今こそ見るべき!映画のプロ11人に聞く”私のおすすめ配信ムービー5本”【前篇】
- Netflix , Amazon プライム・ビデオ , Hulu , Apple TV+ , ディズニーデラックス
- 2020年05月20日
オリジナル映画からドラマシリーズ、バラエティショーまで、膨大かつさまざまなコンテンツが楽しめるネット配信。その中で “ 映画ファン” が楽しめる作品にはどんなものがあるのか? その答えに近づくべく、映画のプロであり、映画ファンの代表とも言える評論家、ライター、ジャーナリストの方々におすすめの作品を聞いてみました。
◉作品リストの後ろの( )内は 2020年4月時点での配信プラットフォームです。リストの1~5は便宜上のもので、基本的に序列はありません。
在LA映画ライター 荻原順子おすすめの5本
1:ビリオンズ(Netflix)※シリーズ
2:ジ・アメリカンズ(Amazonプライム・ビデオ/Hulu)※シリーズ
3:バリー(Amazonプライム・ビデオ)※シリーズ
4:ブラック・ミラー(Netflix)※シリーズ
5:ロスト・マネー 偽りの報酬(Amazonプライム・ビデオほか)
「ロスト・マネー 偽りの報酬」
Amazonプライム・ビデオほかにてデジタル配信中 20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン
©2019 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.
『ビリオンズ』はニューヨークを舞台に政界とビジネス界に生きる男たちの容赦ない闘争を描き、 『ジ・アメリカンズ』は年代の米国に潜入したロシア人スパイ夫婦の暗躍を描いているが、両作とも登場人物像の掘り下げが深く、回を追うごとに面白さが倍増するところが凄い。俳優志望の殺し屋が主人公だという前代未聞な設定の30分枠ダークコメディ『バリー』は個性的な登場人物たちの言動に抱腹絶倒必至。『ブラック・ミラー』 は21世紀の『トワイライト・ゾーン』とでも呼びたくなる知性派SFファンタジー。「ロスト・マネー 偽りの報酬」は日本では劇場公開されなかったのが全く納得できない秀作なので、映画ファンにはネット配信で是非!観てもらいたい。
映画評論家 鬼塚大輔おすすめの5本
1:呪われた死霊館(Netflix)
2:ペッタ!(Netflix)
3:伝説の映画監督-ハリウッドと第二次世界大戦-(Netflix)※シリーズ
4:ルディ・レイ・ムーア(Netflix)
5:ELI/イーライ((Netflix)
「呪われた死霊館」 Netflix映画『呪われた死霊館』独占配信中
「ミッドサマー」のサプライズ・ヒットで注目を浴びるフローレンス・ピュー。彼女の新作が続けて公開延期となっている今、「呪われた死霊館」 に注目。インドの“スーパースター”、ラジニ・ カーントの新作「ペッタ!」もネトフリにあるぞ。 ラストがどうにも衝撃的。ホラー映画「ELI/イーライ」は、古今東西のホラー映画の闇鍋状態。 なんでも有りのクライマックスは、ツッコミを入れつつ楽しみたい。エディ・マーフィの「ルディ・レイ・ムーア」は「エド・ウッド」、「カメラを止めるな!」にも負けない“ 映画作り映画 ”の快作。ちょっと古めだが『伝説の映画監督-ハリウッドと第二次世界大戦- 』は映画ファン必見のドキュメンタリーだ。
映画評論家 小野寺系おすすめの5本
1:バスターのバラード(Netflix)
2:ベルベット・バズソー:血塗られたギャラリー(Netflix)
3:ボクらを見る目(Netflix)※シリーズ
4:ブラック・ミラー:バンダースナッチ(Netflix)
5:トゥカ&バーティ(Netflix)※シリーズ
『トゥカ&バーティー』 Netflixオリジナルシリーズ『トゥカ&バーティー』独占配信中
制作・配給で膨大なオリジナル作品を確保するネットフリックスから選出。コーエン兄弟の西部劇「バスターのバラード」や、ダン・ギルロイの皮肉な美術ホラー「ベルベット・バズソー」は映画館でも観たい傑作。『ボクらを見る目』は黒人少年の実話を4話構成で描くリミテッドシリーズで、「ブラック・ミラー:バンダースナッチ」は物語の展開を自分で選べる双方向映画。これらは配信ならではの自由な尺、そして仕組みが活かされた象徴的な作品だ。今年完結した名作アニメ『ボージャック・ホースマン』の製作者による、男性からの視線を排除し、女性の能動性を発揮した希有なアニメシリーズ『トゥカ&バーティー』 は、いまの時代を社会的な面から反映している。
映画ライター/ジャーナリスト 斉藤博昭おすすめの5本
1:スペンサー・コンフィデンシャル(Netflix)
2:Giri/Haji(Netflix)※シリーズ
3:ザ・レポート(Amazonプライム・ビデオ)
4:ROMA/ローマ完成までの道(Netflix)
5:ネバーランドにさよならを(Netflix)※シリーズ
「スペンサー・コンフィデンシャル」 Netflix映画『スペンサー・コンフィデンシャル』独占配信中
アクション系は、少なくとも初見は大きめスクリーンで体験したいけれど、ノリの良さがあればそこはこだわらなくていいと、P・バーグとM・ウォールバーグの最強コンビが教えてくれた「スペンサー~」。最高にハマリ役なこの主人公はシリーズ化を切望。『Giri/Haji』は海外目線の“なんちゃって日本”の匙加減がちょうどよくて感心。 あまりにリアルでも面白くないし、逆に勘違いで もしらけるわけで......。オスカー候補にもなって新作ラッシュのA・ドライヴァーの真髄を知る意味で「ザ・レポート」は必見。ネットフリックスはドキュメンタリーの宝庫で、とくに「ROMA/ ローマ」の舞台裏は、モノクロの本篇がカラーで別の味わいにシフトする不思議な感覚に酔った。
映画評論家 添野知生おすすめの5本
1:フォー・オール・マンカインド(Apple TV+)※シリーズ
2:ウォッチメン(Amazonプライム・ビデオ)※シリーズ
3:ウエストワールド(Amazonプライム・ビデオ)※シリーズ
4:マンドロリアン(ディズニーデラックス)※シリーズ
5:ラブ、デス&ロボット(Netflix)※シリーズ
『ウォッチメン』
Amazon Prime Videoチャンネル「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」で配信中
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全ジャンルから5本に絞るのは無理なのでSF縛りで。『フォー・オール・マンカインド』は、 ソ連が人類初の月着陸に成功したもう一つの宇宙開発史を描き、あり得たかもしれないより良い世界を模索したオルタナ・ヒストリーもの。『バトルスター・ギャラクティカ』のロナルド・D・ ムーア渾身の新作ですが、アップルTV+なので 知られていないのが残念。『ウォッチメン』『ウエストワールド』は共にHBO作品で、暴力と支配 のテーマをアメリカの原罪として暴き出したのが 共通点。『マンダロリアン』は年の輝きを取り 戻したスター・ウォーズ。『ラブ、デス&ロボット』は現代のアニメーションとSFがどれだけ多面的で多彩になっているかの見本市です。