©2023 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

子供の頃に“空想上の友達”=“イマジナリーフレンド(IF)”が居た人は少なくない。心理学や精神医学的にも幼少期に多い現象とされており、大人になると忘れてしまう人が多いという。しかし、もしも見えなくなっただけで実在していて、今もずっと近くで見守り続けてくれていたとしたら……。

そんな物語を描くのが、6月14日から公開された映画「ブルー きみは大丈夫」。“ブルー”とは、劇中に出てくる大きな“もふもふ”のイマジナリーフレンド(イフ)。CMなどでそのかわいらしさに惹かれた人も多いだろう。子供から大人まで、全世代がそれぞれの視点で楽しめる本作は、試写会で観た人がそのエモさや感動をSNSに数多く書き込んでいる。

そんな一足早く鑑賞した人たちの声から本作の魅力に迫ってみよう。

 

13歳の少女がブルーを新たな子供とマッチングさせようと大奮闘

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主人公は、幼い頃に母親を亡くした13歳の少女ビー(ケイリー・フレミング)。お父さん(ジョン・クラシンスキー)が手術で入院することになったため、ビーは階段しかない年季の入った都会のアパートで暮らすおばあちゃん(フィオナ・ショウ)に預けられる。ある日、ビーはアパートの上階やお父さんの病院などで、巨大なもふもふのブルーやブロッサムなど、子供にしか見えない不思議な“イフ”たちと出会う。しかし、ブルーが友達だった子供は、今は大人になって彼の事を忘れてしまい、居場所がなくなったブルーはもうすぐ消えてしまう運命だった……。ビーは、大人だけどブルーたちが見える隣人の男カル(ライアン・レイノルズ)の力を借り、ブルーの新しいパートナーになってくれる子供を探すことになる。

ビーは、子供から大人へと成長しつつある多感な時期。明るく気丈に振る舞ってはいるが、母親を早くに亡くした中、大好きな父親も大病で入院し、実は不安でいっぱい。おばあちゃんは優しいが、一緒に暮らしたことがないため、お互いに遠慮がち。周囲に友達もいない中で出会ったのが、ブルーたち“イフ(IF)”だった。

イフたちは、子供が大人になって見えなくなり忘れられると、いずれ消えてしまうが、新たな子供のパートナーとなれることもある。なぜか彼らが見えてしまうビーはそこで、ブルーたちの新たなパートナー探しを始める。見知らぬ場所で孤独や不安を抱えた少女が、元気をくれたイフたちの力になろうと奮闘する姿が、生き生きと描かれる。まるで転職や婚活の敏腕エージェントのようなビーの姿は微笑ましく、誰もが応援したくなる。


「子供の頃を思い出す」「もふもふに癒された」など多くの人が共感

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本作への感動コメントの中でも特に多いのが『子供の頃を思い出す』という声。幼い頃の記憶がたくさん浮かんできて心が温かくなった』『忘れかけていた子供の頃の夢や想い出を思い返させてくれる』『昔の夢や思い出を忘れず大切にしていきたいと思いました!』といった声が溢れている。

その中には、私も子供の頃、空想のお友達がいたことを思い出して懐かしい気持ちになりました』『私も子供の頃、ブルーみたいな空想の友達と遊んでいたのかも』『子供たちが遊んでいると、「誰と話しているの?」「独り言⁉」って時がある』『子供の頃、絵に描いたり、想像したイフを思い出しました。もしかしたら彼等もまだいるのかも』といった声もあり、実際にイマジナリーフレンドが居た人はもちろんだが、居たかどうかわからない人も、物語を身近に感じられたという共感の声が多い。イマジナリーフレンドは、子供の心の成長や発達をサポートしてくれる存在で、妄想とは違うもの。「となりのトトロ」や昨年公開された「屋根裏のラジャー」なども同テーマといえるため、一見馴染みがないようでも、誰もが理解しやすいことだろう。

 

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他にも多いのが、やはりブルーを始めとした個性的なイフたちの魅力について。『多種多様な姿形をしたイフたちがとにかく楽しい!』『出てくるキャラクターが可愛いし、それぞれの物語があって胸が熱くなる』『ブルーにもふもふ抱きしめられたい』『イフが皆、個性的で可愛くて癒された~』『もふもふをわしゃわしゃしたくなった』などの声があがっている。劇中に登場するイフは子供の想像力から生まれているだけに多種多彩。ブルーの他にも、ブロッサム(ベティ・ブープのような蝶)、サニー(歩いて話す人型の花)、アイス(グラスの水の中の氷)、オクト・キャット(水を恐れない猫)、スーパードッグ(スーパーヒーロー犬)、石けんバブル(泡風船)などなど、書ききれない程に数多くの楽しいキャラクターが登場するのも大きな魅力となっている。

 

豪華声優陣にも注目!全世代がそれぞれの視点で楽しめる感動作

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そのイフたちを演じる声優陣に関する声も多い。
『イフたちがとにかく豪華キャストでびっくり!誰の声か考えるだけでわくわくした』『声優さんの名前見て、めちゃくちゃ娘と盛り上がりました』『声優陣豪華すぎた笑』という書き込みもある通り、イフを演じているのは、字幕版、吹替版共に超豪華。字幕版では、スティーブ・カレル、ジョージ・クルーニー、マット・デイモン、ルイス・ゴセット・Jr、ブレイク・ライヴリー、エミリー・ブラント、ブラッドリー・クーパー、など。吹替版ではイフ以外も含めると、宮田俊哉、稲垣来泉、三森すずこ、浪川大輔、大塚明夫、神谷浩史、小山力也、島﨑信長、下野紘、津田健次郎、早見沙織、森川智之など。字幕版と吹替え版のどちらを観るか迷ってしまうほど素晴らしい“演技”を見せてくれる。

また、主な出演者は、ビー役に来日時の舞台挨拶でも大歓声を集めていたケイリー・フレミング(『ウォーキング・デッド』シリーズのジュディス役、『スター・ウォーズ』シリーズの子供の頃のレイ役)、ビーの隣人のカル役にライアン・レイノルズなど。そして、ビーのお父さん役のジョン・クラシンスキーが監督・脚本も兼任。実は「クワイエット・プレイス」シリーズと同じ監督なのだが、全く異なるハートウォーミング作品に仕上げている。

 

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さらに、様々な感動の声もあがっている。『想定以上に連れと二人で号泣。ぜひ大人にこそ観てほしい』『(一緒に鑑賞した中学生の娘が)「良かった…」と噛み締めるように呟き暫く席を立たなかった。思春期ならではの感じるものがあったよう』『大人も子供も救われるお話でした』『親子で楽しめる映画に出会わせてもらえて感謝』『友達と観て、家族ともう一度観たい映画でした』『きっと観る度に感じ方が違う気がする。心が温かくなるひと時に感謝』『(観終わって)一晩たっても余韻がすごい』など、熱のこもった感動の声が溢れている。

その反響からも、キュートで楽しいイフとの交流を通して、子供の成長を描くポジティブなメッセージに溢れた、子供から大人まで全世代がそれぞれの視点で楽しめる映画なのがわかるだろう。また、娘と父の等身大の家族の物語でもあり、ファンタジックな描写も多いが、リアルな日常がベースとなった物語でもある。多面的な魅力を持つエモさに溢れた映画で、ファミリームービーとしても、デートムービーとしても、誰にもお薦めできる感動作だ。

文=天本伸一郎 制作=キネマ旬報社

 

 

「ブルー きみは大丈夫」

監督・脚本:ジョン・クラシンスキー
出演:ケイリー・フレミング、ライアン・レイノルズ
声:スティーヴ・カレル、マット・デイモン、エミリー・ブラント、フィービー・ウォーラー=ブリッジ、オークワフィナ、サム・ロックウェル、ルイス・ゴセット・Jr
日本語吹替版:宮田俊哉、稲垣来泉、加瀬康之、浪川大輔、三森すずこ、高島雅羅 ほか

原題:IF 配給:東和ピクチャーズ
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公式サイト:https://blue-movie.jp

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