ポランスキー新作「オフィサー・アンド・スパイ」、黒沢清や町山智浩らがコメント
- ロマン・ポランスキー , オフィサー・アンド・スパイ , ルイ・ガレル , ジャン・デュジャルダン
- 2022年05月24日
19世紀フランスの冤罪事件“ドレフュス事件”をロマン・ポランスキー監督が映画化した「オフィサー・アンド・スパイ」が、6月3日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほかで全国公開。法廷闘争シーンの映像および、久米宏(フリーアナウンサー)、黒沢清(映画監督)、橋本五郎(読売新聞特別編集委員)、町山智浩(映画評論家)のコメントが到着した。
スパイ容疑で終身刑となったユダヤ系の陸軍大尉ドレフュス(ルイ・ガレル)。その無実を裏づける衝撃の真実を知ったピカール中佐(ジャン・デュジャルダン)が、あらゆる手段で隠蔽を謀る国家権力に抗い、大逆転に挑む姿を描く「オフィサー・アンド・スパイ」。
到着映像は、事件をめぐり名誉毀損で訴えられたエミール・ゾラの証人として法廷に立ったピカールを追う。腐敗した軍上層部の工作を毅然と暴き立て、「25年過ごした愛する軍を追われても、真実と正義を追求しようとした」と語るその姿に、ピカールの不屈の生き様が窺える。
各者コメントは以下の通り(五十音順、敬称略)
波瀾万丈の人生の終焉近くに
ロマン・ポランスキー氏は この歴史的冤罪事件にたどり着いた
さすがフランスでの大ヒット 俳優良し 衣装も素晴らしい
──久米宏(フリーアナウンサー)
まわりはみんな敵ばかり。国家権力の闇がいたるところにはびこる。こちらの手にあるのは、つぎはぎだらけの紙きれ一枚だけだ。どうやって戦う?そして、戦った先に何がある?ポリティカル・スリラーとはこうでなければならない。感服した。
──黒沢清(映画監督)
歴史は繰り返す。組織的隠蔽、命令への盲従、文書の改竄、組織の名誉を守るという大義……。それが冤罪を生む。しかし、希望を捨ててはならない。人間には良心と勇気があるのだ。
──橋本五郎(読売新聞特別編集委員)
ベル・エポックの絵画を再現した映像美に隠されたポランスキーの静かな怒り。フランスにはナチよりも前から反ユダヤ主義があり、レイシズムは今また大きなうねりとなり、大統領選で極右ルペンを躍進させている。これは過去のことでもフランスだけのことでもない。
──町山智浩(映画評論家)
▼写真クレジット
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▼作品クレジット
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