吉永小百合&浜田光夫「純愛コンビ」 人気作5作初ブルーレイ化!

「大空に乾杯」

吉永小百合の【映画女優デビュー65周年記念企画】の一つとして、「吉永小百合 日活デビュー65周年記念ブルーレイ&DVDシリーズ 『青春と純愛』」と題し、彼女の代表作品が順次リリースされる。その第1弾として吉永小百合&浜田光夫の青春映画コンビが共演した、『純愛ブルーレイボックス』が発売された。

吉永はラジオドラマ『赤胴鈴之助』(57〜59年)の子役から芸能界に入り、59年に松竹映画「朝を呼ぶ口笛」で映画デビュー。翌60年、日活に入社して本格的に女優活動を始めた。今回は15歳で初主演を務めた「ガラスの中の少女」(60年)をはじめ、石坂洋次郎の『寒い朝』を映画化した「赤い蕾と白い花」(62年)、三島由紀夫の同名小説が原作の「潮騒」(64年)、日活時代の彼女にとって最大のヒット作になった感動作「愛と死をみつめて」(64年)、旅客機のCA(当時はスチュワーデス)に扮した「大空に乾杯」(66年)の5作品が収録されている。

 

「ガラスの中の少女」

吉永は日活専属だった時代に79本の映画に出演したが、そのうち40本以上で共演したのが浜田光夫。吉永と浜田は純愛コンビとして1960年代、日活の青春映画で中心的な存在だった。二人は「ガラスの中の少女」で初共演したが、吉永は著書『夢一途』の中で、《バンビのように涼やかな目をした、爽やかな少年だった》と浜田の第一印象を書いている。この作品で吉永は、実年齢と同じく高校に入学したての少女を演じていて、中学時代の同級生で今は小さな工場で働く浜田に、ほのかな思いを寄せる薄幸のヒロインを鮮烈に演じた。

 

「赤い蕾と白い花」

これで青春スターとして注目された彼女は浜田を相手役に、「赤い蕾と白い花」では互いの親を付き合わせようとする高校生を、「潮騒」では孤島を舞台に恋に落ちる海女と漁師を、「愛と死をみつめて」では難病に侵されたヒロインと彼女に寄り添う恋人を、「大空に乾杯」では新人CAと恋人の園芸大学の学生を演じ、絶妙のコンビぶりを披露した。

「潮騒」

収録された5作品は、吉永が15歳から19歳までの出演作で、女優として輝きを増していく彼女の魅力はもちろんだが、目を見張るのが浜田の達者な演技。吉永が演じるのは、自分の気持ちを相手にぶつけていくヒロインが多いが、その想いを受け止める浜田のぶれない在り様が、どの作品でも印象的。65周年企画に寄せたコメントで、吉永は《不器用な私の直球を巧みなインサイドワークで受け止めてくれた浜やん》と浜田のことを言っているが、浜田光夫という存在がいたからこそ、吉永も感情のままに生きる女性を演じられたことがよくわかる。

 

「愛と死をみつめて」

また今回のボックスには特典として、二人の共演作の予告篇を可能な限りHDリマスター映像で収録。その数は36本にも及び、他に特報映像が8本入っている。珍しいのは浜田が失明の危機に陥って、1年後に復帰した「君は恋人」(67年)の特報。吉永をはじめ、日活の仲間が撮影所へ久々にやって来た浜田を笑顔で迎えるという内容で、渡哲也や高橋英樹、宍戸錠などスター総出演の贅沢な特報だ。


文=金澤誠 制作=キネマ旬報社(「キネマ旬報」2024年7月号より転載)

 
吉永小百合 日活デビュー65周年記念 ブルーレイ&DVDシリーズ『青春と純愛』
Blu-ray& DVDの詳細情報はこちら

●吉永小百合&浜田光夫『純愛ブルーレイボックス』(6枚組、約437分)
価格:28,600円(税込)

【収録作品】
「ガラスの中の少女」「愛と死をみつめて」「赤い蕾と白い花」「潮騒」「大空に乾杯」
【映像特典】

 吉永小百合&浜田光夫の純愛コンビ共演作品の予告篇36作収録
【封入特典】
 封入ブックレット(52P)
【仕様】
 特製アウターケース、ピクチャーディスク

●発売元:日活
●販売元:ハピネット・メディアマーケティング
©日活

 

最新映画カテゴリの最新記事

今日は映画何の日?

注目記事