「ノートルダムの鐘」のストーリー
15世紀末のパリ。街の中心にそびえ立つノートルダム大聖堂の鐘楼に、カジモド(声=トム・ハルス)という鐘つき男が住んでいた。両親は彼が赤ん坊の時に、時の権力者で最高裁判事のフロロー(声=トニー・ジェイ)に殺されたが、その時に司祭(声=デイヴィッド・オグデン・スティアーズ)との約束でフロローはカジモドを引き取った。カジモドはその醜い容貌ゆえ塔に閉じ込められ、外界と隔離されて育った。彼だけに話し掛けるラヴァーン(声=メアリー・ウィックス)、ユーゴー(声=ジェーソン・アレクサンダー)、ヴィクトル(声=チャールズ・キンブロー)の3体の石像を唯一の心の友とし、塔の上から下界を眺めて暮らす日々だったが、純粋な心は常に自由を夢見ていた。年に一度の祭の日。.浮かれ騒ぐ人々の様子に我慢できなくなったカジモドは、生まれて初めて鐘楼を抜け出した。“道化の王”コンテストで、美しいジプシー娘の踊り子エスメラルダ(声=デミ・ムーア、歌=ハイジ・モーレンハウアー)に手を引かれ舞台に上がったカジモドは、道化の王に選ばれる。人々に讚えられ有頂天になるカジモドだったが、彼が仮装をしていないことが分かると称賛は残酷な嘲笑に変わり、彼は逃げるようにしてその場を去った。腹を立てたフロローは、新しく近衛隊長に就任した勇士フィーバス(声=ケヴィン・クライン)に、カジモドをかばったエスメラルダの逮捕を命じる。だが、彼女はいかなる権力も行使できない聖域であるノートルダム大聖堂に逃げ込んだ。カジモドは醜い自分を差別せず、優しい言葉をかけてくれたエスメラルダに初めての愛を感じ、彼女を逃がした。一方、エスメラルダの美しさに邪悪な欲望を感じたフロローは、兵士たちに彼女の捜索を命じる。民家に火を放ち、街の人々を迫害するフロローのやり方に憤激したフィーバスは、罪なき人々を助ける。フロローに命を狙われ重傷を負った彼は、エスメラルダに救われ、大聖堂に逃げ込む。二人の間に恋が芽生えたことを知ったカジモドは、これまで経験したことのない心の痛みを感じながらも、愛するエスメラルダのためにフィーバスをかくまう。フロローは、エスメラルダの隠れ家である“奇跡の法廷”を襲撃する計画をわざと漏らし、危険を知らせようとするカジモドとフィーバスの後をつけ、全員を逮捕する。幽閉されたカジモドは渾身の力で鎖をちぎると、大聖堂前の広場にはりつけにされたエスメラルダとフィーバスを助けた。フィーバスの訴えで民衆も立ち上がり、戦いがはじまる。エスメラルダを追って塔に上ったフロローは墜落し、炎の中に消えた。街には平和が戻り、人々に暖かく迎えられたカジモドは、今初めて外の世界への第一歩を踏み出した。