「栄光何するものぞ」のストーリー

1918年、フランス戦線後方の村に、フラッグ大尉(ジェームズ・キャグニー)の指揮するアメリカ海兵隊L中隊が帰って来た。大尉は休暇でパリへ出かけることになっていたが、かねてなじみの酒場の娘シャルメイン(コリンヌ・カルヴェ)から、結婚してパリへ連れて行ってくれと頼まれ、すっかりクサってしまった。中隊には高校出の補充兵が配属されて来、その訓育係として曹長が赴任して来たが、何とその男は大尉の昔からの色仇であるクワート(ダン・デイリー)だった。大尉がひとりパリに旅立ったあと、果して曹長はシャルメインをモノにした。―方新米の補充兵リュイゾン(ロバート・ワグナー)は村の小町娘ニコル(マリサ・パヴァン)に一目惚れし、2人は1週間で結婚の決意をかためた。パリから帰ったフラッグ大尉は、酒場の親父からシャルメインの処置を怒鳴りこまれ、相手がクワートと知って激怒したが、この2人を結婚で縛りつけておくのも一計と、早速式を挙げさせることになった。しかしこの時中隊には出動命令がおりて、クワートとシャルメインも、リュイゾンとニコルも、ともに結婚は一時延期になってしまった。前線では、ドイツ将校1人を捕らえればそれで作戦終了という約束だが、それに成功したのはリュイゾンであった。だが彼は、大尉から結婚許可を与えられた途端に戦死した。フラッグもクワートも今はシャルメインを忘れられず、一刻も早く村に帰って先に式を挙げようと焦るが、先ずクワートがうまい具合に負傷して後送され、病院を脱走してシャルメインを抱きかけた。この夜フラッグも捕虜を捕らえて帰還、どちらが彼女を獲得するのかのポーカー・ゲームになって、大尉はついにブラフ戦法でクワートを追っ払った。しかしこの時中隊には再度の出動命令。今は女を抱き、ニコルにも哀しい引導を渡してすっかり戦争がいやになっていたフラッグは思わず命令を拒否しかけたがー―やはり彼は前線に出ずにはいられない男であった。呆然と見送るシャルメインの目に、戦線へ帰って行く中隊の後ろを、傷ついた足をひきずりながら追うクワートの姿も見られた。