「ことの次第」のストーリー

ポルトガルの海岸に建つホテル。季節はずれのこのホテルに、ある団体が宿泊している。映画の撮影チームの一行だ。アメリカ人とヨーロッパ人の混合で編成されたこのチームは、どことなくしっくりいっていない様子だ。2年ほど前に大嵐に見舞われ一部破損したこのホテルを、撮影隊は格好の素材と見なし、爆発を受けた後の風景として撮影に利用することにした。映画は、50年代のアラン・ダンのSF映画の再映画化「ザ・サヴァイバー」である。しかし、撮影チームが来てから二週間たった時、資金その他が足りなくなるという事態が生じる。今まで撮ったフィルムを持ってLAに戻ったプロデューサーのゴードン(アレン・ゴーウィッツ)が戻ってこないのだ。電話もこない。監督のフリッツ(パトリック・ボーショウ)はゴードンを探しにハリウッドへと飛んだ。映画を撮り続けることが可能なのか確かめなくてはならない。しかし、ゴードンは何者かから逃げまわっているということをフリッツは知らされる。一方、アンナ(イザベル・ヴェンガルテン)やマーク(J・キム)らは、そんな事態をよそに、プライヴェイトな悩みごとで時間を過ごしていた。