「ローマの休日」モチーフの大佐が贈る平和のメッセージ「長崎の郵便配達」

「ローマの休日」のモチーフとされるタウンゼンド大佐が、長崎のスミテル少年に出会って生まれた物語を追うドキュメンタリー「長崎の郵便配達」が、8月5日(金)よりシネスイッチ銀座ほかで全国公開される。ビジュアル・場面写真・予告編が到着した。

 

 

始まりは1冊の本だった。著者のピーター・タウンゼンドは元英空軍の大佐にして英雄パイロットであり、退官後は英国王室に仕えた。そしてエリザベス女王の妹であるマーガレット王女と恋に落ちるも、周囲の猛反対で破局。この世紀の悲恋は世界中で話題を呼び、映画「ローマの休日」のモチーフになったともいわれる。その後、ジャーナリストとなった彼が長崎で出会ったのが谷口稜曄(スミテル)さんだった。16歳で郵便配達中に被爆し、生涯をかけて核廃絶を世界に訴え続けた谷口さんをタウンゼンド氏は取材。1984年に英米でノンフィクション小説「THE POSTMAN OF NAGASAKI」を出版する。

本作は、タウンゼンド氏の娘で女優のイザベル・タウンゼンドさんが、父親の著書を頼りに長崎でその足跡を辿り、父と谷口さんの想いを紐解いていくドキュメンタリーだ。

川瀬美香監督は、出版について相談してきた谷口さんのニューヨーク講演を聞いたり、父の意志を受け継ぎたいと願うイザベルさんと出会ったことで、映画の制作を決心した。2017年、谷口さんが突然帰らぬ人となり、プロジェクトは中断しかけたが、奇跡的にタウンゼンド氏の取材テープを発見。天のふたりに導かれるように歩みを進めていった。平和の願いを“配達”してほしい。父から娘へのメッセージが今、人々に届く。

 

 

予告編では、英国王女との恋が世界中で報じられた1950年代当時や、その後ジャーナリストとなったピーター・タウンゼンド氏の姿、ニューヨークの国連本部でスピーチをする谷口稜曄さんの姿が映し出される。そして2018年8月、長崎を訪れたイザベルさんが、父の著書をなぞり、時に父のボイスメモに耳を傾けながら、本に書かれた場所を巡っていく様子が続く。タウンゼンド氏と谷口さんの特別な友情、初めて知る父の姿、そして平和への願い。美しい長崎の風景の中、さまざまな人の想いと希望が感じられる。

ポスタービジュアルは、長崎の港町をバックに立つイザベルさんと、優しい眼差しで遠くを見つめるピーター・タウンゼンド氏、赤い郵便配達の自転車を引いた谷口稜曄少年のイメージが重なり、時代を超えた心の繋がりを感じさせる。そこに「1冊の本からはじまった、父の記憶を辿る旅。今、娘が受け取る、平和へのメッセージ。」というコピーが添えられた。

 

[caption id="attachment_12128" align="alignnone" width="850"] 長崎の街を巡るイザベルさん ©︎坂本肖美[/caption] [caption id="attachment_12129" align="alignnone" width="850"] 長崎のお盆の伝統行事である精霊流しで船を曳く谷口さん家族とイザベルさん ©︎The Postman from Nagasaki Film Partners[/caption] [caption id="attachment_12130" align="alignnone" width="850"] かつて父タウンゼンド氏の通訳をした人から話を聞くイザベルさん ©︎坂本肖美[/caption] [caption id="attachment_12131" align="alignnone" width="850"] ピーターさんと谷口さん ©︎The Postman from Nagasaki Film Partners[/caption] [caption id="attachment_12132" align="alignnone" width="590"] タウンゼンド親子 ©︎The Postman from Nagasaki Film Partners[/caption]

 

「長崎の郵便配達」

監督・撮影:川瀬美香 構成・編集:大重裕二 音楽:明星/Akeboshi
エグゼクティブ・プロデューサー:柄澤哲夫 プロデューサー:イザベル・タウンゼンド、高田明男、坂本光正 プロダクション・アシスタント:坂本肖美
企画制作:ART TRUE FILM 製作:長崎の郵便配達製作パートナーズ
出演:イザベル・タウンゼンド、谷口稜曄、ピーター・タウンゼンド
longride.jp/nagasaki-postman
2021年/日本/日本語・英語・仏語/97分/4K/カラー/2.0ch
日本語字幕:小川政弘 フランス語翻訳:松本卓也
配給:ロングライド
©The Postman from Nagasaki Film Partners

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