「夫を殺すまで」のストーリー

結婚式。クララがグランク・デェーンの花嫁になろうとする時、探偵は恐喝罪の下に夫フランクを捕らえようとする。けれどもクララはフランクの主張する「潔白」を信じて式を終わり、ここに彼ら夫婦の契りは結ばれる。ところが式が終わると夫フランクは罪人として獄につながれ、この時クララは初めて夫の真相を知る。月日は流れる。クララにとって人生はあまりに残酷すぎた。夫フランクは小賊にすぎなかったが、いつも投獄を企ててやりそこない、捕まって、結局いつまでたっても出獄を許されないような始末だった。そこで探偵は、その妻クララと彼らの幼い娘の身の上に同情していたが最後にフランクが盗賊を働いたあげく投獄を企て例によって捕まった時、一証人の言によってクララはフランクとの共犯者として共に有罪を宣告された。クララにとって世に何ものにも換え難い娘ナンシーとの別れは実に断腸の思いであった。15年の後、例の探偵に引き取られ養女として立派に育て上げられたナンシーの幸運を陰ながら念じつつ自由の身となったクララはある宝石商に働いていた。噂に聞けばナンシーは近々ある名家の青年と結婚するということである。ナンシーの結婚式も目前に迫った。出獄したフランクはクララの許を訪れ、彼らの娘の幸運を知り持ち前の悪心を起こしてまたも彼らを恐喝すべくピストルをふところにして家を飛び出す。ナンシーの婚約者の邸内では宴会の真っ最中。庭から忍び込んだフランクは娘ナンシーとその婚約者に近づこうとする時突然現れたクララのために妨げられクララは娘の幸福のためフランクを射ち殺す。この騒ぎに駆けつけた探偵、いまはナンシーの養父は事実の真相を知りクララのナンシーに対する純情に感じて夫殺しの大罪から彼女を逃す。翌日はからずも例の宝石商を訪れたナンシーは偶然にも生みの母に結婚の仕度を調べて貰ったのである。