男が甥っ子との“想定外”の日々の中で驚きと喜びに出会っていく愛おしい物語「カモン カモン」が、4月22日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開される。 突然始まった甥っ子との共同生活  NYを拠点に全米各地を取材して回るラジオジャーナリストのジョニーは、LAに住む妹が家を留守にする数日間、9歳の甥・ジェシーの面倒を見ることに。それは彼にとって、子育ての厳しさを味わうと同時に、驚きに満ち溢れたかけがえのない体験となる。それぞれ孤独を抱えたふたりは、ぶつかりながらも真正面から向き合い、新たな絆を見出していく──。   名優ホアキン・フェニックス×新星ウディ・ノーマン  主人公ジョニーを演じるのは、「ジョーカー」でアカデミー賞主演男優賞に輝いたホアキン・フェニックス。狂気のイメージから一転、甥のジェシーに振り回される中年男を親しみ豊かに見せる。ジェシー役にはオーディションで選ばれた新星ウディ・ノーマン。天真爛漫な姿で物語を輝かせ、英国アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。オスカー常連の名優と期待の新人による親密な掛け合いが微笑ましい。 かけがえのない日々を切り取った場面写真  このたび場面写真が一挙解禁。ジョニーが本の読み聞かせ中にジェシーと見つめ合う姿をはじめ、友人らとのNY散策、ピザ屋でのハイタッチ、西海岸での砂浜遊び、録音機を抱えての公園散歩など、どれも愛おしい日々を物語る。さらに、ジョニーの妹ヴィヴが息子のジェシーと笑顔で床に寝転がる姿や、ジョニーとヴィヴが寄り添う兄妹ショットも。  撮影は「女王陛下のお気に入り」でアカデミー賞候補となったロビー・ライアン。その美しいモノクロ映像に引き込まれる。                Story  NYでラジオジャーナリストとして1人で暮らすジョニーは、妹に頼まれ、9歳の甥・ジェシーの面倒を数日間みることに。LAの妹の家で突然始まった共同生活は、戸惑いの連続。好奇心旺盛なジェシーは、ジョニーのぎこちない兄妹関係やいまだ独身でいる理由、自分の父親の病気に関する疑問をストレートに投げかけてジョニーを困らせる一方で、ジョニーの仕事や録音機材に興味を示し、二人は次第に距離を縮めていく。仕事のためNYに戻ることになったジョニーは、ジェシーを連れて行くことを決めるが……。   「カモン カモン」 監督・脚本:マイク・ミルズ(「人生はビギナーズ」「20センチュリー・ウーマン」) 出演:ホアキン・フェニックス、ウディ・ノーマン、ギャビー・ホフマン、モリー・ウェブスター、ジャブーキー・ヤング=ホワイト 音楽:アーロン・デスナー、ブライス・デスナー(ザ・ナショナル) 配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ 2021年/アメリカ/108分/ビスタ/5.1ch/モノクロ/原題:C’MON C’MON/日本語字幕:松浦美奈 © 2021 Be Funny When You Can LLC. All Rights Reserved.  happinet-phantom.com/cmoncmon/ 公式Twitter・Instagram:@cmoncmonmoviejp
  • 菅原文太が主人公・広能昌三を演じた「仁義なき戦い」シリーズ全5作品が、日本映画専門チャンネルで、2月26日(土)、27(日)に4Kニューマスター版で一挙放送される。そこで当時の製作背景に迫ってみたい。 一癖も二癖もある連中が蠢く群像劇 今では老若男女が知る実録やくざもののビッグネームとなっている。第1作「仁義なき戦い」が封切られ大ヒットした73年は、再生日活のロマンポルノも活況を呈しており、まさにやくざとポルノの時代であった。 重要なのはこのシリーズが全て東映の京都撮影所で撮られていることだ。ご存知のように東映は京都太秦の京都撮影所と東京大泉の東京撮影所と東西二つの撮影所がある。撮影所システムがほぼ崩壊してしまった現在はともかく、51年の東映創立よりしばらくは〝時代劇の東映〞がキャッチ・フレーズで京撮こそが東映の本流であった。任俠ものの嚆矢と言われる鶴田浩二主演「人生劇場 飛車角」(63・沢島忠監督)は東撮であった。だが企画者で撮影所長であった岡田茂が京撮へ移動したことから、同じ鶴田主演の「博徒」(64・小沢茂弘監督)が本格的任俠路線第1作として京撮で撮影された。かくして任俠路線も京撮が中心となって製作されることになった。 その任俠路線の主導的プロデューサーが俊藤浩滋で、鶴田浩二、高倉健、藤純子、若山富三郎、菅原文太といった任俠スターのマネージメントも手掛ける絶対的存在であった。だが10年近く続いた任俠路線も徐々に翳りが見え始め、俊藤も岡田も新規路線を模索していた。特に岡田は社長に就任したばかりで、新たな鉱脈探しは急務であった。そんな様々な思惑の中で俊藤が広島やくざ、美能幸三の手記を基に飯干晃一が書いたノンフィクション『仁義なき戦い』を読み映画化を主導した。京撮を選んだのは、時代劇・任俠路線と続く東映京撮こそ本流という意識があってのことだろう。 深作欣二を監督に起用したのは、任俠路線の監督では適応し切れない原作のピカレスクな味わいを出せる監督という見識故か。深作は「現代やくざ 人斬り与太」「人斬り与太 狂犬三兄弟」(以上72)で、義理人情クソ食らえのアウトローを主人公に従来の任俠路線とは一線を画した作風で頭角を現しており俊藤も目をつけていた。俊藤は日活「㊙色情めす市場」(74)を観て感心し、監督の田中登を何と高倉健主演「神戸国際ギャング」(75)に起用した剛のものである。脚本の笠原和夫は、原作の味を消さぬため従来のスター主義ではなく一癖も二癖もある連中が蠢く群像劇として、戦後史を背景に投影しつつ描きあげた。急速ズーム、ハンディカメラによる手振れを物ともしないカメラワークの多用など、従来の京撮では考えられない深作の過酷な要求を、撮影の吉田貞次と照明の中山治雄のコンビが見事にクリアしてシリーズすべてを走り抜けた。 主人公だが時には狂言回しとなる広能昌三役の菅原文太は、新東宝・松竹を経て外様である東映において、ようやく決定的な当たり役にめぐり合った。今や菅原文太=「仁義なき戦い」と言っても過言ではない。狡猾・吝嗇だが、どことなく憎めない広能の親分、山守義雄に扮した金子信雄にとっても彼の集大成とも言える当たり役で、菅原文太と共に表裏の顔となった。殺されてもゾンビのように違う役で復活する松方弘樹、梅宮辰夫、渡瀬恒彦らも楽しい。そして京撮の大部屋俳優たちで結成された〝ピラニア軍団〞が大挙出演した。本作を群像劇と称する深作は彼らにもスポットを当てて、それが作品の活性化にも繋がっていた。川谷拓三、室田日出男は一躍売れっ子俳優となった。 シリーズ最高傑作と謳われる「仁義なき戦い 代理戦争」 シリーズの脚本構成がまだ固まっていないため、スピンアウト的に製作された「仁義なき戦い 広島死闘篇」(73)は、俊藤がプロデューサーを外れて以降、東映本社の主導となった。文太は狂言回し的役割となり、山中正治役の北大路欣也と大友勝利役の千葉真一が主人公で、壮絶な対立を展開した。大友勝利は「仁義なき戦い 完結篇」(74)でも登場するが、この頃の千葉は空手映画で忙しく宍戸錠が代演した。 シリーズ最高傑作と謳われるのは第3作「仁義なき戦い 代理戦争」(73)で、ここから広島やくざ戦争が本格的に描かれていく。明石組(山口組)VS神和会(本多会)の二大勢力の対立なのだが、実際に対立するのは、それぞれの下部組織による代理戦争。ドンパチはシリーズの中でも少なめなのだが、登場する連中の権謀術策をめぐらす魑魅魍魎ぶりが無類の面白さで、随所に漂うブラック・ユーモアも味わいがある。本作より武田明役の小林旭と打本昇役の加藤武が登場して作品に厚みを加えている。 第4作「仁義なき戦い 頂上作戦」(74)は、笠原和夫が広島やくざの終焉まで描いたので「もうおしまい」と言うように、事実上の完結篇。菅原文太と小林旭が、粉雪が舞い込む寒々とした裁判所の廊下で「間尺に合わん仕事したのう」「辛抱せいや」と言って別れるラストは、シリーズの完結に相応しかった。だがヒット中のシリーズを東映が手放すわけもなく「仁義なき戦い 完結篇」が作られた。脚本は笠原が降りて高田宏治が書いたが、似て否なる感はぬぐえなかった。シリーズはまだ終わらずこの後も「新 仁義なき戦い」(74)「新 仁義なき戦い 組長の首」(75)「新 仁義なき戦い 組長最後の日」(76)が作られた。   ※本文は「キネマ旬報3月上旬号」から転載したものです。 文=ダーティ工藤 制作=キネマ旬報社 ◆2月26日(土)よる10時〜 「仁義なき戦い〈4Kニューマスター版〉」<R-15> 監督:深作欣二 原作:飯干晃一 脚本:笠原和夫 出演:菅原文太、松方弘樹、渡瀬恒彦、伊吹吾郎、中村英子、川地民夫、名和広、内田朝雄、内田朝雄、田中邦衛、梅宮辰夫   ◆2月26日(土)よる11時50分〜 「仁義なき戦い 広島死闘篇〈4Kニューマスター版〉」 監督:深作欣二 原作:飯干晃一 脚本:笠原和夫 出演:菅原文太、千葉真一、梶芽衣子、山城新伍、名和広、成田三樹夫、松平純子、前田吟、金子信雄、遠藤辰雄、小池朝雄、北大路欣也   ◆2月26日(土)深夜1時40分〜 「仁義なき戦い 代理戦争〈4Kニューマスター版〉」 監督:深作欣二 原作:飯干晃一 脚本:笠原和夫 出演:菅原文太、小林旭、池玲子、堀越光恵、中村英子、渡瀬恒彦、山城新伍、金子信雄、木村俊恵、成田三樹夫、加藤武、田中邦衛、丹波哲郎、梅宮辰夫   ◆2月27日(日)よる10時〜 「仁義なき戦い 頂上作戦〈4Kニューマスター版〉」 監督:深作欣二 原作:飯干晃一 脚本:笠原和夫 出演:菅原文太、梅宮辰夫、黒沢年男、田中邦衛、金子信雄、小池朝雄、内田朝雄、遠藤太津朗、加藤武、松方弘樹、小林旭   ◆2月27日(日)よる11時50分〜ほか 「仁義なき戦い 完結篇〈4Kニューマスター版〉」TV初 監督:深作欣二 原作:飯干晃一 脚本:高田宏治 出演:菅原文太、北大路欣也、松方弘樹、野川由美子、桜木健一、山城新伍、伊吹吾郎、田中邦衛、宍戸錠、金子信雄、小林旭   特設サイト:日本映画専門チャンネル