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  • 純愛と抑圧の波間で揺れる 赦されざる彼女たちの愛 映画「ロニートとエスティ 彼女たちの選択」   レイチェル・ワイズとレイチェル・マクアダムスの2大女優主演で贈る、女性同士で愛する姿を描いた映画「ロニートとエスティ 彼女たちの選択」のDVDがリリース。厳格なユダヤ・コミュニティで育った女性ふたりが純粋に愛し合う様と、それを咎める社会の姿を切り取った本作に合わせて、美しい女優たちが共演し、社会に抑圧されながらも愛を紡いでいく女性たちの恋愛を描いたオススメ洋画を厳選してお届けします。     1.映画「ロニートとエスティ 彼女たちの選択」   映画「ロニートとエスティ 彼女たちの選択」の作品概要 実力派女優ふたりがW主演を務め、プロデューサーでもあるレイチェル・ワイズが惚れ込んだ俊英セバスティアン・レリオ監督が赦されない女性同士の“美しき純愛”を描いたドラマ。厳格なユダヤ教の社会の中、禁じられた愛のかたちと知りながら互いを想い合ったロニートとエスティ。信仰と愛の間で葛藤するふたりが選んだ道とは……。   映画「ロニートとエスティ 彼女たちの選択」の見どころ 引き裂かれた禁忌の愛、ふたたび。哀しみ漂う秘密の夜のシルエット 一度は愛し合ったものの、ユダヤ教の厳しい掟の中で愛を育むことを諦めた女性たちが父親の死をきっかけに再会し、愛が再燃してくというある種のスキャンダラス感を、2大女優がとても美しく高尚なものに昇華させています。片や仕事を選んで都会へ出た女(レイチェル・ワイズ)、片や掟を守ってウィッグを被り、男性との間に子を産んで留まる女(レイチェル・マクアダムス)。そんな内と外で隔離され、違う世界に住む哀しきふたりが現実に直面する様と、お互いの身体を弄っても、決して幸福に辿り着けない哀しさを知る現実が切ない。女優ふたりが人知れず互いを求め合う、夜の秘め事に没頭する姿が美しすぎる!   ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントより6月3日リリース (C) 2018 Channel Four Television Corporation and Candlelight Productions, LLC. All Rights Reserved.     2.映画「アンダー・ハー・マウス」 (C)2016, Serendipity Point Films Inc バップよりリリース中   映画「アンダー・ハー・マウス」の見どころ ジェンダーレスモデル、エリカ・リンダーの魅力にご注意! 昼間は大工、夜は違う女性と日毎関係を持つ奔放な女性がファッション誌の編集者と出会い、禁断の愛と知りながらも互いに抑えられない様をエロティックな描写満載で描いたラブロマンス。男顔負けのイケメンモデル、エリカ・リンダーが婚約者の男を差し置いて彼女にガンガン攻めるシーンは何とも衝撃的! 彼女のフェロモンダダ漏れな魅力に注意してご覧ください。     3.映画「キャロル」 (C)NUMBER 9 FILMS (CAROL) LIMITED / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2014 ALL RIGHTS RESERVEDKADOKAWAよりリリース中    映画「キャロル」の見どころ 美しすぎる貴婦人が誘う人生の旅。映画史上最高の女性カップル! まだ女性の社会進出が認められていない50年代のNYで運命的に出会った人妻のキャロルと、彼女の瞳に捉えられた女性・テレーズ。魂レベルで惹かれ合ったふたりが、彼女たちの自由を抑圧する社会と人生を捨てた旅に出た先で出くわす悲劇と現実とは……。美しすぎる貴婦人のケイト・ブランシェットと幼さを残したルーニー・マーラの、映画史上最も美しく耽美なカップルにうっとり。       4.映画「アデル、ブルーは熱い色」 (C) 2013 WILD BUNCH - QUAT'S SOUS FILMS - FRANCE 2 CINEMA - SCOPE PICTURES - RTBF(Télévision belge) - VERTIGO FILMSコムストック・グループ/NBC ユニバーサル・エンターテイメントジャパン合同会社よりリリース中   映画「アデル、ブルーは熱い色」の見どころ 青髪女子、レア・セドゥのベッドシーンに釘付け! 女子高生のアデルが、彼氏とのデート中に青い髪をした女性・エマと運命的に出会い、同性愛に目覚めていく様を官能的なベッドシーンを織り交ぜて綴ったラブロマンス。エマに想いを寄せれば寄せるほど多くを求めたくなってしまうアデルの普遍的感情が切ない。彼女を新世界へと導き大胆なベッドシーンを繰り広げる、青髪のアート系女子に扮したレア・セドゥがイカす!   社会の抑圧の中で、新しい愛のかたちを掴もうとする女性たちの懸命な姿を描いた作品の数々を、ぜひ「ロニートとエスティ 彼女たちの選択」と合わせて鑑賞してみてください。女優たちの妖しい美しさに魅了されると共に、社会の新しい愛の在り方を、この機会に考えてみるのはいかがでしょうか。   映画「ロニートとエスティ 彼女たちの選択」 制作=キネマ旬報社  
  • 映画界に多大なる貢献を頂きました皆様のご冥福をお祈りいたします。 メアリー・パット・グリーソンさん(米/女優) 6月2日、がんのため死去。70歳。80年代初めにTVで始動。86年に“The Guiding Light”52‐09の脚本部門でエミー賞を受賞したほか、『SEX AND THE CITY』98‐04、『デスパレートな妻たち』04‐12、『ブラックリスト』13‐などTVドラマや、「ソープディッシュ」91、「氷の微笑」92、「クルーシブル」96、「ディボース・ショウ」03などに出演した。 冨田祐一氏(とみた・ゆういち/俳優) 6月2日に死去。83歳。劇団〈仲間〉を経て、79年に〈青年劇場〉に入団。『もう一人のヒト』『こんにちはかぐや姫』など数々の舞台や、『イーハトーボの劇列車』『太鼓たたいて、笛ふいて』などの方言指導、ラジオ朗読劇のほか、『花丸銀平』84、『浅見光彦シリーズ イーハトーブの幽霊』00などTVドラマに出演した。 ブルース・ジェイ・フリードマン氏(米/劇作家、脚本家、作家) 6月3日に死去。90歳。60年代より始動。短篇小説“A Change of Plan”がニール・サイモンの脚色で「ふたり自身」72の邦題で映画化され、「ライラにお手あげ」07としてリメイク。脚本を手掛けた「スター・クレイジー」80がヒットし、第1稿を担当した「スプラッシュ」84はアカデミー賞候補となり、全米批評家協会賞など数々の賞を受賞。自身の戯曲を自ら脚色した“Steambath”73ではエミー賞候補に。俳優としても、ウディ・アレン監督の「夫たち、妻たち」92、「セレブリティ」98や、「ユー・ガット・メール」98などに出演した。 バス・チャテルジー氏(印/映画監督、脚本家) 6月4日に死去。90歳。イラストレーターや漫画家として活動後、“Sara Akash”69で監督デビューし、同作でフィルムフェア賞脚本賞を受賞。その後も、“Rajnigandha”74、“Jeena Yahan”79で同賞最優秀作品賞に輝くなど、主に中産階級の人々を題材に秀作を発表。『十二人の怒れる男』を翻案したTV映画“Ek Ruka Hua Faisla”86なども手掛けた。 チランジーヴィ・サルジャ氏(印/俳優) 6月7日、心臓発作のため死去。39歳。祖父シャクティ・プラサド、おじアルジュン・サルジャも俳優の芸能一家に生まれる。アルジュンの映画の助監督を経て、おじキショール・サルジャ監督の“Vayuputra”09で主演デビュー。“Whistle”13、アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』が原案の“Aatagara”15、大ヒットしたアクション“Amma I Love You”18など数々の作品に出演し、18年に女優メガーナ・ラジと結婚したばかりだった。 アラン・メッター氏(米/映画監督) 6月7日、心臓発作のため死去。77歳。広告業界で始動。「ハイスクールはダンステリア」85、「バック・トゥ・スクール」86、人気シリーズ最終作「ポリスアカデミー’94/モスクワ大作戦!!」94などや、オリヴィア・ニュートン=ジョンなどのMVも手掛けた。 マリオン・ヘンセルさん(ベルギー/映画監督) 6月8日に死去。71歳。フランスのマルセイユ出身。女優として始動し、長篇監督デビュー作“Le lit”82でセザール賞最優秀フランス語映画賞候補となり、「熱砂の情事」85でヴェネチア国際映画祭新人監督賞を受賞。その後も、マルコム・マクダウェル主演の“Il Maestro”90、「雲 息子への手紙」01などドキュメンタリーも手掛けたほか、ダニス・タノヴィッチ監督の「ノー・マンズ・ランド」01、「美しき運命の傷痕」05などの製作にも携わった。 ロシータ・フォルネスさん(キューバ/女優、歌手) 6月10日に死去。97歳。ラジオのタレント番組での優勝を機に、39年に映画デビュー。メキシコで“El deseo”48、“Piel canela”53など映画黄金期に数々の作品に出演。キューバでも長きにわたりエンターテインメント界を牽引し、2010年代にもアルバムを発表するなど歌手としても活躍した。 サルンヨー・ウォングックラチャン氏(タイ/俳優) 6月10日、肝臓がんのため死去。59歳。大学在学中より舞台で始動。「レベル・サーティーン」06、「マッハ!弐」08、「マッハ!参」10などや、数々のTVドラマでも活躍した。 服部克久氏(はっとり・かつひさ/作曲家、編曲家) 6月11日、腎不全のため死去。83歳。服部良一の長男として生まれる。パリ国立高等音楽院で学び、帰国後間もなくTV草創期より始動。『ミュージックフェア』64‐、『ザ・ベストテン』78‐89、『クイズ100人に聞きました』79‐92などのテーマ曲、『江戸の旋風』シリーズ、『わかば』04‐05などTVドラマや『トム・ソーヤーの冒険』80、『ワンワン三銃士』81‐82などアニメーション、「リオの若大将」68、「博多っ子純情」78、「連合艦隊」81、「新極道の妻たち 惚れたら地獄」94、「不撓不屈」06など映画音楽も手掛ける。編曲家としても〈昴‐すばる‐〉80、〈春なのに〉83、〈快盗ルビイ〉88などを手掛け、〈花のメルヘン〉70で日本レコード大賞編曲賞を受賞。日本作曲家協会会長などを歴任し、99年に著作権法百年記念特別功労者として文部大臣表彰された。長男は作曲家・服部隆之。 メル・ウィンクラー氏(米/俳優) 6月11日に死去。78歳。陸軍に従軍後、68年にブロードウェイにデビュー。「青いドレスの女」95、「訣別の街」96、「普通じゃない」97、「コーチ・カーター」05などや、『ER 緊急救命室』94‐09、『NYPD BLUE  ~ニューヨーク市警15分署』93‐05などTVドラマにも出演した。 ロサ・マリア・サルダさん(スペイン/女優) 6月11日、がんのため死去。78歳。60年代より舞台で始動。映画も、シスター・ロサの母親にふんした「オール・アバウト・マイ・マザー」98や、「美しき虜」98、「キャロルの初恋」02など数々の作品に出演し、94、02年にゴヤ賞を受賞したほか、10年にスペイン映画芸術科学アカデミーよりゴールドメダルを、16年にフェロス賞功労賞を授与。TVでも人気を博した。 コロ・タヴェルニエ・オアガンさん(仏/脚本家) 6月13日、がんのため死去。77歳。イングランド生まれ。元夫のベルトラン・タヴェルニエ監督と、セザール賞を受賞した「田舎の日曜日」84、同賞候補となった「パッション・ベアトリス」87や、「ラウンド・ミッドナイト」86、「ひとりぼっちの狩人たち」95(ベルリン国際映画祭金熊賞)などで組む。他に、「主婦マリーがしたこと」88、「夏のアルバム」89などや、TVドラマも多数手掛けた。 スシャント・シン・ラージプト氏(印/俳優) 6月14日、自宅で首をつって亡くなっているのを発見された。34歳。工科大在学中よりダンスに打ち込み、舞台を経て、TVドラマ“Pavitra Rishta”09‐14に11年に降板するまで主演を務め人気を博す。映画も、クリケット選手にふんした“Kai po che!”13でデビューし注目を浴び、「PK ピーケイ」14、初のフィルムフェア賞主演男優賞候補となった「M.S.ドーニー ~語られざる物語~」16、「DRIVE/ドライヴ」「きっと、またあえる」19、「きっと、星のせいじゃない。」14のボリウッドリメイク版“Dil Bechara”20などで活躍した。 加藤茂雄氏(かとう・しげお/俳優) 6月14日、慢性腎不全のため死去。94歳。46年開設の鎌倉アカデミア演劇科1期生として舞台で始動。50年に東宝と準専属契約(54年より専属)を交わし、「生きる」52の市役所職員役で初台詞を演じたのを皮切りに、「七人の侍」54、「流れる」56、「独立愚連隊」60、「日本のいちばん長い日」67や「ゴジラ」シリーズなどノンクレジットも含め膨大な数の作品に出演。72年の契約解除後はTVや舞台にも活動の場を広げ、『ウルトラ』シリーズなど特撮ものや、『大江戸捜査網』70‐84、『太陽にほえろ!』72‐86や、黒澤明監督にも「八月の狂詩曲」91、「まあだだよ」93まで起用。俳優業の傍ら地元の鎌倉由比ヶ浜で漁業に従事し、男やもめの老漁師と若い女性との交流を描く「浜の記憶」18で俳優生活70周年にして初主演を務めた。 チャールズ・ウェッブ氏(米/作家) 6月16日に死去。81歳。63年に出版されたデビュー作『卒業』が67年に映画化されヒットを飛ばすも、自身はわずか2万ドルで権利のすべてを譲渡。その後も処女作のイメージとのジレンマと戦いつつ執筆を続け、著作が「実験結婚」71、「スプリング・ガーデンの恋人」03として映画化。07年には『卒業』の11年後を舞台にした続篇“Home School”を発表した。 ルイス・ジョン・カルリーノ氏(米/脚本家、映画監督) 6月17日に死去。88歳。空軍に従軍後、劇作家としてオフ・ブロードウェイで高評を得る。映画も、ハナ・グリーンの『分裂症の少女 デボラの世界』64が原作の“I Never Promised You a Rose Garden”77でアカデミー賞脚色賞候補、「女狐」67でゴールデン・グローブ賞候補、「暗殺」68で脚本家組合賞候補となったほか、「セコンド/アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへの転身」66、11年のリメイク版にも携わった「メカニック」72、「レザレクション/復活」80などを手掛ける。監督としても、三島由紀夫原作の「午後の曳航」76でデビュー後、パット・コンロイの自伝的小説を映画化した「パパ」79、「恋のスクランブル」83などを手掛けた。 ヴェラ・リンさん(英/歌手) 6月18日に死去。103歳。第二次大戦中、英国軍の慰問コンサートを行うなど前線で戦う兵士たちに力を与え、代表曲〈We’ll Meet Again〉39は「博士の異常な愛情」64、「キングコング 髑髏島の巨神」17などのサウンドトラックで使用。戦後も、〈Auf Wiederseh’n Sweetheart〉52が英国人歌手として初の米国チャート1位に輝くなどヒット。冠番組“The Vera Lynn Show”73‐75の司会や、映画も40年代に3本出演したほか、ウディ・アレン監督の「メリンダとメリンダ」04、「タロットカード殺人事件」06にも登場。ピンク・フロイドのアルバム“The Wall”79中の〈Vera〉のモチーフにもなった。75年に大英帝国勲章デイムを授与。 イアン・ホルム氏(英/俳優) 6月19日に死去。88歳。パーキンソン病で闘病。英国王立演劇学校卒業後、54年にロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに入団し、67年に『帰郷』でトニー賞、98年に『リア王』でローレンス・オリヴィエ賞を受賞するなど舞台で活躍。映画も、デビュー作“The Bofors Gun”68でBAFTA賞助演男優賞を受賞。「エイリアン」79のアッシュ役で国際的に注目され、破天荒なコーチにふんした「炎のランナー」でカンヌ国際映画祭やBAFTA賞の助演男優賞を受賞し、アカデミー賞でも候補に。その後も、「グレイストーク ‐類人猿の王者‐ターザンの伝説」83、「英国万歳!」94でBAFTA賞候補となったほか、「バンデットQ」81、「未来世紀ブラジル」85、「裸のランチ」91、「フランケンシュタイン」94、「フロム・ヘル」01、「アビエイター」04や、近年は「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズとその前章「ホビット」シリーズのビルポ・バギンズ役で幅広い層に親しまれた。エミー賞候補となった『ザ・ブロンド爆弾 最後のばら』00などTVや、アニー賞を受賞した「レミーのおいしいレストラン」07やドキュメンタリーのナレーションなど声優としても活躍。89年に大英帝国勲章コマンダー、98年にナイトの称号を授与された。 ジョエル・シュマッカー氏(米/映画監督) 6月21日、がんのため死去。80歳。パーソンズ美術大学で学び、ファッション業界で始動。衣装デザイナーとしてウディ・アレン監督の「スリーパー」73、「インテリア」78などを手掛ける傍ら、脚本家としても「カー・ウォッシュ」76、「ウィズ」78などで頭角を現す。「縮みゆく女」80で監督デビューし、「セント・エルモス・ファイアー」85、「ロストボーイ」87などで若者を中心に人気を博す。90年代以降も、ティム・バートンからシリーズを引き継いだ「バットマン フォーエヴァー」95、「バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲!!」97や、「フラットライナーズ」90、「フォーリング・ダウン」93、「依頼人」94、「評決のとき」96、「8mm」99、「フォーン・ブース」02、「オペラ座の怪人」04など多彩な娯楽作で、スターの新たな魅力を引き出し若き才能も発掘。『ハウス・オブ・カード 野望の階段』13‐18などTVドラマや、MTVビデオ・ミュージック・アワード候補となったスマッシング・パンプキンズの〈The End Is the Beginning Is the End〉97のMVなど多岐にわたり活躍し、10年には撮影に特化したポーランドのキャメリメージ映画祭より特別賞を授与された。 スティーヴ・ビング氏(米/映画プロデューサー、脚本家) 6月22日、ロサンゼルスの高層マンションより飛び降り死去。55歳。スタンフォード大学在学中の18歳で、不動産開発業者の祖父から6億ドルもの遺産を相続。中退後に映画業界に進出し、「ポーラー・エクスプレス」04の製作に8000万ドルを投資。「追撃者」00、「ビッグ・バウンス」04、「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」08、ボブ・マーリーを題材にBAFTA賞候補となった“Marley”12など音楽ドキュメンタリーのプロデュースや、「カンガルー・ジャック」03の共同脚本、「殺しの前に口づけを」94では監督も務める。熱心な民主党支持者としても知られ、懇意のビル・クリントンの財団にも献金。私生活では、エリザベス・ハーレイと元テニス選手のリサ・ボンダーとの間に子供をもうけた。 ケリー・アズベリー氏(米/アニメーション監督) 6月26日、がんのため死去。60歳。80年代よりアニメーターとして始動し、「リトル・マーメイド/人魚姫」89、脚本も手掛けた「美女と野獣」91、「ナイトメア―・ビフォア・クリスマス」93などや、ストーリー・アーティストとして「トイ・ストーリー」95、「カンフー・パンダ」08、「アナと雪の女王」13などに携わる。監督としても、デビュー作「スピリット」02がカンヌ国際映画祭でカメラドールの候補となったほか、「シュレック2」04、「スマーフ スマーフェットと秘密の大冒険」17などを手掛けた。 スチュアート・コーンフェルド氏(米/映画プロデューサー) 6月26日、がんのため死去。67歳。アメリカ映画協会(AFI)で学び、ワークショップで知り合ったアン・バンクロフトから夫メル・ブルックスを紹介され、「メル・ブルックス/新サイコ」77のアシスタントに。「イライザーヘッド」77に感銘を受けブルックスにデイヴィッド・リンチを推薦し、「エレファント・マン」80でともに製作に携わったほか、「ザ・フライ」86、「KAFKA/迷宮の悪夢」91などを手掛ける。99年にベン・スティラーと“Red Hour Films”を設立し、「ズーランダー」01、「ドッジボール」04、「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」08、「LIFE!/ライフ」13などを製作。13年に『バーニング・ラブ』12‐13でエミー賞候補となるなどTVでも活躍した。 タリン・パワーさん(米/女優) 6月26日、白血病のため死去。66歳。タイロン・パワーとリンダ・クリスチャンの娘として生まれ、幼少期を主にイタリアとスペインで過ごす。スペイン語の映画に出演後、「トラックス」76、サターン賞候補となった「シンドバッド虎の目大冒険」77や、TVにも出演した。 リンダ・クリスタルさん(アルゼンチン/女優) 6月27日に死去。89歳。アルゼンチンのブエノスアイレス生まれ。ウルグアイで育つも、13歳で両親が他界。50年代よりメキシコ映画界で始動し、「コマンチ族」56でアメリカ映画に進出。「休暇はパリで」58でゴールデン・グローブ賞有望若手女優賞を受賞したほか、「クレオパトラ」59、「アラモ」60、「馬上の二人」61、「マジェスティック」74などに出演。TVも、主人公の妻にふんした西部劇『ハイ・シャパテル』67‐71で67年にゴールデン・グローブ賞を受賞、68、71年にエミー賞候補となるなど活躍した。 于藍さん(ユイ・ラン/中/女優) 6月28日に死去。99歳。38年に延安抗日軍政大学に入り、舞台で始動。東北文工団を経て東北映画製作所に所属し、「白衣戦士」49で映画主演デビュー。「革命家庭」61でモスクワ国際映画祭最優秀女優賞を受賞したほか、「林家舗子」59、革命文学の傑作とされ現在も読み継がれる『紅岩』が原作の「烈火中永生(不屈の人びと)」65などで活躍。文化大革命中は夫で俳優の田方と厳しい弾圧を受け、夫は強制収容所で病死。その後、81年より北京児童映画製作所の初代所長を務め、96年には次男の田壮壮監督とともに来日し、福岡市総合図書館で開催された上映会で講演した。 ジョニー・マンデル氏(米/作曲家、編曲家) 6月29日、心疾患のため死去。94歳。ジュリアード音楽院などで学び、40年代よりトランペットやトロンボーン奏者として始動。ジャズ・アーティストらの編曲やソングライターへと活動の場を広げ、アンドレ・プレヴィンの薦めで手掛けた「私は死にたくない」58でグラミー賞初候補に。「いそしぎ」65の主題歌〈The Shadow Of Your Smile〉でアカデミー賞歌曲賞とグラミー賞最優秀楽曲賞を受賞。「殺しの逢びき」66の〈A Time for Love〉もアカデミー賞候補に。他に、後のTV版でも主題歌に使用された「M★A★S★H マッシュ」70の〈Suicide is Painless〉や、「さらば冬のかもめ」73、「フリーキー・フライデー」76、「チャンス」79、「評決」82など数々の映画音楽や、『別れの時』87などエミー賞で3度候補となるなどTVでも活躍。ナタリー・コール&ナット・キング・コール〈Unforgettable〉の編曲などでグラミー賞も計5度受賞した。 カール・ライナー氏(米/俳優、映画監督) 6月29日に死去。98歳。ロブ・ライナーの父。第二次大戦で陸軍に従軍後、ブロードウェイで始動。アメリカのTV黎明期より、シド・シーザーの“Your Show of Shows”50‐54、57、58年にエミー賞を受賞した“Caesar’s Hour”54‐57などに出演・脚本も手掛けて頭角を現し、自身の脚本家としての経験をモチーフにしたコメディ“The Dick Van Dyke Show”61‐66で62~66年まで連続でエミー賞を受賞。その間、メル・ブルックスと組み、“The 2000 Year Old Man”と銘打つコントを50年代よりライヴや録音で披露し、99年にグラミー賞を受賞。俳優としても、95年に『あなたにムチュー』92‐19でエミー賞を受賞したほか、『アリー・myラブ』97‐02、『ボストン・リーガル』04‐08、『Dr. HOUSE』04‐12などTVドラマ、往年の天才詐欺師にふんした「オーシャンズ」シリーズ三部作や、「おかしなおかしなおかしな世界」63、「アメリカ上陸作戦」66、「トイ・ストーリー4」19(声)などに出演。監督としても、スティーヴ・マーティンと組んだ「天国から落ちた男」79、「2つの頭脳を持つ男」83や、「オー!ゴッド」77、「マージョリーの告白」90など手腕を発揮した。 ダン・ヒックス氏(米/俳優) 6月30日に死去。68歳。「死霊のはらわたⅡ」87、「ダークマン」90、「スパイダーマン2」04、「オズ はじまりの戦い」13などサム・ライミ監督作品のほか、「処刑!血のしたたり」88、「マニアック・コップ」88などに出演した。  
  •   毎月リリースされる未公開、単館系作品の中から、「観たら必ず誰かに教えたくなる」作品を厳選してご紹介。劇場で見逃した作品や隠れた名作が多く並ぶレンタル店だからこそ出会える良作、小規模公開でありながら傑作といった、様々な掘り出し映画との出会いを映画専門家レビューと共に提供します!     ひとつも解けない死の脱出ゲーム 映画『エスケープ・ルーム』 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントより6月3日リリース (C) 2019 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved. 映画『エスケープ・ルーム』あらすじ シカゴのオフィス街のとある高層ビルに集まった、互いに見知らぬ6 人の男女。彼らは謎のゲームマスターの求めに応じ、賞金1万ドルの体験型脱出ゲームへ参加するが、それは自らの生死を賭けた邪悪なゲームと化していく。   映画『エスケープ・ルーム』映画専門家レビュー とにかく謎解きが難しすぎて、ただアワアワしながら見守るしかない脱出ゲーム。脱出すべき部屋は灼熱、極寒、逆さなど、どれも知力・体力・精神力が試される難問揃い。低予算で作れるこのジャンルの作品とは思えない“お金かかってる”感のある造形も◎。挑戦する6人も、数学の天才からただのヘタレの飲んだくれまで多種多彩で、皆が割とイイヤツなので、話が進むにつれ次は誰かが犠牲に……というお約束の展開を想像すると胃がキリキリ。しかしこれで賞金が1万ドルって、いくら何でも安すぎる!     良くも悪くも子は親を選べない…… 映画『グッド・シリアルキラー』 アルバトロスより6月3日リリース Copyright (C) 2019 BRIGHT MOON ENTERTAINMENT, LLC All Rights Reserved. 映画『グッド・シリアルキラー』あらすじ 高校でソーシャルワーカーとして働くエヴァン。善き家庭を築こうとするが、産まれたばかりの息子と妻を労わるうちに、自身のストレスと過去のトラウマによって虐待に苦しむ生徒の親たちを拉致し、次々に殺害していく……。   映画『グッド・シリアルキラー』映画専門家レビュー 子供を虐待する、死んで当然な毒親たちを成敗するぞ(怒)!! みたいなノリでいくのかと思いきや、まったく真逆の重苦しい主人公。そこに救いがあればまだしも、死体もどんどん見つかって警察の包囲網は狭まり、信頼していた生徒からは「オヤジを殺しただろ!?」と責められ苦悩は深まるばかり。愛する妻にも正体を疑われ完全に四面楚歌、というところで話が大転換。まさかのラストに着地して、あ、そういう話だったのねと納得。続篇もありかなと思うけど、次はもっと上手に殺ろうぜ、と言いたい。     地獄のダンスを最後まで 映画『CLIMAX クライマックス』 キノフィルムズ、木下グループ/ハピネット・メディアマーケティングより6月3日リリース (C) 2018 RECTANGLE PRODUCTIONS-WILD BUNCH-LES CINEMAS DE LA ZONE-ESKWAD-KNM-ARTE FRANCE CINEMA-ARTEMIS PRODUCTIONS  映画『CLIMAX クライマックス』あらすじ 1996 年のある夜、人里離れた廃墟に集まり、リハーサル後の打ち上げパーティを始めた22 人のダンサーたち。浴びるように酒を飲む彼らは、知らずにLSD が混入している酒を飲んで、トランス状態へと堕ちていく。   映画『CLIMAX クライマックス』映画専門家レビュー 疲れも他所に、キレッキレのダンスを魅せるダンサーたちの一体感には冒頭から感動。そしてLSD入りのサングリアで見事に堕ちていく彼らの協調性といったら。性的欲求に駆られ、自傷行為を始め、薬を入れた犯人をでっちあげての拷問など、常識逸脱の動物的本能がネオンに光り輝く地獄絵図。96年は携帯もなく(拡散されなくて良かった)、そこは助けも呼べない孤島。地獄のダンスを繰り広げる若者たちは、得体のしれない“毒”に侵される我々の姿でもあるのかもと思うと、易々踊ってもいられない。       民族対立をユーモアで切り抜けろ! 映画『テルアビブ・オン・ファイア』 アット エンタテインメントより6月3日リリース (C)  Samsa Film TS Productions Lama Films Films From There Artémis Productions C623 映画『テルアビブ・オン・ファイア』あらすじ 人気ドラマの制作現場で働くパレスチナ人青年サラーム。ある日検問所でイスラエル軍司令官アッシと知り合うが、その後ドラマの結末をめぐり、アッシとパレスチナ制作陣の板挟みに。窮地に立たされた彼が出した答えは……。   映画『テルアビブ・オン・ファイア』映画専門家レビュー 第3次中東戦争前夜を舞台にした人気ドラマ『テルアビブ・オン・ファイア』。その筋書きをめぐる応酬が、脚本家見習いのパレスチナ人青年とイスラエル軍司令官の間で繰り広げられます。懸案事項である、イスラエル将軍とパレスチナ美女スパイの結婚がどうなるか、ヒヤヒヤしつつ、なぜかワクワク。よりによってアラブとユダヤの対立をコメディに昇華させるなんて。「ライフ・イズ・ビューティフル」もそうですが、これを観ると、ユーモアを持ち込めない場所などないのでは、と脱帽です!     中国メガヒットの大火災パニック! 映画『ブレイブ 大都市焼失』 インターフィルムより6月3日リリース 2019 Bona Entertainment Company Limited. Asia Pacific China( Beijing) Film Co., Ltd. Columbia Pictures Film Production Asia Limited. 映画『ブレイブ 大都市焼失』あらすじ 消防隊長だったものの、ある火災で部下を死なせてしまったリーウェイ。それが原因で降格を余儀なくされて失意の日々を送る中、巨大石油コンビナートで火災が発生する。現場に急行し、危険を顧みずに消火にあたるが……。   映画『ブレイブ 大都市焼失』映画専門家レビュー 中国の巨大石油コンビナートが大火災に! 次々とタンクが吹っ飛び、油が流れ込んだ海面は文字通り“火の海”になり、爆炎で吹き上がったマンホールの蓋がビュンビュン飛んでくるという凄まじい描写の応酬にヒートアップするのみ。おまけに主人公の妻と息子がパニックに陥った市街地で離れ離れになってしまうという、二段構えのスリルも用意されていてダレる瞬間なんぞ皆無。隊員たちの絆をめぐるドラマも、いちいち濃厚な浪花節になっていてさらにアガる。中国で記録的ヒットとなったのも頷ける!   エル・ファニングの“スタア”誕生 映画『ティーンスピリット』 KADOKAWAより6月5日リリース (C) 2018 VIOLET DREAMS LIMITED. 映画『ティーンスピリット』あらすじ イギリスのワイト島で暮らす内気な17 歳のヴァイオレットは、いつか歌手になることを夢見ていた。ある日、彼女は島で行われる「ティーンスピリット」という公開オーディション番組の予選に出場することを決意する。   映画『ティーンスピリット』映画専門家レビュー ある歌手の“スター誕生”の秘話を垣間見た気にさせてくれる物語。エル・ファニングにしか務まらないであろう芯の通った歌声、着飾らなくても輝くビジュアル素材。劇中で歌唱する「Lights」と「Don't Kill My Vibe」には特に感銘を受ける。強い想いを持て余していた彼女の開花は凄まじく、運すらも味方につけて最終審査まで勝ち進む様には運命をも感じさせる。自分が何者かをわかっている者は何があっても決して崩れることはない、という夢と自己実現への強さをエルが体現してくれた。   ■前回の誰シネはこちらから
  • ネットフリックスをはじめ各種ストリーミング配信サービスの存在感が日々高まっているなか、そこではいったい 何が起こっているのか?そして私たち映画ファンは、配信作品とどのように向き合うべきだろうか?長年映画を見続けながら配信にも親しんできた 3人に自由に語っていただいた。 ネット配信の複雑な現状   ─ ネットフリックスをはじめとする配信サービスが花盛りですが、皆さんはどのように見られていますか?    村山 正直言って、配信の全体像って把握できないですよね?そもそも数が多すぎるし、ネットフリックスにあると思っていたらある日突然消えて、今度はアマゾンで見れるようになる、そういう流浪の作品もある。 長谷川 ユーザーの嗜好に応じたリコメンド機能があるといっても、すでに見た作品に近いものしか出てこないし、 何がどの配信プラットフォームで見られるのかを教えてくれるメディアもない状況ですもんね。それこそ、伝聞や噂話を頼りに雲を摑むようなやり方で辿り着くっていう。 宇野 しかもプラットフォームが替わると、タイトルすら替わる場合もありますからね。例えばスターチャンネルで『キング・オブ・メディア』として放送されていたドラマが『サクセッション』とタイトルを変えてアマゾンで配信されたり。初見の人はこんがらがるでしょう。 『サクセッション』(別題『キング・オブ・メディア』)HBO製作の社会派コメディ・ドラマシリーズ。ニューヨークを舞台に、メディア王の醜い 後継者争いと会社の行く末が描かれる。Amazon Prime Videoチャンネル「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」で配信中©2019 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO ©and related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc.   村山 あと、いわゆる「Netflix オリジナル」とは何か?っていう問題がありますよね。画面上に「N」とい うロゴマーク付きで表示されるものはオリジナルという扱いなんだけど、その中には日本以外では普通に劇場公開されてる作品が結構ある。 宇野 「N」が付くか付かないかはネットフリックスが買い付けるときの条件の違いなんです。例えば日本で劇場公開された行定勲監督の「リバーズ・エッジ」( 18年劇場公開)は、海外では「Netflix オリジナル」作品として配信されている。 長谷川 要は「独占配信」ぐらいの意味なんですね。 宇野 「Netflix オリジナル」の「オリジナル」は、その国ごとの配信権を意味してるだけなんです。つまり「 Netflixオリジナル」になっている作品の中には、企画段階から関わっているもの、作品が完成した段階で買い付けているもの、そして、その国では劇場未公開という理由によって独占配信になってるものがある。当然、独占配信にはそのための契約が発生しているので、それをもってネットフリックスのお墨付き作品と言ってもいいわけですけど、同じ「Netflixオリジナル」でも、実際は3段階あることは理解しておいたほうがいいです。 村山 誤解されがちですけどネットフリックスは「ROMA/ローマ」(18年製作、Netflix で配信中)を完成してから買い付けたわけですよね。2017年に「最後の追跡」がアカデミー賞にノミネートされたときも、配信の作品がオスカー候補にと紹介されたりもしましたけど、 あれは日本で「Netflix オリジナル」扱いだっただけで、 海外では普通に劇場公開されてましたし。 宇野 ネットフリックスは、ピーター・バーグやマイケル・ベイみたいなエンタテインメント路線は普通のシーズンに出して、アカデミーやゴールデングローブなど賞狙いの作品は秋以降に固めるというのを露骨にやりますよね。投票権のある会員の記憶力は3カ月くらいしかもたないという前提に立った彼らの戦略が今のところ当たっているかたちです。 日本語データベースの問題   村山 配信と劇場公開の問題で言うと、たとえばピーター・ジャクソンの 映画「彼らは生きていた」(18年製作)は、 日本で劇場公開される前からアマゾンやYouTubeの配信で 普通に見ることができた、というようなことも起きていますよね。「ゼイ・シャ ル・ノット・グロウ・ オールド」とタイトルは違うんですが。 宇野「イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり」(19年製作)、少し前だと「タンジェリン」(17年製作)もそうでしたね。ずっとネットで見れてたんだけど今さら劇場公開?っていう滑稽な状況が続いています。 村山 観客側としては、見る窓口が増えたんだと好意的に捉えてはいますけどね。 宇野 今の混乱した状況はある種、過渡期なのかなと思います。そんな中もはや解決できそうにもないのが日本語によるデータベースの問題。我々はすでに外国の監督や俳優のフィルモグラフィーを日本語環境でまともに把握できなくて、海外サイトの IMDb(インターネット・ ムービー・データベース)とかに頼るしかない。日本語のウィキペディアとか情報が不完全過ぎてもはや害悪ですらある。 長谷川 大抵更新が3年ぐらい前で止まってますからね。 みんな途中で挫折して(笑)。 宇野 『ゲーム・オブ・スローンズ』(HBO製作のドラマ、Hulu 等で配信中)みたいなビッグタイトルはある 程度押さえられてるけど、それ以外のドラマは歯抜け状態だし、映画もどのメディアも配信作品をフォローしきれてない。例えばアダム・ドライヴァーについて「スター・ウォーズ」と「マリッジ・ストーリー」は見てても「ザ・レポート」( 19年製作の映画、日本ではAmazon プライム・ビデオで配信中)を見てる人はほどんどいない。その時点で、少なくともプロとしては現在の彼について語る資格がないはずなんですよ。でも、日本のメディアで「ザ・レポート」は取り上げられない。   「ザ・レポート」 Amazon Prime Videoにて独占配信中。 アダム・ドライヴァーを主演に迎え、9.11後にCIAがテロリストに行った拷問調査の公 表めぐる人々の攻防を描くスリラー映画。   長谷川 僕が主戦場にしている海外コメディ映画の分野では2000年代ぐらいから日本ではほとんどがDVDスルーになってしまって、多くの国内メディアから情報が消えてしまった。そういう状態がメインストリームの映画に及んでる危機感はあるかもしれない。 村山 やっぱり根底には作品数が多すぎるという問題がありますよ。 宇野 確かにそれはあるけれど、見られる以上、メディアの人間ならそこを追っかけないといけない。今のハリウッド映画を見ていると、『ブレイキング・バッド』 (2008〜 13年製作のドラマ、Netflix 等で配信中)やゲースロからスターになった人たちがいっぱい出ていて、 それを把握してないと楽しめない部分がある。“ゲースロでこういう役をやってる奴がこんな役をやってる”っ ていう文脈が確かにあるんです。ただでさえハードルのある外国映画が、それによってさらなるコンテクスト地獄に陥るというマイナス面もありますが。 長谷川 例えばリース・ウィザースプーンは映画界では落ち目で、「わたしに会うまでの1600キロ」(14年製作)のあとロクな作品に出てないと思われている。でも実は、いま彼女は配信TVドラマの女王なんです。 どの局でも主演作をやっていて、どれも成功させている。 そういう認識を持ってないと、今度リースが映画に出たときに彼女の立ち位置をまったく見誤ってしまうことになる。 宇野 監督や役者が旬なのか、そうでないのかという情報は絶対に必要ですよね。ジュリア・ロバーツとかも最近はあまり映画出てないから落ち目と思われているかもしれないけど......。 長谷川 むしろ盛り返してますよね(笑)。 宇野 若手だけじゃなく、ジュリア・ロバーツのような大女優ですら正確にキャリアが認識されてない状況が起こってる。   長谷川 あのジェーン・フォンダもここ数年、黄金期を迎えてます。ネットフリックスのドラマ『グレイス&フランキー』(15年〜)で国民的な人気を博して、ロバート・レッドフォードと共演した映画「夜が明けるまで」( 17年製作、Netflixで配信中)もある。アメリカでは中高年向けの作品づくりも配信で着々と進んでいるんです。   宇野 イーストウッドのような劇場映画しか撮らない存在だけを扱うならいざ知らず、普通に映画を語るなら配信作品を見なくちゃしょうがない。それがまぎれもない現実だと思います。 アダム・サンドラーという成功例  ─ アダム・サンドラーは今ネットフリックスで最も成功を収めているスターの一人ですが、彼の活躍についてはどのように考えますか 。 長谷川 映画で大コケしたのが3本ぐらい続いていたので、彼がネットフリックスに拠点を移したときは都落ちしたなと思っていました。そもそも、あまり作品にお金をかけないサンドラーが西部劇コメディの企画書を出したらメジャー映画会社3つぐらいから断られてしまった。そんな中、ネットフリックスはいきなり巨額のお金を出したんです。誰もが無謀だと思っていたけど、蓋を開けてみたらその作品「リディキュラス6」( 15年製作、Netflixで配信中)はそれまでのネットフリックスのコンテンツで一番視聴数を稼ぐほど大ヒットした。これは僕の仮説ですが、彼の映画が不入りだったのは、実は彼のファン層が歳を取って子育てや介護で忙しくて映画館に行かなかっただけなんじゃないか。そして、ネットフリックスはもしかしたら、 彼の人気が実際は落ちてないことをデータで摑んでたのではないか。   宇野 要するにソフトやレンタルで多く回ってたからってことですか?  長谷川 そうです。去年ジェニファー・アニストンと組んだ「マーダー・ミステリー」( 19年製作、Netflix で配信中)もすごい視聴数を稼ぎました。彼女は大人気 シットコム『フレンズ』(94~04年放映)で注目されたあと映画に進出していたけど、昨年アップルTV+の、これまたウィザースプーンが関わってる『ザ・モーニ ングショー』でドラマに帰ってきた。彼女のような中年の俳優たちがサンドラーから学んで、こっちに行ったほうがいいんじゃないかと考えた可能性はある。昨年 エディ・マーフィがネットフリックスで「ルディ・レ イ・ムーア」を製作したのも、そういった流れなのかなと思います。エディのファン層はサンドラー以上に年寄りが多いはずなので(笑)。それから「マイヤー ウィッツ家の人々(改訂版)」(17年製作、Netflixで配信中)でノア・バームバックとネットフリックスを結び付けたこともサンドラー効果と言えるかもしれない。 宇野 「アンカット・ダイヤモンド」(19年製作、Netflixで配信中)もありますね。 Netflix映画『アンカット・ダイヤモンド』独占配信中。米インディーズの気鋭ジョシュ&ベニー・サフディ兄弟監督が、アダム・サンドラーを主演に迎えたクライムドラマ。 長谷川 そう! それもサンドラー効果ですよ。  宇野 監督のサフディ兄弟は近年ニューヨークから出てきたインディー監督では断トツで尖ってる存在で、前作「グッド・タイム」(17年製作)も強烈でした。そのときに騒いだのが当時まだ恋人同士だったセレーナ・ゴメス とR&B界の人気スター、ザ・ウィークエンドだった。 とくにセレーナは全然自分は映画に関与してないのにロサンゼルスで試写会を開いたりするほどで、その流れで 「アンカット・ダイヤモンド」にはザ・ウィークエンドが本人役で出てる。 長谷川 (劇中の時代設定である)2012年当時の本人役なのがおかしいですよね(笑)。 宇野 この映画のスコアは「グッド・タイム」と同様、 ゴリゴリの前衛電子音楽家OPN(ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー)が手掛けてて、彼はウィークエンドの新作アルバム『アフター・アワーズ』もプロデュースしてる。もちろんタイトルはスコセッシの映画から取ってるわけで、サフディ兄弟も21世紀のスコセッシみたいな存在であり、サンドラーの要素もあり、色々なものが合体して、なおかつ奇跡的にすごい映画になってるウルトラ重要作が「アンカット・ダイヤモンド」。 ひとつ残念なのが、あまりにも音がすごいので、これこそ映画館の音響で見たかった。  村山「アイリッシュマン」とか「キング」(ともに19年製作、Netflixで配信中)とか、最近ネットフリックスの作品が相次いで日本でも劇場公開されましたけど、「アンカット・ダイヤモンド」はなんでされなかったんでしょう?  宇野 あれはアメリカで普通に劇場公開されてるからなんですよ。「アイリッシュマン」とかは、基本ネットフリックスで配信するものを限定公開するという条件で複数作品のパッケージで販売されてるんです。  村山 劇場配給権を別に買わないと日本では公開できないってことですね。  宇野 そもそも「アンカット・ダイヤモンド」は日本を含む複数国では最初から「Netflix オリジナル」前提で、マーケットにも出てないはずです。製作はA24なんですけどね。  村山 「アンカット・ダイヤモンド」でちょっと不思議 だったのは、ネットフリックスが珍しく邦題っぽい邦題をつけましたよね。原題は「Uncut Gems(原石)」で、 宝石は出てくるけどダイヤではない。 宇野 オパールですよね(笑)。 村山 日本人にわかりやすいように敢えてタイトルで嘘をついてるパターンですよね(笑)。  長谷川 どうせなら「狼たちの○○」みたいなニューシネマっぽいタイトルにすれば、もっと見るべき人に届きそうな気がしますね。 ソダーバーグの苦闘と配信の未来 村山 作品を見るべき人に届けるということで言えば、スティーヴン・ソダーバーグも自分の企画がリス キーだからと言われて映画会社に通らないこととの戦いをずっとしてましたよね。以前「フル・フロンタル」(02年製作の映画)で取材したときに、「これからは映写がデジタルになるから、俺は作品をハードディスクに完パケして、そのまま衛星回線で世界中の映画館のサーバーに流すんだ」と言っていたことを思い出します。   長谷川 ああ、結構いい線いってたんですね(笑)。 村山 その後スパイク・ジョーンズやデイヴィッド・ フィンチャーらと組んで優先的に面白い中小規模の企画を流すからと映画会社と専属契約をしようと試みたんですけど、それもポシャっちゃった。それでもう映画界では自分の企画が通らないということで2013 年以降、一時的にTVに活躍の場を移しましたよね。 最近は「ザ・ランドロマット -パナマ文書流出- 」(19年製作、Netflix で配信中)をはじめ、配信のおかげでようやく彼がやりたい企画を撮れる土壌が出来つつある気がします。 宇野 彼が「ローガン・ラッキー」(17年製作)で劇場映画に復帰したのも、作品の権利を持った上で売り込むスタイルを構築できたからだと言ってましたよね。 村山 全米配給のための会社(フィンガープリント・リリーシング)を自分で作ったんですよね。 宇野 映画とTVの間でふらふらしてるように見えて全部一貫してる。 長谷川 それに絡めると、ロバート・ロドリゲスも自分でカメラを担いで撮る人ですけど、彼はアメリカでCSチャンネル(エル・レイ・ネットワーク)を持ってるんですよね。 山・宇野 ええ!そうなんだ。  長谷川 「フロム・ダスク・ティル・ドーン」のドラマ版( 年製作)はそこが最初のオンエア局で、ほかには 自分がインスパイアされたB級映画ばかり放映してる。 テキサスで小さな王国を作ってるんですよ。そういう人って増えてきてるのかなと思いますね。  宇野 タランティーノがロサンゼルスにフィルム上映専用の映画館を運営してるのもそうですね。作り手も大資本に任せるんじゃなくて、最終的なアウトプットまで自分で回路を作る流れが生まれてる。音楽はとっくの昔にそうなってたけど、映画もそれにどんどん近づいてきてますよね。  村山 でも、全体的な状況で言うと、配信はいっときほどインディーズのパラダイスではなくなってきてますよね。メジャーでは難しい企画や見られる機会の少ない映画を救ってくれた功績は確かにありますが。 長谷川 たぶん中規模以下の映画にとっては“いま”が 黄金時代ですよね。  村山 それも終わりかかってる気はします。  宇野 昨年末から今年にかけてディズニープラスとHBOマックス、ピーコックが始まり、ネットフリックスやアマゾンの包囲網が出来てきている……。 長谷川 HBOはワーナー系、ピーコックはユニバーサル系。大手がそれぞれ配信プラットフォームを立ち上げてライバル関係になってくると、金勘定にシビアになって、映画より安上がりなリアリティ・ショーやドキュメンタリーに流れていく可能性はありますよね。 宇野 ネットフリックスはこれまで賞狙いの作品と中規模のエンターテインメント作品、そしてローカル・ コンテンツを製作してきた。中でもローカル・コンテンツが重要で、それがほかのストリーミング・サービスとは一番違うところだと思う。今後も賞狙いとローカル・ コンテンツは継続していくだろうけど、有名監督が自由に撮ってきた中規模作品にしわ寄せがくる予感がします。将来的に振り返ったときに、“いま”がいい時代だったなとなりかねない。 映画館で公開されるもの="映画"ではない   宇野 最近、ネットフリックスで国内の人気作品のラ ンキングが見れるようになりましたよね。あれを見て愕然としたんですが、上位は『テラスハウス』以外ほぼアニメ。海外の映画やドラマを比較的見そうな層が契約してるネットフリックスですらこれなのかと。  村山 僕は逆に、映画とかドラマに本来そんなに興味がない人まで加入した結果であって、ネットフリックスは日本に定着したんだとも思いました。でも、多くの人が映画館で公開されるものだけが映画だと思い込もうとしてるけど、もはやその垣根ってナンセンスですよね。 長谷川 ハリウッドもそうだし、あとカンヌも思い込もうとしてますね(笑)。  宇野 最初にも話したように、現実として海外で劇場公開されてる作品もあって、内容的にはまったく差がない。ただただローカルの問題でしかないのに。  村山 良くも悪くもかも知れませんが、映画はこういうものだという固定概念を配信という存在が変えてくれているとは思います。 長谷川 でもそうやって垣根がなくなって、気合の入った作品というか、緊張を強いる作品が増えてくると、逆に息抜きのような作品も欲しくなりますよね。 僕はそんなときはフード系のドキュメンタリーばっかり見ちゃう(笑)。  村山 『タコスのすべて』 (19年製作、Netflix で配信中)っ て見てます? 長谷川 大好きです! 村山 あれ最高ですよね! 宇野 ロックダウン下のアメリカでは『タイガーキング:ブリーダーは虎より強者 』(20年製作、Netflix で配信中)ってドキュメンタリーが話題になってます。これが面白いんですよ! ─ ネットフリックスは秀逸なドキュメンタリーも多いですよね。 まだまだ話題は尽きないところですが、そのあたりはまたの機会 にぜひ詳しく。ありがとうございました! 取材・構成:常川拓也 長谷川町蔵 はせがわ・まちぞう/文筆家。映画や音楽についての評論 やコラム、小説執筆など、幅広く活躍中。近著に『文化系の ためのヒップホップ入門3』(大和田俊之との共著)。 宇野維正 うの・これまさ/映画・音楽ジャーナリスト。リアルサウンド映 画部アドバイザー。著書に『1998年の宇多田ヒカル』『小沢 健二の帰還』『2010s』(田中宗一郎との共著)など。  村山章 むらやま・あきら/映画ライター。新聞、雑誌、ウェブなどに映 画レビューやインタビュー記事等を執筆。配信系作品をレ ビューするサイト「ShortCuts」の代表も務める。 
  • オリジナル映画からドラマシリーズ、バラエティショーまで、膨大かつさまざまなコンテンツが楽しめるネット配信。その中で “ 映画ファン” が楽しめる作品にはどんなものがあるのか? その答えに近づくべく、映画のプロであり、映画ファンの代表とも言える評論家、ライター、ジャーナリストの方々におすすめの作品を聞いてみました。 ◉作品リストの後ろの( )内は 2020年4月時点での配信プラットフォームです。リストの1~5は便宜上のもので、基本的に序列はありません。  映画ライター 常川拓也おすすめの5本 1:ユニークライフ(Netflix) ※シリーズ 2:セックス・エデュケーション(Netflix) ※シリーズ 3:ノット・オーケー(Netflix) ※シリーズ 4:アンビリーバブル たった 1 つの真実(Netflix) ※シリーズ 5: 同じ遺伝子の 3 人の他人(別題:まったく同じ 3 人の他人) (Amazon プライム・ビデオ)  Netflixオリジナルシリーズ『ユニークライフ』独占配信中 スティーヴン・キングやジョン・ヒューズが築いた学園青春ものの伝統を踏まえた上で、多様な 人種やセクシャリティを持つキャラクターを意欲 的に盛り込むことで、既存のステレオタイプやパラダイムを変革し、クィアを祝福する包括的なドラマを中心に選んだ(順不同)。ジェニファー・ジェイソン・リー製作の1は、軽視されがちだが、ノア・バームバックが元妻である彼女との体験を基にした「マリッジ・ストーリー」と少なくとも同等に評価されるべき。パンセクシャルやアセクシャルをも明確に照射するセックスポジティブな 2、クィア版「キャリー」な3。4は「童貞。をプロデュース」の性的暴行の告発を考える上でも必見の現代の最重要フェミニズム・ドラマ。   映画批評/編集者 降矢聡おすすめの5本 1:ブリタニー・ランズ・ア・マラソン(Amazon プライム・ビデオ) 2:ハイ・フライング・バード-目指せバスケの頂点-(Netflix) 3:マーダー・ミステリー(Netflix) 4:風の向こうへ(Netflix) 5:ホールド・ザ・ダーク そこにある闇(Netflix)  Amazon Prime Videoにて「ブリタニー・ランズ・ア・マラソン」独占配信中 オーソン・ウェルズの未完の遺作「風の向こうへ」がネットフリックスによってまさか完成されようとは。まさか、といえば配信作品でのアダム・サンドラーの目覚ましい活躍もそうだ。「マーダー・ミステリー」のようなサスペンスコメディはなにより演者の魅力にかかっている。であれば、 嫌な人物を魅力的に演じるというコメディ俳優の真骨頂「ブリタニー・ランズ・ア・マラソン」もオススメ。若手の有望株ジェレミー・ソルニエによるストイックな最新作「ホールド・ザ・ダーク そこにある闇」やスティーヴン・ソダーバーグの インディ精神溢れる「ハイ・フライング・バード- 目指せバスケの頂点 - 」も配信だからこそ可能となった映画だろう。    映画評論家 真魚八重子おすすめの5本 1:コミンスキー・メソッド(Netflix) ※シリーズ 2:バリー(Amazon プライム・ビデオ)※シリーズ 3:FYRE:夢に終わった史上最高のパーティー (Netflix) 4:アンカット・ダイヤモンド(Netflix) 5:マインドハンター(Netflix) ※シリーズ Netflixオリジナルシリーズ『コミンスキー・メソッド』独占配信中   『コミンスキー・メソッド』におけるマイケル・ ダグラスの軽妙さ。年齢に対する悲嘆をこめた自 虐的な目線と、それでも喜びがある挿話が楽しい。『バリー』も同じく演劇教室が舞台という偶然。 本作ではビル・ヘイダーの繊細な演技に泣かされる。バリーの心に、かすかなさざ波が立つ瞬間のドラマティックさに胸が突かれる。そして 「 FYRE~」の逃れ難い悪夢っぷり。どうにも止まらない暴走機関車のような悲劇に、黒い笑いを越えて鳥肌が立つ。「アンカット・ダイヤモンド」は作品も素晴らしいし、サフディ兄弟の新作が配信で観られる簡易さが嬉しい。気軽に観る視聴者によってファンも増えるかもしれないので。『マインドハンター』はルックが好み。 映画評論家 森直人おすすめの5本 1:FYRE:夢に終わった史上最高のパーティー (Netflix) 2:ザ・ダート:モトリー・クルー自伝(Netflix) 3:ルディ・レイ・ムーア(Netflix) 4:全裸監督(Netflix) ※シリーズ 5:チェルノブイリ(Amazon プライム・ビデオほか)※シリーズ 「FYRE:夢に終わった史上最高のパーティー」 Netflix映画『FYRE: 夢に終わった史上最高のパーティー』独占配信中 ネットフリックスのオリジナルドキュメンタリーが大好きで、つまみ食いの感覚でいろんな作品を日々鑑賞しています。本稿では最近の代表1本として怪作の類いをレコメンド。「 FYRE~」は悪名高き音楽フェス計画の大失敗に至る顚末を追ったもので、これほど現代の空虚で埋まっている映像作品を他に知りません。マジで観ている間、溜め息しか出ない(笑)。こういう昔で言う“ビデオス ルー”的な掘り出し物こそが大好物です。残りの4本は有名タイトルばかりで恐縮。 HBOのドラマシリーズ『チェルノブイリ』は Amazonプライムで観たのでセレクトに加えました。思えば本当にここ1~2年で、配信専用作品か否かという区別をほとんど意識しなくなったのは自分でも驚きです   映画評論家 吉田伊知郎おすすめの5本 1:同じ遺伝子の3人の他人(別題:まったく同じ 3 人の他人) (Amazon プライム・ビデオ) 2:チャック・ノリス vs 共産主義(Netflix) 3:ロングショット(Netflix) 4:消えた 16mm フィルム(Netflix) 5:マーキュリー13 宇宙開発を支えた女性たち(Netflix)   映画「マーキュリ−13 宇宙開発を支えた女性たち」Netflixにて独占配信中 ドキュメンタリーに限定したが、「同じ遺伝子の3人の他人」はTIFFで「まったく同じ人の他人」の題で上映されたもので、生き別れの3つ子が偶然再会したことから有名人となる。信じがたい内容だがこれがすべて仕組まれたものだったことが明かされる後半の転調も凄い。「チャック・ノリス共産主義」は西側諸国の情報を遮られた国民が米国映画を密かに鑑賞する映画会を催す。映画で世界を知ったと語るのが感動的。「ロングショット」は冤罪を晴らすために意外な映像が登場し、「消えた16mmフィルム」は映画に取り憑かれた者の狂気に慄く。宇宙飛行士志望の女性たちを描いた「マーキュリー~」は「ドリーム」の裏面史的面白さあり。   映画批評・編集者 渡部幻おすすめの5本 1:アンカット・ダイヤモンド(Netflix) 2:サクセッション(別題:キング・オブ・メディア)(Amazonプライム・ビデオ)※シリーズ 3:DEUCE/ポルノストリートinNY(Amazonプライム・ビデオ)※シリーズ 4:ウエストワールド(Amazon プライム・ビデオ)※シリーズ 5:伝説の映画監督 - ハリウッドと第二次世界大戦 - ( N e t fl i x ) ※シリーズ   Amazon Prime Videoにて『ホームカミング』シーズン1~2を独占配信中 1の映像と音のうねりは劇場で観たかった。2はメディア王一族の継承争いを辛辣に描いて抜群。3の70~80 年代の街と性意識の変遷。4はビッグデータに管理され、自由が幻影となった世界の悪夢と革命。5 は映画ファン必見のドキュメンタリー。配信終了間近の「ベトナム戦争の記録:ケン・バーンズ&リン・ノービック 監督」(Netflix) の大胆な構成は圧倒的。さらにHBOの『ウォッチメン』『シャープ・オブジェクツ』『ザ・ナイト・オブ』 『TRUE DETECTIVE』『またの名をグレイス』 『チェルノブイリ』『ビッグ・リトル・ライズ』、それに『MR・ ROBOT/ミスター・ロボット』『ブラック・ミラー』の着想、構成、社会批評に興奮したが、有名作なので、加えて映画マニア向けの拾い物『ホームカミング』( Amazon) を。帰還兵収容施設をめぐる奇妙なミステリ。       ・今こそ見るべき!映画のプロ11人に聞く”私のおすすめ配信ムービー5本”【前篇】こちらから