歌と能を愛して八十余年、強くて明晰でチャーミング。「幾春かけて老いゆかん 歌人馬場あき子の日々」

 

およそ一世紀にわたり、さまざまな〈滅び〉を繰り返す世の中を生きてきた歌人・馬場あき子。同氏の93歳から94歳にかけた1年を見つめ、〈老い〉と人生観に迫るドキュメンタリー「幾春かけて老いゆかん 歌人馬場あき子の日々」が、5月27日(土)より新宿K's cinemaほかで全国順次公開される。メインビジュアル、予告映像、語りを務める名優・國村隼のコメント動画が到着した。

 

 

少女時代から短歌に親しみ、19歳で短歌結社〈まひる野〉に入会した馬場あき子。以後、教員として戦後民主主義教育の現場にも身を置きながら、経済復興による創造と破壊や60年安保などを駆け抜け、うつろな豊かさに至るまでの日本を見つめて1万首以上の歌を詠んでいる。

歌への傾倒と同時に、『隅田川』を観たのをきっかけに能の喜多流にも入門。80過ぎまで自ら舞い、新作能も書き下ろしてきた。精力的に活動する一方、親、夫、そして歌や能の友たちは、一人また一人と先立っていく。今、馬場の胸に去来する思いとは……。

 

 

予告映像は、今もエネルギッシュな馬場あき子の日常を映し出す。老いとは、成熟とは何かを自ずと呈示する、その姿を見つめたい。

 

 

        

 

「幾春かけて老いゆかん 歌人馬場あき子の日々」

出演:馬場あき子 語り:國村隼 音楽:渡辺俊幸 監督:田代裕
製作・配給・宣伝:ヒッチハイク
2023年/日本/113分/ステレオ/16:9
©ヒッチハイク/FOR田代裕事務所
http://www.ikuharu-movie.com/