「恋の闇 愛の光」のストーリー

1660年、英国。チャールズ二世(サム・ニール)が即位し、イギリスに王制が戻った。ルネサンスの影響で文芸や科学が発達し、清教徒革命で押さえ込まれていた歓楽が花開いた時代だったが、一方で伝染病などがはびこった悲惨な時代でもある。ロバート・メリヴェル(ロバート・ダウニー・ジュニア)は医師としてそんな社会の悲惨な面ばかりに接する生活に欲求不満で、暇さえあれば女遊びに明け暮れている。親友のピアース(デイヴィッド・シュリース)は彼の医師としての才能を惜しんでいた。メリヴェルはふとしたことから国王に召しだされ、瀕死の愛犬ルルの治療を任される。メリヴェルは犬の命を救い、持ち前の滑稽さで王の寵愛を受け、宮廷で享楽の日々を楽しむ。王は彼に愛人のセリア(ポリー・ウォーカー)との結婚を命じて領地を与えるが、それは別の愛人たちの眼を誤魔化すためだった。ところがメリヴェルは決して妻を愛してはならぬという王の命に反してセリアに恋し、拒絶される。セリアの肖像を描くために王の派遣した画家フィン(ヒュー・グラント)がそれを見抜いて王に密告、領地を失ったメリヴェルはピアースを頼ってクエーカー教徒の経営する精神病院に行く。彼は医師の直観を取戻し、禁欲的な病院の生活に明るさを吹き込んで治療効果を挙げる。だがピアースが結核に冒され、彼の必死の治療も虚しく命を落とした。一方メリヴェルは不眠症患者のキャサリン(メグ・ライアン)を妊娠させてしまい、二人で病院を去る。黒死病の流行が始まっており、二人は隔離された町に取り残される。キャサリンは娘のマーガレットを帝王切開で産み、そのまま帰らぬ人になった。メリヴェルは医師の使命に目覚め、たった一人で黒死病の治療に奔走する。ふとした誤解で人々は彼をピアース医師だと思い込む。宮廷ではセリアが黒死病にかかり、王は“ピアース医師”を召しだす。仮面で顔を隠したメリヴェルはセリアが黒死病ではなく妊娠しており、王の愛を信じられずに悩んでいることを見抜き、彼女を励ます。ロンドンの町が猛火に包まれ、メリヴェルはマーガレットを救おうと必死で炎の中を駆け回るが、川に落ちて気を失う。下流に流された彼はかつての自分の所領に流れ着いた。そこへ王が訪れる。マーガレットの乳母が王宮に彼の消息を求めたことから彼の正体が知れたのだ。王はセリアを救ったこと、そしてメリヴェルが立派な医師に成長したことに免じて再び領地を彼に与えた。メリヴェルはキャサリンとピアースの思い出を胸に、王立病院の院長としてその再建に乗り出すのだった。

今日は映画何の日?

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