佐藤愛子の人気エッセイを草笛光子主演で映画化した痛快作「九十歳。何がめでたい」

 

直木賞作家・佐藤愛子が90歳を迎えてヘトヘトになった自身の暮らしと世の中への怒り・戸惑いを綴ったエッセイ集『九十歳。何がめでたい』が、「老後の資金がありません!」の前田哲監督&草笛光子主演により映画化。2024年6月21日より全国公開される。

 

90歳の誕生日を迎え、撮影現場で祝われる草笛光子

 

物語は、作家生活を退いて来客もなく鬱々と過ごしていた佐藤愛子(草笛光子)に、冴えない中年編集者・橘高がエッセイの依頼を持ち込むところから始まる。ヤケクソで連載を始めると、「いちいちうるせえ!」と世の中への怒りを赤裸々に綴ったその内容は意図せず大反響を呼び、愛子の人生は90歳にして大きく変わっていくのだが……。

原作は2016年5月まで1年にわたり『女性セブン』に連載されたのち書籍化。98歳を迎えてますますヘトヘトになった日々を綴った続編『九十八歳。戦いやまず日は暮れず』と合わせ、167万部発行のベストセラーシリーズとなっている。

今年11月5日に100歳を迎える佐藤愛子と、10月22日に90歳となった草笛光子。めでたいタッグで、生きづらい現代社会を “一笑両断” する痛快エンタテインメントだ。

 

〈コメント〉

企画・プロデュース 岡田有正
2023年10月22日に90歳になられた松竹歌劇団出身の草笛光子さんが松竹の配給映画で初主演する。めでたい。今年は松竹で数々の名作を撮られた小津安二郎監督の生誕120年でもある。めでたい。前田哲監督と草笛光子さんとは映画「老後の資金がありません!」からのご縁で、また一緒に映画を作れるのは幸運でしかない。原作は佐藤愛子先生の「九十歳。何がめでたい」。佐藤先生はなんと今年100歳になられる現役作家!なんともめでたい!名だたる監督達に愛され、年齢を重ねるたびに魅力的になられる草笛光子さんの姿を再びスクリーンで見ることができる喜びたるや。いや、本当にめでたい!めでたい映画になる予感しかしない。今なお現役でチャレンジしている草笛光子さんの姿を、市川崑監督に見せたい。成瀬⺒喜男監督に見て貰いたい。叶わぬ願いではあるが、同時代に生きている我々は見ることができる。すばらしいスタッフと豪華キャストが集結してくれています。2024年6月21日のめでたい公開をお楽しみに。

佐藤愛子
草笛光子さんには50年ほど前に対談でお目にかかったことがあり、その際、お互い別れた夫の悪口を言って大いに盛り上がったのを覚えています。
今回、映画化にあたって、実に久し振りに二度お目にかかりましたが、相変わらずお綺麗で、私とはまるで違う。私はあんな上品じゃありませんからね。
この厄介な私を演じるなんて、大変だなァ、気の毒だなァと同情申し上げたい気持ちでいっぱいです。

九十歳を過ぎ、『晩鐘』という小説を書いた後は、もう私の胸の中にあるものを総ざらえで出し切ったと思って、毎日ぼんやり過ごしていたんですが、そんな時に女性セブンから連載エッセイの依頼がありました。
特に新しいことを考えて書いたわけでも、何か特別な思いを込めたものでもなく、相も変わらず憎まれ口を叩くという、そんな気分でしたかね。私はいつも自然体を心がけているだけです。

そんな『九十歳。何がめでたい』を原作にして、どんな妙ちくりんな作品が出来上がるのやらと楽しみにしています。

草笛光子
あっという間に90と言う数字が目の前にやってきました。
みなさんに「90歳おめでとうございます」と言われるので、私90歳?なんですよね?笑
毎日、老いと闘っていますが、90歳と闘ったら損。闘わないように受け入れて90歳を大事に生きてみようと思います。90歳は初めてで最後、大事な一年を大事に生きます。

そんな年に佐藤愛子先生を演じることになり、「まさか!とんでもないことになりました!」という想いです。
佐藤愛子先生の明快に物事をおっしゃる作品は、とても気持ちが良いと思っていましたので、そのリズムを軸にして演じたいと思っています。

いよいよクランクインを迎え、大変なことですが、私は私なりに正直に一生懸命やります。
大事に演じ大事に生きます。

前田哲監督
原作者の佐藤愛子先生は仰いました。
「エッセイなんて映画にならないわよ」
それが、映画になります。
だからこそ、面白いのです。
とてつもないヒストリーとパワーを持っておられる佐藤愛子先生と主演の草笛光子さんによる「悲しみを喜びに、苦しみを楽しみ」に変えてしまう、ハートならぬハードウォーミングな作品を作り上げたいと思います。
生きて苦あり、笑えば幸あり。満足感と幸福感に満たされる。老いを楽しみ、幸せに日々を生き抜くヒント満載の映画です。お楽しみにお待ちください。

 

原作者の佐藤愛子

 

「九十歳。何がめでたい」

監督:前田哲 出演:草笛光子
原作:佐藤愛子「九十歳。何がめでたい」「九十八歳。戦いやまず日は暮れず」(小学館刊)
製作幹事:TBS 配給:松竹
原作コピーライト:©佐藤愛子/小学館
映画コピーライト:©2024『九十歳。何がめでたい』製作委員会 ©佐藤愛子/小学館