【11月のBS松竹東急】映画好きなら見逃せない! 今見てほしいこの3本!! ―― 昭和・平成を彩った人気スター&キャラクター

「ゴジラVSモスラ」

昭和・平成を彩った人気スター、キャラクターの作品が登場する。キャラクターでは、今年生誕70年を迎えたゴジラの『平成・VSシリーズ』6作品を一挙に放送。84年、9年ぶりにスクリーンへ復帰したゴジラは、89年の「ゴジラVSビオランテ」を皮切りに、物語が連続する『平成・VSシリーズ』へと発展した。「ゴジラVSキングギドラ」(91)はタイムパラドックスによるSF、「ゴジラVSメカゴジラ」(93)ではメカゴジラを対ゴジラ兵器として登場させるなど、いずれもアイデアを凝らした娯楽大作になっている。中でも「ゴジラVSモスラ」(92)は、「シン・ゴジラ」(16)に破られるまで、平成以降に作られたゴジラ映画として最高の観客動員数を誇った大ヒット作。『インディ・ジョーンズ』ばりの冒険活劇の要素も盛り込み、ゴジラとモスラ、バトラの三つ巴の戦いが横浜みなとみらい21で展開する。今回は他にも「ゴジラVSスペースゴジラ」(94)と、〝ゴジラ、死す〞のキャッチコピーも話題になった『平成・VSシリーズ』最終作、「ゴジラVSデストロイア」(95)を放送する。

 

「Wの悲劇」

薬師丸ひろ子は1970年代後半から80年代半ばにかけて、角川映画が生み出した最大のスターだった。彼女は中学1年生のときに「野性の証明」(78)のヒロイン役オーディションに合格し、以降は角川映画の主演女優としてヒット作を連発。特にやくざの組長になる女子高生を演じた相米慎二監督の「セーラー服と機関銃」(81)で、一躍トップスターの座に躍り出た。今回は彼女が角川映画時代に出演した7作品を一挙に放送する。青春SF「ねらわれた学園」(81)、松田優作と共演した「探偵物語」(83)、深作欣二監督によるアクション時代劇「里見八犬伝」(83)、森田芳光監督と組んだロードムービー「メイン・テーマ」(84)と、作品ごとに新たな魅力を見せていったが、女優としての表現力と輝きを最も放った作品として、澤井信一郎監督の「Wの悲劇」(84)をお薦めしたい。原作は夏樹静子のミステリー小説だが、ここでは原作を劇中劇として使い、物語はスキャンダルに巻き込まれた、劇団の若手女優のラブストーリーにしている。無名の女の子から主演女優へと上りつめるヒロインを見事に演じた薬師丸は、この演技でブルーリボン賞主演女優賞を受賞。名実ともに映画界のスターになっていった。

 

「懲役太郎 まむしの兄弟」

1960年代後半から70年代、東映で活躍したのが菅原文太である。新東宝から松竹を経て、67年に東映へと移籍した彼は、73年に始まる「仁義なき戦い」シリーズでトップスターの座を手にした。今回は東映時代の出演作6本が放送される。東映での初主演作「現代やくざ 与太者の掟」(69)や「日本の仁義」(77)、「総長の首」(79)といった大作、孤独な渡世人に扮した「木枯し紋次郎」(72)、文太がスターとして浮上するきっかけを作った「関東テキヤ一家」(69)などが登場するが、ここでは彼のコミカルな魅力が光る「懲役太郎 まむしの兄弟」(71)に注目。ハードなやくざ映画に出ながら、一方で〝ゴロ政〞という無鉄砲な男に扮して義兄弟役の川地民夫と絶妙の掛け合いを見せる、こういうコメディやくざ映画もこなすところに、菅原文太の俳優としての奥行きが感じられる。

 

文=金澤誠 制作=キネマ旬報社(「キネマ旬報」2024年11月号より転載)

 

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※よる8銀座シネマは『一番身近な映画館』、土曜ゴールデンシアターは『魂をゆさぶる映画』をコンセプトにノーカット、完全無料で年間300本以上の映画を放送。

■11/6[水] 夜8時
「ゴジラVSモスラ」
監督:大河原孝夫
出演:別所哲也、小林聡美、村田雄浩 ほか
© 1992 TOHO STUDIOS CO., LTD.

■11/18[月] 夜8時
「Wの悲劇」
監督:澤井信一郎
出演:薬師丸ひろ子、世良公則、 三田佳子 ほか

© KADOKAWA 1984

■11/27[水] 夜8時
「懲役太郎 まむしの兄弟」 
監督:中島貞夫
出演:菅原文太、安藤昇、川地民夫、岩上瑛、佐藤友美、 ほか
© 東映

詳細はこちら:https://www.shochiku-tokyu.co.jp/special/eiga/

 

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