「続シンジケート」のストーリー

アメリカ西海岸一帯に広域な犯罪シンジケートを持って君臨しているマフィア、アントニオ・マガディノ一家には不穏な空気の兆しが見えはじめていた。ボス・アントニオ(マーティン・バルサム)は初老の身、忠実な腹心や部下に恵まれていたものの、弱肉強食のこの世界では絶対安全ということはありえない。だからこそアントニオは、その養子でありゴッド・サンでもある若いトーマス(トマス・ミリアン)に期待をよせていたが、ある事件で刑務所に入り、数年後出所してきた彼に、復帰を拒まれ、激しいショックを受けると同時に先行きに不安を抱く。むろん、弁護士としても将来を嘱望されている若いトーマスをこれ以上犯罪のアカにまみれさせたくはなかったが、マフィアの世界では一度入ったら死ぬまで決して離脱できないという厳しい掟がある。だがアントニオはトーマスの意志を受け入れ、危険を覚悟で離脱を許すのだった。結局、このトーマスの離脱がマガディノ組織の内部抗争に火を点けることになった。かねてよりボスの失脚を狙う下部組織のボス、ガロファロ(フランシスコ・ラバル)は、早速トーマスの掟破りをタテに凄まじい攻撃に出た。ガロファロの追撃に穏れ家を転々とするアントニオとトーマスは、いったん故郷のシシリー島に帰る決意を固める。シシリーに行けば資金もあり、親しいドン・ヴィトやドン・ベッツアらの味方もいる。一方、マガディノ一家の根絶を狙いシシリーまで迫ってきたガロファロは、この地のマフィアの勢力を甘く見ており、その誤算は次々と消されていく幹部たちの死で証明された。最後の一人まで失いトーマスに追いつめられたガロファロは銃弾を浴びて倒れたが、無意識の中で引金を引いた。弾丸はトーマスに命中し、絶命した。こうして、心から愛するゴッド・サンを失って悔恨に沈むドン・アントニオ。シシリーの空はいちめんに霧が覆い、夜のように暗かった。