激動の中国30年に翻弄される者たち。ロウ・イエ監督「シャドウプレイ【完全版】」が公開!

 

激変する中国で運命に翻弄される者たちを描き、第69回ベルリン国際映画祭パノラマ部門に招待された名匠ロウ・イエ監督のクライムサスペンス「シャドウプレイ」(2018)が、検閲でカットされた計5分間のシーンを甦らせた【完全版】となって、1月20日(金)より新宿K’s cinema、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺他ほかで全国順次公開。40秒予告と場面写真が解禁された。

 

 

2013年、広州の再開発地区で立ち退き賠償をめぐって住民が暴動を起こした日、開発責任者のタンが屋上から転落死する。果たして事故か他殺か、若手刑事のヤンは捜査線に浮上した不動産開発会社の社長ジャンの過去を調べる中で、ジャンのビジネスパートナーだった台湾人アユンの失踪事件に行き当たる。転落死と失踪、2つの事件を生んだ愛憎は、ジャンとタン、そしてタンの妻となるリンが出会った1989年に始まっていた……。

天安門事件が起きた1989年を起点に、社会主義市場経済の推進により激変していく中国の30年間を、香港および台湾との離れがたい関係を見つめつつ、ある家族の姿を通して描く「シャドウプレイ」。日本では2019年の第20回東京フィルメックスで初上映され、このたび【完全版】となってスクリーンに戻ってくる。

そして、ロウ・イエ監督の妻であるマー・インリーが本作の裏側を撮ったメイキング映画「夢の裏側」も同時期に公開される。

 

ロウ・イエ監督コメント
この映画は、中国の改革開放の中で、個々人と家族がたどった運命の変遷を描いた物語です。脚本を書く段階から、当時の写真を探して収集しました。それらの写真は、我々が今日までどのように生き抜いてきたか、どんな暗闇を歩んできたか。そして欲望、富、嘘の代価をいかにして払ってきたのかを、常に思い出させます。本作はそれらの写真で始まります。そのうちの何枚かを終盤に使用出来たこともうれしく思います。私は、それらの写真に捉えられている瞬間と、そこに写っている人々を、この映画に投影させてようと試みました。なぜなら、彼らこそが歴史を作った人々であり、今を生きる我々に直接影響を与えているからです。同時に、それらの写真を撮影した人々にも敬意を表します。こうした記録が残っていなければ、我々は過去も歴史も持たない、正体不明の群衆になっていたでしょう。

 

        

 

「シャドウプレイ【完全版】」

監督:ロウ・イエ(婁燁)
出演:ジン・ボーラン(井柏然)、ソン・ジア(宋佳)、チン・ハオ(秦昊)、マー・スーチュン(馬思純)、チャン・ソンウェン(張頌文)、ミシェル・チェン(陳妍希)、エディソン・チャン(陳冠希)
2018年/中国/129分/北京語・広東語・台湾語/DCP/1.85:1
©DREAM FACTORY, Travis Wei
配給・宣伝:アップリンク