「青春の形見」のストーリー

イタリアの地方都市アスコーリ・ピチェーノ。今まさに街を出ようと早朝のホームでひとり佇むユーリ(ロベルト・デ・フランチェスコ)の心の中に、この街で暮らした20年間の思い出が甦ってくる--。温かな彼の少年時代は、出かせぎに出た父が母を捨てたことで幕を閉じる。高校生になり、悪友ラッツォ(セルジオ・ルビーニ)の昔の恋人に心惹かれたり、の生活を送るユーリは、同級生のアントニオ(ダリオ・パリジーニ)と親しくなり、次第に学生運動に目覚めてゆく。ある時ユーリは、兄マルコ(リカルド・デ・トレブルーナ)のかつての恋人ラウラ(フランチェスカ・ネーリ)と偶然出会い、仮装カーニバルの夜、二人は結ばれる。一方、他人の女に手を出したラッツォはカーニバル会場から追い出され、酔っ払い運転をして交通事故で死んでしまう……。そしてユーリは今、どこかにある真実の自分の人生を求めて旅立つのだった。